Messiah

嘉禄(かろく)

The blood-stained feather which is gone in darkness



「中に入れ」


建物内を少し歩いて、言われた通りの部屋に入るとそこには大きな円柱状の槽があった。
見るからに嫌な予感しかしない。


「…まさかこん中に俺を入れるとか言わねーよな」
「そのまさかだ」


頭に突きつけられていた銃口の位置が下がる。
反撃のチャンスか、と俺が窺うと同時に背中から鳩尾にかけて銃弾が貫通した。
俺は痛みを堪えて蹲りながらなんとか背後の男を睨み付けた。


「…指示通り動けば害は加えないんじゃねーのかよ…」
「先程はそう言ったな、だがここに入ってもらうのに抵抗されては困るんだよ。
それを防ぐための仕方の無い負傷だ。」


蹲って傷を押さえる俺を、いつの間にか両脇にいた男二人が支えて立ち上がらせる。


「君を我が君の元へ連れていく為に必要な手順を踏んでもらう、雛森雪。」


そう言われたあとの記憶は無い。
ただ口の周りに酸素マスクのようなものを付けられ、水に濡れ沈む感覚しかしなかった。
それは夢か現実か、図れないままに俺は意識を手放した。

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