Messiah

嘉禄(かろく)

Brilliant Transparency



─俺が救えなかった、壊した時計。

お前を失ってから、俺の世界は色を失った。
お前と交わした手の平は、今は一人で握りしめ震えを抑えるしか出来ない。

もう二度と戻れないと、脳よりも鼓動が知っている。
時折お前の幻が見える、現実も夢も見分けがつかない。

─頬を伝うのは涙か、モノクロの中降る雨か。

お前の時計が動かなくなったなら、俺の時計も止めてしまいたい。


『止まれ!』


何度そう願ったか分からない。
それで止まったのは、俺の心の歯車だった。

幻を抱きしめようとする、抱きしめても温度は無い。
その度思い知る。


─俺は一人だ

それでも  俺はお前を探す



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