Messiah

嘉禄(かろく)

A white dragon and white fox



ある日、雅志との任務を終えてチャーチに帰還したときのこと。
雅志は百瀬さんに報告に行ったので、僕は先に医務室に顔を出すことにした。
医務室に近づくにつれて、何やら盛り上がってる声が聞こえてきた。


「へー、君のメサイア一度死んでるんだ?
今度観察させてよ」
「お前な、人のメサイアなんだと思ってんだ…」
「だって貴重な蘇生体でしょ?」
「お前もだろ、自分でやれ」
「えー」


どうやらドクターと誰かが話してるみたいだ。
あとにしようかな、と思っていたら後ろから声をかけられた。


「なんだ、戻ったのか」
「…く、黒咲さん」


振り向くとドクターのメサイアその人がいた。
医務室の方に目を向けて全てを察した表情をしたあと僕に目を戻す。


「新入りドクターいるけど気にすんな、入れよ」
「新入り…?し、失礼します」


知らない人がいるということに少し緊張しつつ中に入ると、一番にドクターと目が合う。


「お、戻ったか。雅志は?」
「報告中です、もうすぐここに来ると思います…あの、その人は…」


医務室の簡易ベッドに座っているその人を見つめる。
白髪で、僕と同じくらいの髪の長さ。真っ白な肌も同じ。
口元に浮かぶ微笑みは、こっちの緊張を和らげるように柔らかい。

…あれ、この人…どこかで…?

そう思った時、ドクターが教えてくれた。


「こいつは藍浦心白。
チャーチではドクター2として動くらしい。」
「やあ、よろしく。
元は北方のフォークス機関づきだったんだけど、流れ弾で死んだらしくてね。
気づいたらここにいたんだ」
「そうなんですね…藤堂颯空といいます。あの、変なこと言っていいですか?」
「なんだい?」


僕は懐からある写真を取り出して藍浦さんに見せる。
それを手に取った瞬間、藍浦さんはとても驚いた顔をした。


「…これは僕だ。どこでこれを?」
「あの、母から…僕にはお兄ちゃんがいるのよって…」
「…僕は母親とは途中で決別している。ありえない」


そう藍浦さんが断言した時、ドクターが口を挟んだ。


「それがそーでもねーんだな。
お前と藤堂は異父兄弟なんだと」
「…初耳ー…」
「お前と母親が決別したあと、別の男と結婚して生まれたのが藤堂って訳」
「へえ…じゃあよろしく、弟くん」
「は、はい…よろしくお願いします、お兄さん」


僕が戸惑いつつ答えると、その人はさっきとは少し違う笑みを浮かべた-

「Messiah」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代アクション」の人気作品

コメント

コメントを書く