適当過ぎる勇者召喚に巻き込まれ、適当に割り当てられたスキルが《神調整》とかいう、もはやスキルとは呼べない神の力だった物語。

しみずん

8 いちか、ばちか

 俺はもうほとんど無意識でステータス画面を呼び出し、目の前に浮かぶボードを操作する。

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【賢さ】   0

【運】    5

【スキル】 ーー

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【やる気】 30

【料理】   2

【鍛治】   0

【鑑定】   1
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 数多くの項目が流れて行きそして、1つの項目に目が止まる。

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【存在感】   7
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「これだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!」

 俺は恐らく人生で1番素早い動きで、その項目の数値を調整する。

 チキチキチキチキーーーーーー

【存在感】   0

 ギィーーーー

 と、調整が終わるとほぼ同時のタイミングでドアが開き、もう1つの光のカーテンが部屋を照らし一層明るくなった。

 俺はある意味、スポットライトに照らされるような形でおじさんを出迎える。

 ドアが完全に開き、知らないおじさんが部屋の中を覗き込む。

 ドアの真正面。俺とバッチリ目があった。

 心臓が飛び出そうになるほど、胸が高鳴る。目を閉じて出来るだけ身体を小さく折りたたんで息をころす。

 そして、

「いないな! 隣も見てくる!」

 言って、知らないおじさんは3つ目の部屋へと向かった。

 少しして。

「ここもいない! やっぱりそこだ! 絶対に逃すなよ!」

 俺の視界をおじさんが横切っていく。

「鍵持って来たぞ!」

 鍵を乱暴に回そうとする音が城内に響く。

 俺は意を決して部屋から出る。当然忍足だ。

 1つ目のドアの前ではおじさんが3人並んで鍵をガチャガチャやっている。

 俺はその後ろをゆっくりと歩いて行く。

「くそっ! どれだ、どれが合う鍵なんだ!」

 丸い金具に取り付けられた無数の鍵を差しては替え、差しては替えを繰り返して俺が角を曲がるくらいのタイミングで、

「やった、開いたぞ!」

「「いよっっっっっしゃー!」」

 もはや趣旨が変わってしまっているようで正解の鍵を見つけた事におじさん達は大喜びでいた。

 おじさん達の喜ぶ姿を横目で見て、もと来た道を慎重に歩いていく。

 大きく開かれた出入り口を見つけ、俺は光溢れる世界に歩いて行く。


 目の前には見たこともないような、輝かしい異世界の町並みが広がっていた。

 

                          1章 終わり
 





 

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