俺らは満身創痍の問題児
No.03
『夜襲を受けたことは病院に運ばれたという連絡を受けて知った』
僕の指に力が入らない。数時間前に顔を合わせていた数名が今病院……
信じられない。いや、信じたくなかった。
誰も夜襲をした犯人の顔を見ていない。
犯人が知人か他人すらわからなかった。
僕のグループ内では反発運動を起こそうとしていた者だけがピンポイントに襲われている。
つまり、今現在では反発運動を起こす可能性のある者が狙われる可能性が高いと僕は考えた。
まだ確証はない。なるべく早めにほかのクラスに人に確認を取りたかったが、僕には知り合いがいなかった……と思う。
……。
……あ、いたわ。
知り合いのいる三組に連絡を取ったところ、やはり襲われている人が数名いるらしい。校則に対して反発していた人だったかはわからないらしいが、喧嘩っ早い性格のクラスメイトだったらしい。
おそらく反発していたんじゃないかと僕は予想した。
幸い入院はしたものの軽傷で済み、会話は通常通りできるらしい。
安堵しながら現状を脳内で整理した。
反発勢力、又は可能性のある人物が襲われている。
顔を見ている者はあまりいない『らしい』。
襲った人物は知り合いかどうかわからず、学内の人間かというのもわかっていない。
が、各クラス内の情報が把握できる人物。
クラス内の情報が把握できる人物ということは、クラス内にスパイがいる可能性もゼロというわけではない。
そういっても容疑者が多すぎる。
翌日僕は学校を休んだ。もしかしたら欠席により僕の持ち点は引かれているのかもしれない。だけど、そんなことより僕は知らなければならなかった―――。
部屋の中に入る。僕は扉の横にあった椅子を手に取り、室内にあるベッドの横に置いた。椅子に腰を据えると、僕とベッドの住人『小野屋 信純』くんと顔を合わせた。話したことはないが知っている。中学時代から小野屋くんは噂になっていた。
いろんな街のヤンキーやヤクザを一人で喧嘩を挑み、勝利を挙げヒーローとして名を轟かせている。
「顔を見て話すのは初めてだね」
僕が話を切り出した。
僕が聞きたいことがあるのだ。僕が始めなければ終わらない。
「俺に何の用だ? 」
「……襲ってきた犯人を見た? 」
僕は口ごもって質問した。
僕の質問を聞いた小野屋くんは、顔を伏せる。
「顔はわからなかった。だけど―――」
小野屋くんの言葉が止まる。
小野屋くんは伏せたままで動きを止める。僕は小野屋くんが続けてくれるのをずっと待った。
「だけど、犯人は俺たちの制服を着て、胸ポケットにネクタイピンを付けていた」
「っ! 」
僕は硬直した。
……。
もともとネクタイピンは限られた人物しか学校内では付けることができない代物だった。
だから、犯人は一気に少なくなる。犯人は―――。
「犯人は生徒会のメンバーだ」
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