Messiah

嘉禄(かろく)

暁を知り、黄昏を越える者



─俺はこの生き方しか知らない…そのはずだ。

なのに何故、違う生き方を夢に見る?


俺はどうしてサクラになった?
どうしてチャーチにいる?
…何故この国を守り人を殺す?

分岐点は多くあったはずだ。
その選択で変わる未来も。


律に裏切られない道
尋と出会わない人生
人を殺さない選択
普通の家庭に生まれ、普通の人間として生き、変わりばえのない死を迎える─


全てのルートが再生される。
まるでゲームの分岐点のように。


『俺がこの道を進まなかったのはどうしてだ?』
『"普通"は肌に合わなかったか?』
『過去の俺は何を選んだ?』


─分からない

それに至った時、何も無い暗闇に放り出されたような感覚がした。
掴まるものは何も無い、ただただ闇を落ちていく。


『…これが、俺の選んだ道か』


そう呟いた時、声が聞こえた。


『─闇の中にも、光は射す』


…こんな時に思い出すのは敵の言葉か。
それでも、あいつは誇りある死に方をした。


『僕らは暁を知り、黄昏を越えていく』


祖国の為、守るべきものの為に。

闇の中に射す光が、俺たちにとってはメサイアだと言うなら…
守ってみせよう、あいつのように誇り高く─



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