Messiah

嘉禄(かろく)

The doll which was stained with hatred


─私は時折悪夢を見る。

昴さんが半ば泣きそうな顔をしながら私の体にメスを入れる。
そこで私は思い出す。

この苦痛を味わうのは、この人の顔をこうやって見るのはこれが初めてではないと。
何度も体を切り開かれた、何度も細菌を投与された。
その中で他の実験体は死んでいった…私は偶然生き残っただけの、使い回しの効く都合のいい道具でしかない。

私は、あの人のクローンでありただのモルモット。

昴さんはそうじゃないと言う、それに少しだけ心が楽になった時もあった。
…それでもこの悪夢からは逃れられない。

衛に迷惑をかけていることも分かっている。

私は、私でも意識していないうちに無茶な戦い方をした。
私の体がどうなろうが構わなかった、私が壊れたって再生も替えも効く。
最悪いなくなっても代わりのメサイアが宛てがわれる。
衛と約束をした、それでも脳のエラーか見失う。


「うあああああ!!!」


声を張り上げて最後の敵を倒した。
それでも私は止まらずに敵の死体を持ち上げて攻撃を続けたらしい。
衛がなんとか止めた、と正気を取り戻してから聞いた。

…こんな不安定な私では、衛の足を引っ張る。
寧ろもう死んで新たなメサイアを衛につけるようにすればいいとも思う。


─私は、もうどうすればいいか分からない



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