ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

「主様!根拠の無い自信は止めるのじゃ」

「勿論ハーちゃんの側に居たいよ?」


 その言葉を聞いたゲイルは膝から崩れ落ちる。


 うん。気分が良い。


「えっ?あれ?大丈夫ですかゲイルさん?」


 相も変わらず何も分かって無いなこの女、前世一緒に居た時でも瑠璃はこんな感じだった。


 天然で男を惹き付ける割にその事を意識しないから次々にアタックされては屍を量産してたっけ?


「ご主人様、るりさんって何時もあんな感じ何ですか?」


「あれはまだ軽い方」


「うわ~」「凄いかな」「ゴブ」


「昔、我の仲間にサキュバスが居たがそやつでもここまでではなかったぞ」


 う~ん、物本のサキュバス越えるとかどんだけだよ。


「どうかしたのハーちゃん?」


「別に」


「主様これからどうするのじゃ?」


「瑠璃を引き抜くにしても、いきなりだとギルドの引き継ぎとかも有るだろうから、その辺はなるべく早めにやって貰える?」


「ああ、分かった。他には有るかな?」


「じゃあ、順番狂ったけどそっちに魔族の情報は有るの?」


「有る。と、言いたい所だがこちらに有るのはここから西の方に行った所に魔族が住みついて居る。と、言う事だ」


「それがウィルドとかって奴の一団かな?」


「分からん。が、君の話を聞く限りそうだと思うが」


「動きは?」


「常に監視をしているが動く気配は無いな」


「何だ。じゃあ大丈夫だね」


「うん、まだ動いて無いなら少し安心かな」


「ご主人様?」「ハーちゃん何が引っ掛かってるの?」


「う~ん」


 本当に動きは無いのか?だとしたらガダルの言葉は嘘だった?それなら意味は?


 嘘をつくならそれなりの隠したい物が在る筈、もしくはこっちを混乱させる為だけの、愉快犯的行動?


 でも、少し話しただけだけどガダルはそんなタイプじゃ無い。


 じゃあ隠している物それは何?


「ハーちゃん」


「今忙しい」


「ハーちゃん、ガダルって人はどんな感じの人?」


「るりさん何を言っているんですか?」


「瑠璃?私本当に忙しいんだけど?」


「良いから良いから」


「ふう、とりあえず明らかな程に油断無い感じだね。任せる所は部下に任せて、危なくなれば自分の言葉も撤回してすぐに行動出来る。まあ、澪見たいなタイプだね」


「じゃあ、みーちゃんならハーちゃんに何でわざわざそんな情報を伝えるのかな?部下の人の求心力を落とさない為でも、そんな事教えて一番大切な事が出来なくなったら意味無いよね?実際こうやって監視をされて、ここら辺を支配するってバレたらもっと警戒されたりするんだから」


「澪なら?あの性悪なら愉快犯だとしても私にタダで情報何て渡さない、情報を渡した上で楽しむ」


「うん、みーちゃんらしいね。なら、この状況ハーちゃんに情報渡して何を楽しむのかな?」


「・・・・・私の成長?いや、違う。なら私がこうやって考えて悩む事?・・・・・違う。ミスリードだ」


「ミスリード?」


「与えられた情報を元に私が違った答えを出すこと、ならこの場合・・・三ヶ月でこの地方を落とすんじゃ無くもっと早く落とす?」


「なっ!」


「そうだ、あくまで私達を襲うのは三ヶ月後だと言っただけで、三ヶ月掛けて落とすとは言って無い。もし西の魔族がウィルドなら、自分が動かない事で周りを釘付けにする陽動になる。もしくは自分が居ると思わせれば動く事も出来るのか?」


「とりあえずBランク以上の冒険者に西の魔族を調べさせよう」


「あくまでも私の推測だよ。でも、動いてくれるなら頼んだ」


 もし、そうなら私達にとっても死活問題だからね。


「流石ハーちゃんですね」


「スゲー誘導された感が強いけどね」


「そんな事無いよ~。私全然分からなかったもん」


「はぁ、まあ良いや。さて、それじゃあそろそろ私達はおいとまするよ。瑠璃の引き継ぎよろしく」


「ああ、そちらはなるべく早くやっておこう」


「待て小娘!」


「じゃあ帰るね」


「待てと言ってるだろ!」


「まだ居たのか禿げ未満」


「誰が禿げ未満だ!いや、それより貴様はルーリンを連れて行ってどうするつもりだ!」


「そう言えば、どうするのハーちゃん」


「瑠璃には私達と一緒に冒険者になって貰うよ」


「なっ!」


「うん、分かりましたハーちゃん」


「ご、ご主人様それは無謀ですよ」


「何で?」


「異邦人の方は余りスキルを持っていないんですよ。だから今から育てるのは時間が無いと思いますよ」


「う~ん、確かにそうだよね?三ヶ月後に魔族との戦闘がほぼ確定だからね~」


「それ、我も危ないのじゃ」


「クーは大丈夫」


「主様!根拠の無い自信は止めるのじゃ」


「でも、確かに危なく無いかな?」


「そこまで言うならエレオノ、瑠璃の胸の所に在る職員のバッチ取ってみなよ。瑠璃は盗られない様にやって」


「うん、分かったよ」


「本当に良いのハクア」


「大丈夫」


「なら」


 私からの了承を得たエレオノは全速で距離を一気に詰め瑠璃の胸元に手を伸ばす。


 はや!しかも正面から行ってはいるけどフライング気味に行ってるから反応しづらいだろうな。


 そんな事を考えながら見ていると、瑠璃の胸元に向かっていた手が横から外側へいきなり弾かれる。そして、それと同時に瑠璃は体を半身に動かしエレオノに一歩近付く。


 そのままだとぶつかると思ったエレオノはブレーキを掛け距離を取る為後ろに跳ぼうとする。しかし、瑠璃は弾いた腕を取りエレオノに向かって力を加え腕を押し手を離す。


 するとエレオノは後ろに下がる為の力が予想以上に掛かって仕舞った為にバランスを崩す。瑠璃はバランスを崩し背中から倒れ様としているエレオノの押した手をもう一度右手で掴み、更に左足で一歩踏み込んで残った右足でエレオノの足を刈り取り、その勢いを利用して一回転させて尻もちを着かせる。


 ドシンッ!「イッタァイ!」


「ごめんなさい。大丈夫ですか?」


「ああ、うん、大丈夫!背中からよりましだから」


「なら良かったです」


「凄いかな」


「ご、ご主人様どういう事ですか?」


「瑠璃は柔術。まあ、相手の力を利用して少ない力で相手を倒す技が得意だから」


「そうなんですか先輩?」


「うん、幼い頃からこんな感じで惹き付けて居たから、心配になった両親に祖母の所で習わされたらしいけど、意外な程に才能が有ってすぐに覚えたんだよね」


「うん、面白かったから頑張って覚えたよ。ハーちゃんも少し習ってたよね?」


「私はリタイアした」


「ハーちゃん体力は無かったからね」


「これでもまだ心配?」


「大丈夫そうですね。これからよろしくお願いします。るりさん」


「はい、よろしくお願いします。アリシアさん、エレオノさんも、コロさんも、アーちゃん、クーちゃんもよろしくです」


「「「よろしく」」」「アーちゃんゴブ?」


「嫌だったかな?」


「大丈夫」グッ!


「よろしくね」グッ!


「じゃあとりあえず、まだ仕事有るの瑠璃?」


「いや、彼女の仕事はもう終了だよ」


「そうか、じゃあこれから宿に帰るけど、そこで話しする?」


「良いの?」


「はい、是非話ししましょうるりさん」


「じゃあお邪魔します。どこに泊まってるの?」


「キャットテイルだよ」


 こうして私達はギルドを後にして一緒に宿屋へと行くのだった。


ハゲの事?何か叫んでいるがハゲ語は知らんな。

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