Messiah

嘉禄(かろく)

A white boy and white fox

僕があの人を失い、組織に引き取られて少し経った冬のこと。
夜に奴らが眠った隙を見て僕は寒い中外に出た。
息が凍るくらい寒くて、でも久しぶりの外に僕は少し舞い上がっていた。
少し歩くと、いつの間にか僕は森の中に入っていた。


「…この森、父さんと春によく散歩したな…」


懐かしみながら歩みを進めると、行く先に白い何かが動いたように見えて僕は目を細めた。
近づいてみると、冬毛で真っ白の子狐が罠にかかって足から血を流してた。
とても痛そうだったから、僕も怪我しないように気をつけながら罠を解いてあげた。
手当てで傷に布を巻いてあげると、その子は立とうとしたから慌てて止めた。


「待って、まだ立てないよ。…僕の部屋に来る?大人しくしていれば見つからないし…」


僕は子狐を抱いて部屋に連れ帰り、奴らにバレないように治るまで世話をした。

治った頃、日課だった散歩に連れていくと子狐は僕の腕から飛び降りて一回振り向いてから走り去っていった。
少し寂しかったけど、あの子が居るべき場所は自然の中だもんねと思って見送ってから部屋に戻った。


…数年後、まさかあんな形で再会するとは思わなかったけど。
立派な九尾を持って、僕を守ってくれてるなんてね…。
でも、君は僕の誇りの九尾だよ。

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