Messiah

嘉禄(かろく)

One of the faces of Iori


ある日、私はいつも通り情報部で情報収集をしていた。
PCと向かい合っていると、ドアが開く音が聞こえ誰かが入ってきた。


「お、またいる。
熱心だな、草薙伊織?」
「雛森さんこそ珍しいじゃないですか、ここに来るなんて」
「まーな、野暮用で」


雛森さんが隣に座ってPC操作を始める。
私は少しあとに用を終え情報部を出た。

チャーチ内を歩いていると、前から加々美さんが真剣そうな面持ちで歩いてきた。
恐らく私のことも見えていないだろう、任務前はいつもそうだ。


「加々美さん、任務ですか?」
「…草薙か、そうだ」
「お気をつけて」


加々美さんは頷いて早足で去っていった。
恐らく負傷して帰還するだろうな…。

そう思いながら、衛がいるであろう部屋に入る。


「衛、戻りました」


すると、衛は床に座って眠っていた。
ベッドで寝るようにって言ってるのに…。
私は溜息をついて衛の前に座り、声をかける。


「...衛、床で寝ないでベッドで寝たらどうですか?体が冷えますよ?」


すると、少しして衛が目を開く。
言葉を発さないのは通常だけど、衛は私の顔をじっと見てきた。
私の顔に何かついているだろうか?


「衛...?どうかしましたか?」


問いかけに衛は答えず、私の膝に頭を乗せると擦り寄って再び目を閉じた。


「...あなたは本当に猫みたいですね」


流石に苦笑しつつ衛の髪を撫でる。
昴さんが『大きな子ども』と言うのも頷ける…なんて、嫌な名前を思い出した。


「…衛といる時だけは、忘れましょうか…」


衛を見下ろして微笑むと、手近にあった本を引き寄せて読み出すのだった─



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