たった一つの願いを叶えるために
鍵
感謝されたあと何とか頭をあげてもらい、陛下が話を続けた。
「バナック、あれを」
陛下のそばに立っていた宰相が、盆に乗せたお金を持ってきた。
あれ、あの色って白金貨だよねぇ。なんか100枚くらいありそうなんだけど。
「娘を救ってくれたお礼だ。国庫からは出せないから私のポケットマネーなんでね、少々少ないがすまない」
「いやいや、多過ぎますよ」
「いや、これでも足りないくらいだ。だからそれとは別に何か欲しいものはないか?」
いやだから多すぎだって言ってるでしょう。
報酬の基準がわからないから少ないのが多いのかがわからない。
この上さらに欲しいものかぁ。
「………では、家を下さい」
少し考えたあと思いついたものを言ってみた。
「家?」
「はい。私は今グランさんの屋敷に泊まらせてもらっている状態なので、自分の家が欲しいです」
「何、ずっと屋敷にいるのではないのか!?」
「そのうち屋敷を出るって言ってましたよね」
「テルも冗談を言うのだな」
「冗談じゃないですって」
確かにグランさんたちにはかなり良くしてもらってる。使用人の方達とも親しくさせてもらっている。
いやだよ、ずっと他人の家だなんて。自分の家が欲しいです。
「良いだろう。ちょうど空いている屋敷があるのでな。そこを紹介しよう。」
陛下が了承したことでグランさんとの話は終わった。
「ありがとうございます。…?」
屋敷…?いや、気のせいだろうな。
「なら次だ」
「はい?」
「言ったであろう。これでも足りないくらいだと。お主には金があっても助けることができなかった娘の命を救ってもらったのだ。本当は爵位を渡しても良いのだが…」
「いえ、地位や名誉はいりません」
「知っている。だからこれは交渉でもあるのだ」
俺の力が他国に渡るのを防ぎたいのか。
「わかりました。ではあとひとつだけ」
「欲がないのう」
カーラさんが言う。
「陛下の後ろ盾をもらえませんか?」
「前言撤回。ある意味欲深かじゃな」
カーラさんの言葉は無視する。
俺の言葉を聞き、陛下の目が面白そうなものを見る顔になった。
「後ろ盾とな。理由を申してみよ」
「陛下が心配されている、俺の力が他国に流失、特に軍事利用される可能性を限りなく低くするためです。この国や他国の貴族の権力に弱い立場でありますが、陛下の後ろ盾があれば少なくとも一方的に利用されというのは防げると思います」
「フフフ、ハハハハハハ!……そうだ。お主の力はいずれ気づかれるだろう。その時に地位や名誉をいらぬと申したお主が、権力による理不尽を払いのけるにはそれが最適解だろう。バナック、バッジを持ってきてくれ」
「かしこまりました」
バッジを取りに執事が部屋を出た。
「なんだ私の後ろ盾だけでは足りんか?」
「む?グランもバッジを渡しておったのか」
「ああ、こいつと出会った日にな」
「いえ、そんな事はありませんよ。ただ味方が多いことに越したとはないでしょう」
「そうだな」
グランさんは面白そうに言った。
まぁグランさんの受け売りだしな。
しばらくして執事が戻ってきた。取ってきたバッジを陛下に渡す。
「これで良いか?一応言っておくが、悪用するなよ?」
「ありがとうございます。わかっています」
受け取ったバッジを[無限収納]にしまう。
「当然のように収納魔法を使うのだな」
そんなつぶやきが聞こえた気がしたが、気にしないことにした。
「では、私はこれで」
そう言って席を立とうした時陛下に止められた。
「待て。まだ話は終わってないんだ」
「何でしょうか?」
全員の雰囲気が変わったのを感じる。
どうやら厄介事のようだ。
「実はな、フィーリアが呪いにかかった原因がわからないのだ」
「心当たりは全くないのですか?」
「あった。しかし、調べたが何も出てこなかった。フィーリアが狙われた理由についてはわかるのだが、誰が、どうやってかがわからない」
「狙われた理由についてお聞きしても?」
「ああ。だがここからは一切の他言無用する。この話は今ここにいる者しか知らないことだ。……私たち王家は代々言い伝えられてきたことがある。遥か昔この世界に1柱の神が墜ちて来た。その神は禍ツ神と呼ばれる神で、人族、獣人族、エルフ、ドワーフ、魔人族、精霊、神獣、関係なく一切衆生を自分の配下または自分自身で殺していった。当然全ての生き物は種族関係なく手を組み立ち向かった。しかし、相手は曲がりなりにも神だ。全ての生き物が絶滅するまでの時間がわずかに増えただけでしかなかった。だがここで状況が一変した。絶大な力を振るっていた禍ツ神に何処かから五つの楔が打ち込まれたのだ。その楔により力を失った禍ツ神を五人の人物が鍵となって封印した。鍵はその子孫に代々受け継がれている」
「今代の鍵を持つのはフィーリア様じゃ」
「バナック、あれを」
陛下のそばに立っていた宰相が、盆に乗せたお金を持ってきた。
あれ、あの色って白金貨だよねぇ。なんか100枚くらいありそうなんだけど。
「娘を救ってくれたお礼だ。国庫からは出せないから私のポケットマネーなんでね、少々少ないがすまない」
「いやいや、多過ぎますよ」
「いや、これでも足りないくらいだ。だからそれとは別に何か欲しいものはないか?」
いやだから多すぎだって言ってるでしょう。
報酬の基準がわからないから少ないのが多いのかがわからない。
この上さらに欲しいものかぁ。
「………では、家を下さい」
少し考えたあと思いついたものを言ってみた。
「家?」
「はい。私は今グランさんの屋敷に泊まらせてもらっている状態なので、自分の家が欲しいです」
「何、ずっと屋敷にいるのではないのか!?」
「そのうち屋敷を出るって言ってましたよね」
「テルも冗談を言うのだな」
「冗談じゃないですって」
確かにグランさんたちにはかなり良くしてもらってる。使用人の方達とも親しくさせてもらっている。
いやだよ、ずっと他人の家だなんて。自分の家が欲しいです。
「良いだろう。ちょうど空いている屋敷があるのでな。そこを紹介しよう。」
陛下が了承したことでグランさんとの話は終わった。
「ありがとうございます。…?」
屋敷…?いや、気のせいだろうな。
「なら次だ」
「はい?」
「言ったであろう。これでも足りないくらいだと。お主には金があっても助けることができなかった娘の命を救ってもらったのだ。本当は爵位を渡しても良いのだが…」
「いえ、地位や名誉はいりません」
「知っている。だからこれは交渉でもあるのだ」
俺の力が他国に渡るのを防ぎたいのか。
「わかりました。ではあとひとつだけ」
「欲がないのう」
カーラさんが言う。
「陛下の後ろ盾をもらえませんか?」
「前言撤回。ある意味欲深かじゃな」
カーラさんの言葉は無視する。
俺の言葉を聞き、陛下の目が面白そうなものを見る顔になった。
「後ろ盾とな。理由を申してみよ」
「陛下が心配されている、俺の力が他国に流失、特に軍事利用される可能性を限りなく低くするためです。この国や他国の貴族の権力に弱い立場でありますが、陛下の後ろ盾があれば少なくとも一方的に利用されというのは防げると思います」
「フフフ、ハハハハハハ!……そうだ。お主の力はいずれ気づかれるだろう。その時に地位や名誉をいらぬと申したお主が、権力による理不尽を払いのけるにはそれが最適解だろう。バナック、バッジを持ってきてくれ」
「かしこまりました」
バッジを取りに執事が部屋を出た。
「なんだ私の後ろ盾だけでは足りんか?」
「む?グランもバッジを渡しておったのか」
「ああ、こいつと出会った日にな」
「いえ、そんな事はありませんよ。ただ味方が多いことに越したとはないでしょう」
「そうだな」
グランさんは面白そうに言った。
まぁグランさんの受け売りだしな。
しばらくして執事が戻ってきた。取ってきたバッジを陛下に渡す。
「これで良いか?一応言っておくが、悪用するなよ?」
「ありがとうございます。わかっています」
受け取ったバッジを[無限収納]にしまう。
「当然のように収納魔法を使うのだな」
そんなつぶやきが聞こえた気がしたが、気にしないことにした。
「では、私はこれで」
そう言って席を立とうした時陛下に止められた。
「待て。まだ話は終わってないんだ」
「何でしょうか?」
全員の雰囲気が変わったのを感じる。
どうやら厄介事のようだ。
「実はな、フィーリアが呪いにかかった原因がわからないのだ」
「心当たりは全くないのですか?」
「あった。しかし、調べたが何も出てこなかった。フィーリアが狙われた理由についてはわかるのだが、誰が、どうやってかがわからない」
「狙われた理由についてお聞きしても?」
「ああ。だがここからは一切の他言無用する。この話は今ここにいる者しか知らないことだ。……私たち王家は代々言い伝えられてきたことがある。遥か昔この世界に1柱の神が墜ちて来た。その神は禍ツ神と呼ばれる神で、人族、獣人族、エルフ、ドワーフ、魔人族、精霊、神獣、関係なく一切衆生を自分の配下または自分自身で殺していった。当然全ての生き物は種族関係なく手を組み立ち向かった。しかし、相手は曲がりなりにも神だ。全ての生き物が絶滅するまでの時間がわずかに増えただけでしかなかった。だがここで状況が一変した。絶大な力を振るっていた禍ツ神に何処かから五つの楔が打ち込まれたのだ。その楔により力を失った禍ツ神を五人の人物が鍵となって封印した。鍵はその子孫に代々受け継がれている」
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コメント
水野真紀
おもしれーーー神かよって
なんなんまじで周りの人自分より上手い作品ばっかで自分の萎えそう
雑魚作品ですが見ていただけるとありがちょいす