Messiah

嘉禄(かろく)

ある日の大鴉と雛



「ねえ雛森、明日オフよね?
それで尋ちゃんは任務よね?」
「そうだけど、なんだよ?」


百瀬が何故かルンルンしながら部屋に入ってきた。
やけに上機嫌な時は、何か持ちかけてくると思って間違いない。


「ちょっと服買いに行くから付き合いなさいよ」
「…やっぱりその手の話か」


予感的中。
明日は一日籠ってゲーム三昧のはずだったのに…こう持ちかけられたが最後逃げられるはずはなく…。


「…どれくらいで終わる?」
「夕食には間に合うように帰るわよ?
何よ、私と出かけるの嫌なの?」
「ちげーよ、明日は籠るつもりで…」
「またゲーム?外に出なさいよ、じゃあ決まりね。
絶対連れてくから」
「…はいはい」


翌日10時エントランスにて、俺はラフな私服で百瀬を待っていた。
すると予想通りヒールの音が聞こえてくる。
来たかと思って振り向くと、黒のトップス・紺地に赤と緑のチェック柄のロングスカート・赤いパンプス・パステルのパープルのコートという出で立ちで百瀬が歩いてきた。
元々俺より背が高い百瀬は、ヒールを履くとより見上げるようになる。


「…デカ」
「何よ、悪い?」
「俺よりデカい、見た目女がいるかよ」
「モデルなら珍しくないでしょ、文句ある?」
「…ない。じゃあさっさと行くぞ」
「ちょっと待ってよ雛森!」


出来るだけ早く終わらせて戻ってこよう。
そう決めて、俺は外に出たのだった。

ちなみに百瀬が服以外にも寄り道をしたせいで、予定通り夕方に戻ることになったのは言うまでもない。

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