Messiah

嘉禄(かろく)

The sun meets a moon again



-僕は、ただ人々の幸福だけを


今日は、気分転換ということで屋外での訓練だ。
先輩に協力してもらってやるらしい。
で、その協力してくれる先輩っていうのが…


「有賀さんと加々美さんかあ」
「なんだ、不服か?」
「違いますってー」


訓練内容は、政府から機密事項を持ち出した諜報員からそれを取り戻すこと。
武器は使ってはいけない。
一般人に怪しまれないように、目撃されないように事を運ぶ。
作戦は僕たち任せ。

どうやらその機密事項が入ったアタッシュケースを持ち歩くのは加々美さんらしい。
有賀さんはサポートだと。
有賀さんはリーチ長いし加々美さんは鼻が利くし足速いし、つまりどっちでも厄介だけど僕には奥の手がある。

訓練が始まり、先に姿をくらました加々美さんを探しに出る。
僕とエレン以外にも候補生がいるけど、あんまり役に立たなそうだ。


「…エレン、そこの角右に曲がって。あとはインカムで指示する」
「お、おお?」


エレンが従って離れていく。
加々美さんはその道を歩いていったはずだ、僕は回り込む。
もうすぐ着く、というところでエレンから通信が入った。


『万夜、見つけた!』
「…ビンゴ、捕まえて」
『分かった!』


そこに僕や他の候補生が合流し、見事機密事項を奪い返した。
けれど、そこで異常事態が発生した。


「…万夜、後ろ!」
「え?」


エレンが叫んで振り向くと、真っ白なパーカーを着てフードで顔を隠した人物に僕は腹を刺された。
一瞬見えた顔に、僕は驚いた。


「…どうして、お前が…」
「神樹さまのご命令です」


…ああ、あいつか。
そう思ったところで、僕の視界は真っ暗になった。


『やあ、久しぶり…懐かしい闇よ』



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