Messiah

嘉禄(かろく)

Crow of one day



ある日の早朝、俺はメサイアより先に目を覚ました。
さっと鴉の装備に着替え、雪にそっと声をかけて部屋を出る。


「行ってくる、すぐ戻る」


久しぶりの単独潜入・殲滅任務、いつも通り手早く片付けよう。
あいつが起きる頃には戻りたいところだ。

そう思って、潜入地の前に到着した俺は見つからないように計算したルートを辿って中に入った。
ここから3m先、監視カメラの範囲内。
10m先には床下トラップ。
その他厄介な仕掛けが山ほどある。
俺は引っかかるような馬鹿ではない、けど用心するに越したことはない。
猿も木から落ちる、弘法も筆の誤りと言うくらいだからな。
…何より、ヘマをして怪我をしようものならキレられる事が目に見えてる。

俺はそう考えて改めて気を引き締めた。
敵に所在地を知られることなく倒していき、最奥にたどり着いた。
一見誰もいないように見えるが、気配と殺気が溢れていた。

…姿は消せても、勘づかれるようじゃまだまだだな。

俺は内心そう思いながら周囲に呼びかけた。


「出てこいよ、隠れてたってそんなに殺気溢れてたら意味ねーよ」


するとすぐに敵に囲まれる、その数ざっと100人ほど。
少し多いけど、何とかなる範囲だ。


「数揃えれば俺を倒せると思ったら、大間違いだ」


ニヤッと笑って交戦に入る。
それから数十分後、俺の周りには敵の屍の山が積み上がった。


「ざっとこんなもんか、とは言え不覚も取ったな…なんて言い訳しよう」


俺はそんな感じでぶつぶつ呟きながら、説教も覚悟の上で帰還した。

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