Messiah

嘉禄(かろく)

Still the world



今なら、あの言葉の意味が分かる

『誰も苦しまない、悲しまない世の中を』


俺はチャーチでメサイアに再会した。
『おかえり』といういつもの声は聞こえない。
目の前に『ある』のは、ただの抜け殻。

遺体の傍には何も残されていなかったという。
ただ、握った銃と薬莢が一発。

やっぱり、俺は間違っていた。
俺のせいである事は間違いない。

─それでも、悔やむ暇なんか無かった。
悲しめる時間すらも。

冷たくなった頬に触れたあと、百瀬多々良に話しかけられる前に部屋を出た。
きっと、墓は建ててくれるだろう。
けれど、俺はその前に立つことは無い。
チャーチに戻ることも無い。


「…お前が望んだ世界…誰もが幸せに暮らせる世界を、俺は創るよ…見てろ、幸樹」


涙は見せない。
そう決意して、俺は足早にチャーチを後にした─



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