Messiah

嘉禄(かろく)

From lapis lazuli to love



任務先で、海が散ったと聞いた。
それで、俺はあの日を思い出した。
チャーチに拾われた日。
片割れを置いて、俺が死んだ日。

共に歩む、と海は言っていた。
絶対に守る、とも。
けれど、二人は道を違えた。
いつか、あの二人にはその時が来ると思っていた。
俺達は、元から弱くなかった。
俺が守らなくても、瑠衣は強かったし…きちんと自分の足で歩いていた。
俺も瑠衣に守られたことはない。
お互いがお互いの隣に立ち、時には背中を預けてお互いを信頼して戦ってきた。
依存も縋ることもしなかった、枷になると知っていたから。

対して、あの二人はチャーチに来た当初共依存だった。
弟が弱くて、兄が必死に守っていた。
健気、と言えば聞こえはいい。
でも、それではチャーチではやっていけないと最初から気づいていた。
でもそれは周囲が言っても分かるものでは無い、己で気づかなければ変われない。
だから黙っていた。

その結果、二人は違う道を歩みだした。
兄はずっと守ろうとし続け、弟は気づいて距離を取り力をつけるべく努力をした。
愛は、守られるだけでは嫌だったんだろう。
それは隣を歩くことではない、と気づいた。
その努力の過程で、海は死んだ。
それでも、愛は大丈夫だろうと…折れないだろうと思っている。
泣くかもしれない、でもあの子は強くなった。
これからも努力は怠らないだろう、今度は海を守るために。
己が思う、隣で歩むということを実現するために。



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