Messiah

嘉禄(かろく)

Miscalculation of the black cat



-これは 俺の誤算


チャーチに来てから、誤算ばかり起きている。

一つ目は、有賀涼。
俺がチャーチに入ったのは、復讐の為だった。
あの人を殺した奴への復讐。
でもメサイアに止められ、復讐の対象には諭された。
大切な人の死は、無駄じゃなかったと知った。

二つ目は、メサイアである坂裏播磨。
俺の目的は復讐だった、だからメサイアなんていらなかった。
俺のメサイアには残された時間は少ないと聞いていたから好都合とすら思った。
なのに、いつの間にか俺の支えになっていた。
半身、と誰かが言っていたのが分かってしまった。
今ではあいつの声、体温、他の全てが無くてはならないものとなった。

三つ目は…俺の死。
始まりは唐突だった。
左腕にしか無かったそれは徐々に広がり、ゆっくりと俺の体と命を蝕んでいった。
でもまだ左腕だけでよかった、目までやられたらすぐに気づかれただろうから。

これらの誤算全てにおいて、俺は変えられた。
きっと、マイナスではなくプラスの誤算。
過去を清算し、心を分かち合い、俺の体を取り戻す。
少しの間隣を空け、寂しい悲しい想いはさせる。
でも、戻ってきたら抱きしめてやるんだ。
俺を好きだと言ってくれた、ただ一人を。



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