Messiah

嘉禄(かろく)

Doll of the birdcage


私は、目を開くと知らない場所にいた。


「…ここは…?衛、いますか…?」


真っ暗で何も見えない、辛うじて月明かりがあるくらいだ。
闇に問いかけても、返る声はなかった。
立ち上がろうとして、体が酷く重いことに気づく。
次いで、私は自分の右手に小瓶が握られていることに気づいた。


「…これは…見るからに毒物が入っていましたね…体が重い原因はこれですか」


私の体に死が迫っている、それは明白だった。

どうしてここにいるのか、誰にやられたのかは分からない。
それを考えている間にも内部から体の崩壊は進む。


「…もっと生きていられる、衛と共に背中を合わせて戦える…そう思っていましたが、間違いだったようですね。
…でも、これでやっとあの男の支配下から逃れられる…これで、欠陥品でも人形でもない草薙伊織に…」


そう呟いているうちに視界が暗くなり何も見えなくなった。


『これで私は自由です』



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