ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

水の大精霊とふわふわ羊

 あー、羊さん可愛いなぁ。シャルルのあれがシャルルの言ってたふわふわモフモフの動物なのか。

「ちょっと! 私の話聞いてるの!?」

 なんかさっきから羊の付属品がうるさい。

「なんだよ、付属品」

「付属品ってなによ! 付属品って!」

「お前はどう考えてもそこの羊のおまけだろうがよ!」

 お前にそれ以上の価値はない! 断言してやろう! てか言わばリーフィアの下位互換だろ? そんなの無視無視。

「私が本体よ! こいつは私の下僕なの!」

 あぁ、可哀想になぁ。こんなめんどくさい奴に飼われるなんて、、、 

「あなた今絶対失礼なこと考えてたでしょ!」

「いや、決してそんなことはないけど」

 おまけごときに失礼もなにもあるわけないだろ!

「いい? 私は水の 大・精・霊 なのよ? そして、もうすぐで特級精霊なのよ?偉いのよ? そんな態度取っていいのかしら?」

 なんだこいつ。リーフィアも大精霊だったけどそんなこと言わなかったぞ? 
 ・・・言ってたっけ? ヤシの木に向かって言ってた気もする。まぁいいや。

「大精霊の何がそんなに偉いんだよ。どうせリーフィアの下位互換でしかないんだからさ」

「リーフィア? 誰よそれ」

「木の特級妖精だけど」

 俺がそう言うとおまけは数十秒間黙ったまま動かなくなった。

「で、その特級妖精のリーフィアってのがどうしたのよ」

「俺、そいつの名付け親」

 またもやおまけは数十秒間固まったまま動かなくなった。あのー、話が進まないんですけれども。

「ど、どどどどどどーゆうことよ!!! と、ととと特級精霊のな、名付け親!? あんた一体何歳なのよ!」

 う、うーん、難しい問題が来たぞ。俺の素の年齢を教えればいいのか、こっちに来てからの歳を教えたらいいのか。どっちだ?

 まぁ、おまけが求めてるのはこっちに来てからってことだろう。なら0歳だな!

「うーん、生後1ヶ月ちょい?」

「バカ言ってんじゃないわよ!! 嘘は良くないわよ!!」

 嘘じゃないし! ほんとだし!

「じゃあ、18歳」

「じゃあって何よ! じゃあって! それにそれでも若すぎるでしょ! あんたが言ったものに10000掛けたぐらいが正しいあんたの歳よ!」

「じゃあ0歳じゃん」

「そっちじゃないわよ!」

 あっ、18にってことですかい? あははははっ! そんな馬鹿な!

「とにかく俺は0歳。そしてその羊は俺のモノ。OK?」

「何一つOKなことが無いわよ! って、ちょっと? あなた何勝手に動いてるのよ! 止まりなさい! えっ? ちょっと、ほんとにどうしたの?」

 やっぱり羊さんもおまけに飼われるのが嫌だったんだな。おまけの抵抗をものともせずに俺の方へ突き進んでくる。

「メェェーーーー」

 羊さんは俺のそばまで来ると俺に頭を擦り付けて甘えてくる。

「う、うわぁぁぁ! かわいいぃぃぃ!」

 これ犯罪級だろ! ダメ! これは死人がでる!
死人が出るぞぉ!

 俺は擦り付けて来ている頭をそっと撫でる。見た目よりももっふもふな毛が俺の手に極上の快感をもたらしてくれる。

 羊さんは僅かに見える目をとろぉんとさせて気持ちよさそうにしている。

 あぁ、もう無理。ガマンできない。

 俺は羊さんの首に思いっきり抱きついた。羊さんの体毛はかなり深くまで続いており、俺の体全体に幸せな感触を味あわせてくれる。
 また、羊さんの体温で絶妙に温められているためとんでもない眠気を誘ってくる。
 あと30秒もこのままでいたら熟睡してしまいそうだ。

「あぁぁぁぁぁ、これダメだぁ。人をダメにする羊だぁぁぁ」

 俺、あと1年間はこうしていられる自信がある。

「ちょ、ちょっと! なにやってるのよ! 私の下僕なのよ! てかあなたもなに気持ちよさそうにしてるのよ! 私が抱きつく時は嫌そうにしてるくせに!」

 なんか蝿が喚いてるような気がするけど気にしないでおこう。

 あー、やばい。眠たくなってきた。流石に寝るのはまずいよなぁー。でも離れたくなぁい。まぁいっかー。おやすみぃーー。

 俺が眠りにつこうとしたその時。後ろから俺でも分かるぐらいの殺気が辺り一面に広まった。

「・・・ご主人様? 何をなさっているのですか? 
 こんな遅い時間にこんな所で」

「主。その子は? ずるい」

 そ、そうですよねー。怒りますよねー。何時間も探してた奴が羊と戯れてたらそりゃあ怒りますよねー。

 ・・・でも、まぁいいや。おやすみぃ

「そうは行きませんよ。ご主人様。今からまた説教ですよ! ほら立ってください!」

「やぁだぁぁぁぁ」

「ふ、ふおぉぉぉ! もふもふぅ! この子は凄い!」

「こらっ! ヤミ! また来れますから今はご主人様を剥がすのを手伝って下さい!」

「無理ぃ。これはすごいぃぃぃ」

「ちょっと! あんた達! 私の事無視するんじゃないわよ!」

「あぁ! 中毒者が2人に! む? というよりこの子、ご主人様の契約魔獣になってますね」

「「「えっ!?」」」

 う、嘘だろ? このモフモフの神が俺の契約魔獣に? やったぁぁぁぁぁ!!

「えっ? 嘘よね? 嘘でしょ! こいつは私の下僕なのよ! そんなはずあるわけないわ!」

「主ばっかり! 主ばっかりぃ! うわぁぁぁぁん!」

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 えー、現場は混沌が極まってしまったので、ここからは私、シャルルの語りで流れをお話させていただきます。

 まずはご主人様ですが、あのあと喜びのあまり羊に思いっきり抱きついて離れなくなりました。それなのに羊は嫌がるどころか嬉しそうにしてたのは不思議ですね。

 次に水の大精霊です。彼女は自分の下僕が余所者に奪われてしまい、状況が飲み込めず一時期固まっていましたが、落ち着いてからは結構ショックを受けていたみたいですね。
 おやまさん座りで落ち込んでいます。

 そして最後にヤミです。ヤミはご主人様ばかり契約魔獣を入手することに拗ねて泣いてしまいました。
 ですが、私がご主人様に懐いた契約魔獣はヤミに絡まれても嫌そうにせず、ちゃんと構ってくれている。
 つまりはご主人様の契約魔獣は、実質ヤミの契約魔獣でもある。
 という訳の分からない理論を展開したところ、ヤミは納得したらしくご主人様と同じように羊に抱きついています。

 そして、ご主人様とヤミを羊から引き剥がすまで約30分掛かりました。今から展開されるお話は全員が落ち着いてからのお話となります。

 それではどうぞ。

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「私の下僕が、下僕が・・・」

「いや、ほんとすまんかった」

 いや、契約魔獣にした瞬間はとっても嬉しかったよ? でもさ、よくよく考えるとこの水の大精霊から奪った形になっちゃうんだよね。
 うん、すっごい罪悪感が込み上げてくる。

「ほら、水の大精霊さん。泣き止んで下さい。今から話す内容はあなたにとっても悪い話ではありませんから」

「うぅ、ぐすっ。 ほんとぉ?」

 水の大精霊は目に涙を溜めながら上目遣いでシャルルを見つめる。
 
「えぇ、嘘はありませんよ」

 シャルルはニッコリとした笑顔で答える。

「じゃあ、聞く」

 水の大精霊は自分の目に溜まった涙を拭ってその場に正座した。多分俺とヤミの真似をしたんだと思う。

 えっ? なんで俺とヤミが正座してるかって? そんなの分かるだろ? シャルルの鉄拳制裁&お説教を食らったからに決まってるだろ。

「まぁ、簡単に言いますと水の大精霊。あなたはうちの島に来る気はありませんか?」

 シャルルがそう言うと水の大精霊は首を傾げる。

「島? どこの島なの?」

「んー、なんと言ったらいいのでしょうか。まぁ、簡単に言うとマナ、妖気の保有量はこの世界でトップの島ですね」

 あっ、俺もうトップに上り詰めてたんだ。知らなかった。

「そ、そう言えば特級精霊の名付け親とかどうとかって。ま、まさか!それってもしかしてっ!」

「そうです。今精霊たちからの人気がうなぎ登りのハル自由国への招待です」

 えっ? マジで?

「いきます!!」

 えっ!? マジで!?

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