Messiah

嘉禄(かろく)

The crow is forced to…



「梓音ちゃん、前から思ってることがあるんだけど」
「…なんですか」


俺がチャーチの中を歩いていると、前から歩いてきた百瀬さんに話しかけられた。
いつもの口調じゃないことを鑑みるに、真面目な内容なんだと悟る。
それで俺も真面目に返すと、予想外のことを言われた。


「君、国外任務も増えたのにメサイアに甘えすぎじゃない?」
「…え?」


甘えすぎ?
俺が、雪に?

そう言われて俺は目を白黒させた。
前より精神的には強くなったと思っていたし、雪を守るべく戦力としてもより役に立つようになったはずだ。
なのに、甘えすぎ?


「…具体的にどこが甘えすぎなんですか」
「君たち、離れていたらお互いいーっつも不安そうなんだもの。
離れていたって大丈夫だって信頼出来るくらいの心持ちになりなさいよ」
「…離れていたって大丈夫…」


確かに、言われてみれば俺はいつでも雪の傍にいたくて…傍にいないと守れないと思っている。
メサイアの形はそれぞれ違う、だからこれが俺たちだと思っていた。
でも、卒業したサクラのメサイアはほとんど共にはいない。
離れていても、生きていると信じて戦う。
俺達は特殊だと言えばそれまでだけど、それで片付けるのは逃げのような気がした。


「…じゃあ、百瀬さん」
「なに?」
「鍛えて下さい、俺を」
「…覚悟はいいわね?」


その問いかけに、俺は目を真っ直ぐ見て頷いた。
そして、特訓の日々が始まった-



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