Messiah

嘉禄(かろく)

一筋の光

俺は耳に届いた何らかの音によって意識を浮上させた。

…何か、乾いた音と金属のぶつかり合う音が聞こえる…戦いの最中か?
なのに何も見えない…どうして…?

俺は暗闇の中微睡んでいるようで、体も思うように動かせなかった。

そもそもここはどこだ…俺は誰だ?
どうして何も見えない?

意識が覚醒すればするほどに次から次へと疑問が湧き、そして暗闇への恐怖が増す。
無意識に誰かを呼ぼうとして口を開いたものの、名がわからずに口を閉ざす。

…俺は大切な誰かを忘れている。
忘れてはならない、1人にしてはならない誰か…俺が呼ぶべき名はなんだ…?!

必死に思い出そうとした時、暗闇に一筋の光が差した。


『...ゆ、結月!』


…そうだ、俺は結月…藤瀬結月。
そして、その声は…


「…幸樹…?」


どうして忘れていたんだ、俺の唯一の半身の名を…。

一筋の光が広がり、辺りを真っ白に染め上げる。

…そうか、お前は俺の光か。
暗闇から救い出してくれる、唯一の…。
…あたたかい光だ、俺もいつか…お前を照らす光になりたいな…。

光に包まれて俺は再び意識を沈めた。
次に目覚めた時、真っ先にお前の名を呼ぶんだと誓って…。

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