アリスゾンビ
2戦 アリス・イェーガーが戻った
辺りで硝煙の香りがする。
とってもいい香りだ。血の香りもする。
これもいい香りだ。
「戦場最高だな!」
「アリスさん! そんな事言ってないで、早く戦っ──」
そう言っていた兵士が隣で撃たれて死んだ。
「君こそ、そんな事言ってないで戦ったらよかったのになぁ」
隣で頭から血を流し、目をカッ開いて死んでる兵士から残りの弾数が少ないアサルトライフルを拝借してっと。
「さあ! お前ら覚悟しろ!」
その一声を発し、あたしは戦場を駆けた。
「どうしたァァ! そんなもんかよォォ!」
相手の兵士は思ったより弱かった。
正直、つまらなかったし、なんで戦況が悪化したのか、理由が分からなかった。
銃を向ければ恐れで急所を外しあたしに撃たれるし。
それを見た兵士がさらに恐れ、あたしに背中を向けて撃たれるし。
恐怖に打ち克ってあたしを撃った奴は、生き返ったあたしを見て恐れ撃たれて死んだし。
非常に呆気ない感じにその場の戦闘は終わった。
んで、帰り道。
あたしが通った山道とは違う道を通っている。
「こんなもんかよ、つまんね」
「ア、アリスさんが強いだけです」
いや、普通に訓練してる王都の兵士なら、あたしと同等に戦えるはずだ。
それに、コイツらだ。あたしが組んだ訓練プログラムなら、あそこまで酷い戦いにはならなかったはずだ。
こりゃ帰ったらみっちり特訓してやる。
「アリスさんヤバいですよ。半年のブランクなんて感じません」
「ひひっ、そうかぁ?」
ちょっと照れるなぁ。
鼻の下擦りたくなる気も分かるわ、これ。
帰ったら酒でも奢ろう。
「いやぁ、これで帰った時にお酒が美味しく飲めま──」
そう言っていた兵士が後ろから殺られた。
銃声は……後ろ?
「チッ、敵襲だ!」
『ひ、ひいい』
すげぇ声あってんなコイツら。
……後ろから撃たれたんだよな、この兵士。
……だが、後ろに敵はいない。つまり、これは──。
「うあ゛!」
考えてるうちにまた一人、今度は分かりやすく、あたしの予想通りの所から撃たれて死んだ。
「死に過ぎだろ」
だが、あいつが死んだおかげで敵の位置が把握出来た。
「お前ら、上に注意しろ。あたしが見てくるからな」
「りょ、了解!」
素早い動作で崖を登り、茂みに入る。
「へっ、やっぱり腰抜けしかいねぇな、反政府軍は」
「なんであんなのに手こずってんだろうな」
それはなぁ──、
「それはあたしが居るからだよ」
「何っ!?」
茂みからこっそりと抜け出して相手の頭に銃口を押し付けながら言った。
それから二発、頭にぶち込んだ。
「ったくよ、政府軍の兵士なら周囲の注意おこたんなよ」
スチャッ。
……!?
「それはこっちのセリフですよ、軍曹」
この声、どこかで……。
「下手に抵抗しないでくださいね。僕も昔の上司を撃ちたくないんで」
「へっ、銃が撃ちたくて軍に入った野郎が何言ってんだ。トマホーク二等兵」
「あれから昇進しましてねぇ、今や中佐です」
今あたしに銃を向けてる奴は、あたしが昔、軍にいた頃に訓練してやった奴だ。
「撃ちたくて震えてるぞ。新兵が──」
ダンッ!!
…………。
「……あーあ、撃っちゃったよ。でも、悪く思わないでくださいね、僕だって仕事なんで」
カツカツカツっ。
「へぇー戦場に革靴で来たのか新兵」
「なっ!?」
相手が反応するよりも素早く落としたハンドガンを広い、トマホークの顎に突き付ける。
「お前、聞いてないのか? あたしが実験されてたって」
「き、聞きました……が、まさか死なないとは……!」
焦りが出てんぞ。
やはり、新兵だったか。
「戦場では、いかなるイレギュラーにも対応出来る柔軟性が大事だ!」
「はい! 軍曹は、いかなるイレギュラーにも対応出来るのですか?」
「出来るに決まってるだろ?」
「そうですね!」
はあ……あの時までは可愛かったのにな、こいつも。
無垢な子供みたいで……。
「ほら、うせろ」
「……な、なぜ?」
「今お前を殺しても政府に伝える術がない、メリットがないからな」
「……あなたは、メリットデメリット関係なく戦場で人を殺す人間だと思っていました」
「早く行け、新兵。そして伝えろ、アリス・イェーガーが戻ったと、お前らは終わりだと!」
そのままトマホークは帰っていった。
さてと。
崖下に味方がいるのを確認して、
「お前らー! 無事かー!」
『はいー!』
「帰るぞー!」
『はいー!!!!』
いい返事だな!
とってもいい香りだ。血の香りもする。
これもいい香りだ。
「戦場最高だな!」
「アリスさん! そんな事言ってないで、早く戦っ──」
そう言っていた兵士が隣で撃たれて死んだ。
「君こそ、そんな事言ってないで戦ったらよかったのになぁ」
隣で頭から血を流し、目をカッ開いて死んでる兵士から残りの弾数が少ないアサルトライフルを拝借してっと。
「さあ! お前ら覚悟しろ!」
その一声を発し、あたしは戦場を駆けた。
「どうしたァァ! そんなもんかよォォ!」
相手の兵士は思ったより弱かった。
正直、つまらなかったし、なんで戦況が悪化したのか、理由が分からなかった。
銃を向ければ恐れで急所を外しあたしに撃たれるし。
それを見た兵士がさらに恐れ、あたしに背中を向けて撃たれるし。
恐怖に打ち克ってあたしを撃った奴は、生き返ったあたしを見て恐れ撃たれて死んだし。
非常に呆気ない感じにその場の戦闘は終わった。
んで、帰り道。
あたしが通った山道とは違う道を通っている。
「こんなもんかよ、つまんね」
「ア、アリスさんが強いだけです」
いや、普通に訓練してる王都の兵士なら、あたしと同等に戦えるはずだ。
それに、コイツらだ。あたしが組んだ訓練プログラムなら、あそこまで酷い戦いにはならなかったはずだ。
こりゃ帰ったらみっちり特訓してやる。
「アリスさんヤバいですよ。半年のブランクなんて感じません」
「ひひっ、そうかぁ?」
ちょっと照れるなぁ。
鼻の下擦りたくなる気も分かるわ、これ。
帰ったら酒でも奢ろう。
「いやぁ、これで帰った時にお酒が美味しく飲めま──」
そう言っていた兵士が後ろから殺られた。
銃声は……後ろ?
「チッ、敵襲だ!」
『ひ、ひいい』
すげぇ声あってんなコイツら。
……後ろから撃たれたんだよな、この兵士。
……だが、後ろに敵はいない。つまり、これは──。
「うあ゛!」
考えてるうちにまた一人、今度は分かりやすく、あたしの予想通りの所から撃たれて死んだ。
「死に過ぎだろ」
だが、あいつが死んだおかげで敵の位置が把握出来た。
「お前ら、上に注意しろ。あたしが見てくるからな」
「りょ、了解!」
素早い動作で崖を登り、茂みに入る。
「へっ、やっぱり腰抜けしかいねぇな、反政府軍は」
「なんであんなのに手こずってんだろうな」
それはなぁ──、
「それはあたしが居るからだよ」
「何っ!?」
茂みからこっそりと抜け出して相手の頭に銃口を押し付けながら言った。
それから二発、頭にぶち込んだ。
「ったくよ、政府軍の兵士なら周囲の注意おこたんなよ」
スチャッ。
……!?
「それはこっちのセリフですよ、軍曹」
この声、どこかで……。
「下手に抵抗しないでくださいね。僕も昔の上司を撃ちたくないんで」
「へっ、銃が撃ちたくて軍に入った野郎が何言ってんだ。トマホーク二等兵」
「あれから昇進しましてねぇ、今や中佐です」
今あたしに銃を向けてる奴は、あたしが昔、軍にいた頃に訓練してやった奴だ。
「撃ちたくて震えてるぞ。新兵が──」
ダンッ!!
…………。
「……あーあ、撃っちゃったよ。でも、悪く思わないでくださいね、僕だって仕事なんで」
カツカツカツっ。
「へぇー戦場に革靴で来たのか新兵」
「なっ!?」
相手が反応するよりも素早く落としたハンドガンを広い、トマホークの顎に突き付ける。
「お前、聞いてないのか? あたしが実験されてたって」
「き、聞きました……が、まさか死なないとは……!」
焦りが出てんぞ。
やはり、新兵だったか。
「戦場では、いかなるイレギュラーにも対応出来る柔軟性が大事だ!」
「はい! 軍曹は、いかなるイレギュラーにも対応出来るのですか?」
「出来るに決まってるだろ?」
「そうですね!」
はあ……あの時までは可愛かったのにな、こいつも。
無垢な子供みたいで……。
「ほら、うせろ」
「……な、なぜ?」
「今お前を殺しても政府に伝える術がない、メリットがないからな」
「……あなたは、メリットデメリット関係なく戦場で人を殺す人間だと思っていました」
「早く行け、新兵。そして伝えろ、アリス・イェーガーが戻ったと、お前らは終わりだと!」
そのままトマホークは帰っていった。
さてと。
崖下に味方がいるのを確認して、
「お前らー! 無事かー!」
『はいー!』
「帰るぞー!」
『はいー!!!!』
いい返事だな!
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