Messiah

嘉禄(かろく)

Forever colorfully



─お前はずるい、ゆき。


『…どうして撃たなかった、ゆき』
『…撃ったら、お前も倒れるだろ…そしたら、覚えていないかもしれないじゃないか。お前だけ撃って、俺が倒れれば…お前は覚えてるだろ』


北方でお前と向かい合った時…終わりにしようと言って銃を突きつけ合った時…お前は俺を撃たなかった。
引き金を引いたのは俺だけで、倒れたのはお前だけ。
そのあと、俺の問いかけにお前はそう答えた。

だから、お前はずるい。
そうまでして、俺の心に残りたかったか。
死んでまで、覚えていて欲しかったか。
傷を残したかったか。

結局、お前の思惑通りになった。
俺は、俺の手で殺したお前を忘れられなくなった。
傷も未だに消えない。

俺が建てたお前の墓の前から離れることが出来ないほどに、心は囚われたままになった─



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