Messiah
Certain sun-god
「おーい起きろ、朝飯の時間終わっちまうぞー」
相方の声で僕は目を覚ました。
次いで毛布を剥がされる。
「…ちょっと、寒いんだけど…」
「いーから起きろよ、ほら朝飯!」
無理矢理起こされて渋々着替える。
顔を洗って髪を梳かし通路に出る。
ったく、朝から元気でうるさいんだから。
欠伸をしつつ歩いているのに、全く気づかず盛大に話している。
「今日の朝飯なんだろーなー」
「知らないよ…当番黒咲さんでしょ、ちゃんとしたもん作ってるよ。僕はいらないけど」
「お前またかよー、いい加減ちゃんと食えよ?
食事しねーとちゃんと動けねーぞ?」
「だからいらないって、点滴で充分」
僕はチャーチ…いや、この世界の食事を好まない。
添加物や農薬が沢山使われていて、体に合わない。
何より水が一番美味しい。
それを他のサクラは把握してるから特に何も言ってこないんだけど、メサイアのエレンだけは別だ。
どれだけ説明しても聞き入れず食事をごり押ししてくる。
おかげで僕は諦めて聞き流すしかない。
ほんと、協調性の無いやつだよね…。
と、僕は溜息をつかざるを得なかったんだけど…食堂に行くと、何故か黒咲さんが僕にプレートを出してきた。
「…何これ?他の人とメニュー違うの?」
「お前が添加物がどうの、農薬がどうのってうるさいし点滴するのが面倒だって俺のメサイアがぼやいてたから作ってみた。
無農薬野菜高いんだぞ、まあ食ってみろ」
「…いただきます」
座って一口食べてみると、僕は少し驚いた。
体が嫌がらない。
照る日の杜で食べてた食事とは少し違うみたいだけど、近いものになっていた。
「…美味しい」
「なら良かった、やっぱそれなら食えるんだな。
百瀬さんは泣いてそうだけど、ちゃんと食う方がいいだろ。
力出るし」
「…ありがと」
少し声が小さくなりつつも礼を言うと、黒咲さんは気にするなと言うように手を振った。
それから僕専用の食事メニューが出来て、任務の時を除いて僕は毎食それを食べることになった。
エレンが美味そうって偶に取ってくから、それで僕とエレンの喧嘩が日常茶飯事になったけど─
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