Messiah
Person in succession to a sound
今でも思い出す、彼と話した時間。
彼の強い想い。
あれは、彼が戻ってきた日だった。
『あんな奴のどこが良かったの?
結局裏切るのに入れ込むあんたもあんただけど』
俺は彼からよくあの男の話を聞いていた。
間宮が入れ込むのが気に入らなくて、でもその想いは真っ直ぐで何も言えなかった。
サクラになってしまうかもしれないと危惧してもいた。
でも、そうはならなかった。
あいつは間宮を受け入れなかった。
だから間宮は戻ってきた、このクアンタムキャットに。
…上の命令で、死ぬだけなのに。
俺の問いかけに、間宮は切なげに笑った。
『…確かに有賀は受け入れてくれなかったよ。
それでも、俺は…有賀涼の礎になるんだ』
その選択は、俺には馬鹿らしいとしか思えなかった。
それでも間宮の決意は固くて、有賀涼と戦って死んだ。
最期に間宮が奏でた音色は、今でも耳を離れない。
G線上のアリア。
あの音色を絶ったあいつを、俺は許さない-
「…俺が有賀涼のセイレーンになるよ、間宮」
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