ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

第42話 ぷかぷか孤島と楽器

「そうだ、俺眠れないんだった」


 俺は指輪を作り終えてベッドの中に入ったまでは良いものの種族上眠れないことに気がついた。


「ディアンヌが土地神は土地との結び付きが強いからどうちゃらこうちゃらで眠れないとか言ってたよな」


 俺はベッドの中に入っていても無駄な時間を過ごすだけだと思いベッドから這い出る。


「うーん、やることが無い。向こうでもなかったんだけどね。やっぱり夜って退屈だよな」


 そんな俺の目にふと机の上に置かれている今日作った指輪の材料が入った。


「・・・やるか」


 俺はそう呟いて今度は銅のインゴットと金のインゴットを手に取る。


「これで真鍮が作れたら一番いいんだけど出来るかな?」


 俺はそのふたつをドロドロな状態にして混ぜ合わせた。すると金が少しだけ銅のインゴットに混ざった。他の金は銅と混ぜ合わせてもすぐに分離してしまう。見た目にはなんの変化も起きなかったが、それを鑑定してみると『赤銅』と出た。


「あれ? 真鍮って金とどうじゃなかったのか! 完全に勘違いしてたな・・・ 銅が使われてるのは間違いないんだけどな。まっ、やることも無いし気楽に探していきますか」


 俺はそれから色々な合金を作っては鑑定を繰り返した。


「で、出来た!」


 俺が銅と亜鉛を混ぜると鑑定で『真鍮』という結果が出た。


「よし、これで金管楽器が作れる!」


 そう、俺が真鍮をどうしても作りたかった理由。それは楽器を作るという目的にあった。
 俺、実は中学の時に吹奏楽部に所属していたんのだ。あの頃は楽しかった。色々面倒なこともあったけど。


 俺はそんな思い出に浸りながら自分の担当楽器を思い浮かべて1度固めた大量の心中にマナを通す。


 俺の担当楽器、それはトロンボーンだ。幸いテナートロンボーンは金管楽器の中でもかなり構造が単調な部類に入る。


「えいっ!」


 俺は指輪の時と同じように目を瞑ってトロンボーンの形をイメージする。もちろん内部構造だってイメージする。ここの管はこんなふうに外れてーとか。


 俺が目を開けるとそこには全てが真鍮で作られたテナートロンボーンの姿があった。ちなみにメーカーはKONGにしてみた。


 ちゃんとチューニング菅とかも再現出来ていて大満足だ。ただ唾抜きだけカンカンなるので後でゴムを付けようと思う。


 次だ。問題は次なんだよ。金メッキ。これがやり方わかんねぇ! 流石に金箔貼り付けるだけじゃすぐに取れちゃうだろうしね。


「ディアンヌー! 出てこいディアンヌー!」


「むぅ、なんですか? こんな夜分遅くに」


「金メッキのやり方教えて!」


「はぁ。やる気になっているのは嬉しいことですがもう少し早めに呼び出してくださいよ。マスターと違って私達は寝ないと生きていけませんからね!」


「うーい」


「はい、これです。どうせアクセサリー作る時に必要なんですから先に渡しとけば良かった、、、」




 ディアンヌはそうボヤいて俺に金メッキのやり方が書いてある紙を渡してからふっと消えて行った。


 ちなみにメッキのやり方は薄ーく伸ばして貼りつけて定着させるだけでいいみたいだ。
 ディアンヌ曰くこんなことが出来るのはマナを通しているからで本当はもっと色んな工程を踏まなければならないらしい。
 あと、金メッキは先に銅メッキを施してからした方が長持ちするらしいので俺は自作のトロンボーンにその加工を施す。


「えいっ!」


 正直この掛け声いるか? って自分でも思いながらトロンボーンに銅メッキと金メッキを施す。
 ちなみにゴムは手に入らなかったので諦めた。ゴムノキも島で栽培してみるか。


 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 「うわぁぁぁぁっ! ご主人様なんでこんな時間に楽器作ろうとか思っちゃったんですの?」


 「くっそぉ、マジでやべぇ。眠い。これ死ねるぞ。あとで残業代請求してやるっ!」


 とある場所で女性と男性が激務に追われていた。2人はなにやらキーボードをカタカタ言わせて仕事をしているようだ。


 「そんな冗談言ってる場合じゃないですわ! ほらっ!ご主人様からの設計図が届きましたわ! すぐにこれに修正をっ!」


 「うおっ、これかなり適当だなっ! おいっ!」


 数分後、、、
 「げっー!! アイツを呼ぶみたいですわっ! すぐさま精神阻害をっ!」


 「ふっざけんなよっ! マスターの野郎がこんちきしょうっ!」


 数分後、、、
 「いや、いやいやいやいや、、、この状態でこれはヤバいっすわよ!」


 「語尾崩れてきてんぞ! さき!!」


 「うるさいわね! 冴月サツキ! あなたは黙って仕事していなさい!!」


 「がーっ! そんなの言ってる場合じゃねぇ! ほら1発目行くぞっ!」


 「はいっ! 行きますわよ!」

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