Messiah

嘉禄(かろく)

White and Black



─起きてください


声が聞こえる。
誰かが呼びかけている。


─起きなさい、いつまで寝ているつもりですか?
『…誰?』


重い瞼を開くと、真っ暗な中に白い影があった。
それが声の主のようだ。


─私は貴方、貴方は私。
記憶があるかないかの違いです
『…記憶?』


…俺は何かを忘れているだろうか?
そもそも、俺は誰だろう?
何も分からない、どこから来てどこに行くのか?
ここはどこなのか?


─ここは、貴方の思考の中です。
だから私がいられるんですよ
『思考の中…』


そう呟くと、その白い影は一点を指さした。
示した場所には、一際眩しい光があった。


─あの光を目指しなさい。
その先に、貴方を待っている人がいる
『…分かった』


その論理はわからなかった、それでもその言葉に間違いは無いと知っていた。

その光に向かって一歩踏み出す、すると視界が瞬く間に白に染まった─



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