良く見ると、世界は汚く美しい。
~森の主へ報告会~
「おはよう、皆…ん、まだ眠いな…」
『おはようございます、透馬様。』
「すぅ、すぅ…」
「うーん、むにゃむにゃ…」
「ありゃ、まだ二人は寝てたか…おーい起きろー、お寝坊さんたちー。」
「むにゃ…あ、おはようお兄ちゃん…」
「ふぇ?ひゃっ、おっ、おひゃようございましゅっ?」
「コ、コシャントさん大丈夫か?」
「だっ、大丈夫ですよ透馬さん!ちょっと驚いただけですから!」
「おっ、おう…それなら良いんだけどね。」
そんな何気ない会話を交わしながら、今日も爽やかな朝が来た。
いやー、それにしてもいい天気だなぁ。太陽がサンサンと輝いてるなー…あれ?なんか今ドラムの音が聞こえたような…?
まぁいいや。別に気にする事じゃない。
そうだ、そういえば一応魔王を倒した訳だしレベルが1ぐらいは上がってるんじゃないか…?ちょっと気になる。
そうと決まれば善は急げだ。早速ステータスを開いてみよう。
「ありゃ…スライムの分合わせてもまだ上がってないのか…」
期待に反して1つも上がっていなかった。しかし…
「お?なんか新しいスキルがあるみたいだな…しかも固有スキルだな。」
───────────────
脳内辞書
・スキル言技の効果を確認することができる。
おおっ、これは助かる。今までは効果が分かりやすい物しか使えない感じだったから正直ありがたい。
今度効果が分からない諺があれば使ってみよう。
『レベルは上がっていなかったんですね、透馬様。でもいいスキルが手に入っていましたね。おめでとうございます。』
「おー…これでもっとスキルが使いやすくなるんだね?お兄ちゃん。」
「な、なぜこんなにスキルが習得できてるんですかぁ…ずるいですよぅ、透馬さん!」
「コ、コシャントさん…そんな事言われても覚えちゃったんだから仕方ないじゃないですか…」
「はうぅ…」
「あ、そういえばみんなのスキルの詳細って見たこと無いよな…この機会に一回確認してみないか?」
『おお、いいですね!』
「確かに…みんなのスキル、気になる…」
「な、なんだか恥ずかしいです…」
『恥ずかしがることはないですよ?では私から行かせてもらいますね。』
───────────────
鍛冶師
あらゆるものを素材としてあらゆるものであらゆるものを作れる。(一部例外あり)
『というものですね…あれ、みなさんどうかしましたか?』
どうかしたか、じゃないだろこれは…なんてスキル持ってんだこいつ!?
明らかに最強スキルだろこれは!?
誰も一言も喋れないわな!?
こんなの見せられたら誰でもこうなるわ!
『まぁ、生きているものは例外に入るみたいですから大丈夫ですよ?』
「そういうことで黙ってる訳じゃないよ俺達!?そんなチートスキル持ってなんで平然としてられるの!?」
『まぁ、そういうものですし…』
「うん…一言で片付けられる辺りもう恐れ入ったとしか言えないよ俺は…次はソティア、お願い。」
「あ、うん…僕のは…」
───────────────
魔狼の王
魔狼族及び影狼族の習得できるスキルを全て使用する事ができる。
「こんな感じかな?」
十分凄い、凄いんだけどさっきのアレに比べるとインパクトが…それよりも影狼族のほうが気になる。
「ソティア、影狼族ってなんだ?」
「だいたい魔狼族と同じかな?違うのは魔系統のスキルじゃなくて影系統のスキルを使うところかな。例えば…潜影とかかな?」
「潜影?影に潜るのか?」
「そうだね。味方の影に潜って行動できたり、相手の影に潜って奇襲したり…色々使えるスキルだね。」
「へぇ、そりゃまた便利そうなスキルだな。」
「うん、結構便利なスキルだよ。それじゃ、次は…お姉ちゃんかな?」
「な、なんかこんなの見せられた後じゃ出しにくいですよぅ…」
───────────────
魔法矢
矢に属性を付与できるようになる。属性によって効果が変わる。
消費MP10。
こっちも凄い。相手の弱点属性に変えればやりたい放題じゃないか…でもやっぱりアレに比べるとインパクトが…
『おお、凄いですね!私じゃうっかり無属性の…剣…を…』
「おいこら落ち込むなって!十分格好いいし強いから!」
「いろんな属性が使えるスキルかぁ…いいなぁ。」
「ありがとーソティアくん!ぎゅーしてあげるぎゅー!」
「お、お姉ちゃん苦しい…」
『ふふ、やっぱりあの二人は仲が良いですね。透馬様もしてあげましょうか?』
「はは、遠慮しとくよ。それよりもこの刀の鞘があると嬉しいんだが…頼めるか?」
『分かりました。…ですが、その剣に耐えられる強度となると…また魔導鋼を使わないといけませんから…もう少し待って頂けますか?』
「おう、分かった。じゃあ今度作ってくれな。じゃあほら二人とも、イチャイチャしてないでそろそろミラスさんの所に行くぞ!」
「はーい!」
「い、いい加減もふもふするのやめてよお姉ちゃん…がうぅ」
「やめませんよー!よいではないかよいではないかー!」
「がうぅ…」
「もふもふしたままでいいから行くぞー。」
『行きますよー。』
───────────────
俺達はミラスさんのところへ戻り、事のあらましを説明した。
『ほ、本当にトリネマオを倒してきてくださったんですか!?』
「え、ええまあ…」
『あ、ありがとうございます!ありがとうございます!なんとお礼を言ったらよいか…!』
「と、とりあえず抱きつくのをやめてもらった方が…」
『あ!す、すみません!痛かったですか!?そ、それともヌメヌメして気持ち悪かったり!?』
「いえ、むしろ気持ち良かったんですけどあの、命の危険が危ない感じだったので…」
『?、どういうことですか?』
「えっと…」
俺は物凄い形相で睨んできているマヒトを見やった。
どうやら瞬時に理解してくれたようで、青のスライムボディが一瞬だけ一層青くなったようにも見えた。
やっぱりあいつは俺のこととなると一々恐い。
『あ、そうでした!何かお礼をしないといけませんよね?』
「いえ、お礼なんてそんな…いいですよ。」
実際あれでお礼を貰うのも心が痛むしな。
『そ、そういうわけには行きませんよ!何かお礼を…そうだ!お、お礼といってはなんですが…この魔導鋼をお譲りします!本当はここらでは採れない物なんですが…黒の魔物を解析したときに偶然落とした物なんです!』
魔導鋼。これがあれば、俺の剣の鞘を作ることができる…が、やっぱりあんなのでお礼を貰うのは…
「いえ、やはり…」
『受け取って下さい!それではこちらの気が済みません!』
「そ、そこまで言うなら…分かりました。」
『あ、でもそれだけでは…黒の魔物についても少しだけ分かったことがあるんです。どうやら、強い魔属性を帯びているようなんです。なので恐らく、魔属性に強く、聖属性に弱くなっていると思います!実際に、魔属性の攻撃はほとんど効き目がありませんでしたし…』
「ほ、本当ですか?」
『勿論ですよ!といっても、試したのがスライムだけなので全てそうなのかは分かりませんが…』
「いえ、その情報はありがたいですよ!」
『お、お役に立てたなら嬉しいです!本当ならもっとおもてなししたいのですが…貧しい森なものでこれくらいしかお礼出来ず…すみません!』
「いえ、これだけしていただければ十分ですよ!俺達も悪い奴はほっとけませんし…」
『そうだ、私が身体でお礼をすれば…』
どうしてそうなる!?しかも百パー殺される!
「あ、そういえば俺達、リーヴィア国に向かっていたんでした!すみませんが、ここらで失礼させて頂きます!ありがとうございました!また来ますので!ではまた!」
『あ、行っちゃいました…まだ十分なお礼もできてないのに…』
ソティアとコシャントさんも思い出したように挨拶する。
「「さ、さようなら~」」
さて、ここから元の旅に戻る訳だ。
もしかしたら本当に強い魔王とかも出て来るかもしれない…気を引き締めて行かないとな。
「さて、それじゃ行くか!」
──────────────
その頃、ミラスさんは…
『このスライムゼリー、どうしようかな…』
『おはようございます、透馬様。』
「すぅ、すぅ…」
「うーん、むにゃむにゃ…」
「ありゃ、まだ二人は寝てたか…おーい起きろー、お寝坊さんたちー。」
「むにゃ…あ、おはようお兄ちゃん…」
「ふぇ?ひゃっ、おっ、おひゃようございましゅっ?」
「コ、コシャントさん大丈夫か?」
「だっ、大丈夫ですよ透馬さん!ちょっと驚いただけですから!」
「おっ、おう…それなら良いんだけどね。」
そんな何気ない会話を交わしながら、今日も爽やかな朝が来た。
いやー、それにしてもいい天気だなぁ。太陽がサンサンと輝いてるなー…あれ?なんか今ドラムの音が聞こえたような…?
まぁいいや。別に気にする事じゃない。
そうだ、そういえば一応魔王を倒した訳だしレベルが1ぐらいは上がってるんじゃないか…?ちょっと気になる。
そうと決まれば善は急げだ。早速ステータスを開いてみよう。
「ありゃ…スライムの分合わせてもまだ上がってないのか…」
期待に反して1つも上がっていなかった。しかし…
「お?なんか新しいスキルがあるみたいだな…しかも固有スキルだな。」
───────────────
脳内辞書
・スキル言技の効果を確認することができる。
おおっ、これは助かる。今までは効果が分かりやすい物しか使えない感じだったから正直ありがたい。
今度効果が分からない諺があれば使ってみよう。
『レベルは上がっていなかったんですね、透馬様。でもいいスキルが手に入っていましたね。おめでとうございます。』
「おー…これでもっとスキルが使いやすくなるんだね?お兄ちゃん。」
「な、なぜこんなにスキルが習得できてるんですかぁ…ずるいですよぅ、透馬さん!」
「コ、コシャントさん…そんな事言われても覚えちゃったんだから仕方ないじゃないですか…」
「はうぅ…」
「あ、そういえばみんなのスキルの詳細って見たこと無いよな…この機会に一回確認してみないか?」
『おお、いいですね!』
「確かに…みんなのスキル、気になる…」
「な、なんだか恥ずかしいです…」
『恥ずかしがることはないですよ?では私から行かせてもらいますね。』
───────────────
鍛冶師
あらゆるものを素材としてあらゆるものであらゆるものを作れる。(一部例外あり)
『というものですね…あれ、みなさんどうかしましたか?』
どうかしたか、じゃないだろこれは…なんてスキル持ってんだこいつ!?
明らかに最強スキルだろこれは!?
誰も一言も喋れないわな!?
こんなの見せられたら誰でもこうなるわ!
『まぁ、生きているものは例外に入るみたいですから大丈夫ですよ?』
「そういうことで黙ってる訳じゃないよ俺達!?そんなチートスキル持ってなんで平然としてられるの!?」
『まぁ、そういうものですし…』
「うん…一言で片付けられる辺りもう恐れ入ったとしか言えないよ俺は…次はソティア、お願い。」
「あ、うん…僕のは…」
───────────────
魔狼の王
魔狼族及び影狼族の習得できるスキルを全て使用する事ができる。
「こんな感じかな?」
十分凄い、凄いんだけどさっきのアレに比べるとインパクトが…それよりも影狼族のほうが気になる。
「ソティア、影狼族ってなんだ?」
「だいたい魔狼族と同じかな?違うのは魔系統のスキルじゃなくて影系統のスキルを使うところかな。例えば…潜影とかかな?」
「潜影?影に潜るのか?」
「そうだね。味方の影に潜って行動できたり、相手の影に潜って奇襲したり…色々使えるスキルだね。」
「へぇ、そりゃまた便利そうなスキルだな。」
「うん、結構便利なスキルだよ。それじゃ、次は…お姉ちゃんかな?」
「な、なんかこんなの見せられた後じゃ出しにくいですよぅ…」
───────────────
魔法矢
矢に属性を付与できるようになる。属性によって効果が変わる。
消費MP10。
こっちも凄い。相手の弱点属性に変えればやりたい放題じゃないか…でもやっぱりアレに比べるとインパクトが…
『おお、凄いですね!私じゃうっかり無属性の…剣…を…』
「おいこら落ち込むなって!十分格好いいし強いから!」
「いろんな属性が使えるスキルかぁ…いいなぁ。」
「ありがとーソティアくん!ぎゅーしてあげるぎゅー!」
「お、お姉ちゃん苦しい…」
『ふふ、やっぱりあの二人は仲が良いですね。透馬様もしてあげましょうか?』
「はは、遠慮しとくよ。それよりもこの刀の鞘があると嬉しいんだが…頼めるか?」
『分かりました。…ですが、その剣に耐えられる強度となると…また魔導鋼を使わないといけませんから…もう少し待って頂けますか?』
「おう、分かった。じゃあ今度作ってくれな。じゃあほら二人とも、イチャイチャしてないでそろそろミラスさんの所に行くぞ!」
「はーい!」
「い、いい加減もふもふするのやめてよお姉ちゃん…がうぅ」
「やめませんよー!よいではないかよいではないかー!」
「がうぅ…」
「もふもふしたままでいいから行くぞー。」
『行きますよー。』
───────────────
俺達はミラスさんのところへ戻り、事のあらましを説明した。
『ほ、本当にトリネマオを倒してきてくださったんですか!?』
「え、ええまあ…」
『あ、ありがとうございます!ありがとうございます!なんとお礼を言ったらよいか…!』
「と、とりあえず抱きつくのをやめてもらった方が…」
『あ!す、すみません!痛かったですか!?そ、それともヌメヌメして気持ち悪かったり!?』
「いえ、むしろ気持ち良かったんですけどあの、命の危険が危ない感じだったので…」
『?、どういうことですか?』
「えっと…」
俺は物凄い形相で睨んできているマヒトを見やった。
どうやら瞬時に理解してくれたようで、青のスライムボディが一瞬だけ一層青くなったようにも見えた。
やっぱりあいつは俺のこととなると一々恐い。
『あ、そうでした!何かお礼をしないといけませんよね?』
「いえ、お礼なんてそんな…いいですよ。」
実際あれでお礼を貰うのも心が痛むしな。
『そ、そういうわけには行きませんよ!何かお礼を…そうだ!お、お礼といってはなんですが…この魔導鋼をお譲りします!本当はここらでは採れない物なんですが…黒の魔物を解析したときに偶然落とした物なんです!』
魔導鋼。これがあれば、俺の剣の鞘を作ることができる…が、やっぱりあんなのでお礼を貰うのは…
「いえ、やはり…」
『受け取って下さい!それではこちらの気が済みません!』
「そ、そこまで言うなら…分かりました。」
『あ、でもそれだけでは…黒の魔物についても少しだけ分かったことがあるんです。どうやら、強い魔属性を帯びているようなんです。なので恐らく、魔属性に強く、聖属性に弱くなっていると思います!実際に、魔属性の攻撃はほとんど効き目がありませんでしたし…』
「ほ、本当ですか?」
『勿論ですよ!といっても、試したのがスライムだけなので全てそうなのかは分かりませんが…』
「いえ、その情報はありがたいですよ!」
『お、お役に立てたなら嬉しいです!本当ならもっとおもてなししたいのですが…貧しい森なものでこれくらいしかお礼出来ず…すみません!』
「いえ、これだけしていただければ十分ですよ!俺達も悪い奴はほっとけませんし…」
『そうだ、私が身体でお礼をすれば…』
どうしてそうなる!?しかも百パー殺される!
「あ、そういえば俺達、リーヴィア国に向かっていたんでした!すみませんが、ここらで失礼させて頂きます!ありがとうございました!また来ますので!ではまた!」
『あ、行っちゃいました…まだ十分なお礼もできてないのに…』
ソティアとコシャントさんも思い出したように挨拶する。
「「さ、さようなら~」」
さて、ここから元の旅に戻る訳だ。
もしかしたら本当に強い魔王とかも出て来るかもしれない…気を引き締めて行かないとな。
「さて、それじゃ行くか!」
──────────────
その頃、ミラスさんは…
『このスライムゼリー、どうしようかな…』
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