Messiah

嘉禄(かろく)

Nightmare in the nightmare



「…はっ…!」


俺は夢を見て飛び起きた。
近くに座っていた涼が俺を見る。


「…大丈夫か、いつき?
悪夢でも見たか?」


涼が俺に問いかけてくる、俺は呼吸を整えようと深呼吸をした。
落ち着いてから俺は涼を見て、一つ不審に思ったことがあった。


「…なんだよ涼、メサイアコートなんて着て…」


俺達はもう卒業したはずだ、なのにどうして…そう思って俺の服を見下ろすと俺もメサイアコートを着ていた。どうして…


「…まだ混乱してるみたいだな。
一嶋係長が呼んでる、行くぞいつき。」


涼が立ち上がって部屋を出ようとする、俺は何故か慌ててさっき見たものを話した。


「あのさ!…夢を見たんだ。
ここを卒業して、サクラとして活動する夢…そこで俺は、子どもを殺した…」
「…悪夢だな。
なら、俺がその悪夢から目を覚まさせてやる。」


そう言うと涼は俺に銃を向け引き金を引いた。

そこで俺は再び飛び起きた。
そこは見慣れない場所で、目の前には北方の機関員が囚われていた。


「…目覚めた?」
「…ここは…」


俺は状況が掴めず、ただその閉鎖空間を見回すことしか出来なかった。


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