たった一つの願いを叶えるために

ノアール

精霊

「あれ〜、人間がいる〜」

「わ〜、ほんとだ〜」

「なんで〜?」

「…どうやって?」

(あれが精霊か)

〈はい、ここは精霊の聖域のようです〉

泉の上に現れ、こちらを見ながら不思議そうにしている精霊たちに、鑑定をかける。

下位水精霊  LV.69

種族:精霊

HP    10482/10482
MP    ーー

固有スキル
[魔法干渉力上昇]

スキル
[水魔法LV.ーー]



下位火精霊  LV.65

種族:精霊

HP  10006/10006
MP  ーー

固有スキル
[魔法干渉力上昇]

スキル
[火魔法LV.ーー]



下位風精霊  LV.72

HP  11324/11324
MP  ーー

固有スキル
[魔法干渉力上昇]

スキル
[風魔法LV.ーー]



下位土精霊  LV.62

HP  9821/9821
MP  ーー

固有スキル
[魔法干渉力上昇]

スキル
[土魔法LV.ーー]


(ナビ、どういうことだ?魔力の表示やスキルレベルがおかしいぞ)

〈いえ、精霊種のステータスやスキルレベルはみなあの様な表示なんです。もともと自然を司る種で魔力の塊みたいなものなので、それぞれの属性を持ち、位が上がっていくごとにその干渉力が強くなります。詳しいことは今は置いておきますが、精霊についてはこんなところです。それと、固有スキルとは、その種族固有のスキルのことです〉

(そういうことか、ありがとうナビ)

「うそ!あれは精霊ですか!?」

「はい…そのようです。ヒトや魔物とは異なる神聖な存在…まさか精霊がいるとは」

「一部のセーフティーゾーンは、聖域と呼ばれているという文献は、本当だったんですね」

「ねぇねぇ、どうやってここに来れたの〜?」

「この森を通って来るなんてすごいね〜」

アリスたちが精霊に気づき、興奮していると、精霊たちが近づき話しかけてきた。

「あ、えっと、私たちは、あの方に連れてきてもらったんです」

「あの人〜?」

「わ〜!あの人強そう〜!」

「精霊王様と一緒〜?」

「…人間?」

なんかさらっと酷いこと言われたな。

「初めまして〜、名前なんて言うの〜?」

「初めまして精霊さん、テルって言うんだ」

「テル〜?」

「どうやって見つけたの〜?」

「探知系のスキルで見つけたんだよ」

「え〜、うそ〜!」

「むりだよ〜」

「結界があるから見つからないはずだよ〜」

「詳しくは言えないけど、探知系のスキルレベルが少し高いんだ」

「へぇ〜、すごいね〜」

「すごいすご〜い!」

「ふ〜ん」

「…すごい」

「ここにあるもの少しだけ採っても良いかな?」

「ん〜?いいよ〜」

「ここの果物美味しいんだ〜!」

「果物もあるの?」

「あるよ〜」

「あっちだよ〜」

そう言って泉の反対側にある森まで飛んでいく。

俺たち3人は、見失わない様に急いで泉を迂回していく。

精霊たちは、俺たちが追いつくのを森の入り口で待っていてくれた。

「この先だよ〜」

「ついてきて〜」

森に入って少し歩くと、果物が実る木々を見つけた。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品