Messiah

嘉禄(かろく)

The temporary sun sets, and…


─俺は、ずっと見ていた。

知っていた、前谷尋が雛森雪のために外出すること。
百瀬多々良が見送る中出ていくのを陰から見ていた。

数時間後、敵が前谷尋を襲い連れ去るのも確認した。
そのすぐあとに雛森雪が慌ててチャーチを飛び出すのも見た。


─この一連の事態、俺が情報を流した故に起こったと知ったらサクラはどういう反応をするだろうかとふと考える。
全ては俺の手のひらの上だと知ったら?

だが、まだ知られる訳にはいかない。
組織から帰還の許可が出ない限り、俺はサクラとして…内通者であり続ける。


組織から与えられた俺の二つ名は『No face』。

顔を持たない者、俺の顔は誰も知らない…俺でさえも。



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