人外転生、いきなりテイム!? 〜黒の狼と白い少女と【強い】意味〜

カイリ

13話 黒い狼と少女の全力とオーク

「いくぞ貴様ら!」

『くるぞ!』
「うん!」

 オークは背中にある大きな木槌を俺たちに向かって振り下ろす。

 鈍い音と地面に大きく凹んだ穴。これだけで威力が測れる、しかも魔力を使わずに。

(こわ)

 俺とセラは二手に分かれるように横に飛び回避。

『【スラッシュ】』
「【ファイヤーブリザード】」

 相手に先手を取られ続けるのはいい気持ちじゃないため、こちらからも攻撃をする。
 俺はスラッシュを首に向けて、セラは炎と吹雪が交わった魔法をオークの体を包みこむようにはなった。

「フーン!」

 オークはその場で回転をはじめ、俺たちの技をかき消すほどに。

『な!?』
「え!」

 オークによって消された技を見て、俺たちは絶句。

「どうした〜もう終わりか!」

『なわけあるか!』

『【闇化】』

 大きな闇で俺を包み込む。

「クロ! ちょっと時間稼ぎして!」

『わかった』

 セラを一旦前線から下げ、俺とオークのサシとなった。

「いいぞぉ……いくぞ黒粒!」
『ああ!!』

 オークと俺がぶつかり合う。体格差のためか、俺は思い切り後方へ飛ばされた。

「【乱れ打ち】!」

 オークは木槌をお構いなく振りながら俺に近づいてくる。

 俺はオークの木槌を避る、だが次第に擦りはじめ……腹部へあたり吹っ飛ぶ。

(ブフ!)

 吹っ飛ばされた俺は大きな岩にめり込み口から血が吹き出す。激痛に耐えながら四つの足で立ち上がる。

「どうしたー!!」

『五月蝿え!!』

 オークの言葉を聞いた俺は、どこか癇に障ったのか、その瞬間キレ、オーク向かって襲いかかる。
 ヤツの腹部へお返しのタックルを食らわす。

「うぐ」

 オークの足が後方へ少し下がる。俺はこの瞬間を見逃さず、間髪入れずに大量のスラッシュを打ち込む。

(うをぉぉらぁぁぁ!)

 大量のスラッシュでオーク体に傷が徐々についていく、その攻撃は俺の魔力の底をつくまで放ち続ける。

(はぁはぁはぁ……)

「図にのるなよ!」

 オークは傷を負い続けながら俺を剥がし、中に浮いた俺に木槌をぶつけた。

(いてぇぇぇ!! ……が、チャックメイトだ)

 俺は吹き飛び地面に這いつくばる。
 だが、勝ちが見えた。

「ん?」

 オークはなにかを察知したように上を見上げた。そこには、大きな炎の塊が浮いていた。

「【スーパーノヴァ】」

 正体は勿論、セラの魔法。セラの魔法が完成し、オークに向かって落ちる。

「そんなスピードじゃよk……!」

 避けれるわけがない。オークの足は地面に沈んでいるのだから。

「はぁーー!!」

「このまま終わってたまるかーー!!」

 オークは木槌を上にあげ、回転させ始める。

 そしてあの大きな炎の塊を止めてみせた。

(バケモンか!)
「むーー、いっけーーー!!」

「なぬ! 木槌が燃えはじめていr」

 木槌は燃え、オークは飲み込まれていく。

 広がる大きな爆風と爆音。少し達、大量に立ち込み草原一帯を煙で包み込んだ。

(終わったか?)
「はぁ……はぁ、はぁ」

 煙が晴れ、大きなクレーターがその場には残っており、あとはなにもなかった。

(やったか)
「く、くろ……やったよ!」


 希望が絶望に変わるには一瞬。何もなかったはずのクレーターからオークに姿が伺えた。
 1回目はただの見間違い。

「どうしたーー、俺は生きているぞーー!!」

(……!!)
「え……うそ」

 クロ、セラ共に全ての魔法を使い切った、しかしオークのそのたたずまいにはまだ、余裕があるように見えた。

 ボロボロになったオークの目は赤く、筋肉は膨張、体から溢れ出るオーラも増している。

 そして、二つの忍び寄る影……


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