ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

第37話 ぷかぷか孤島、旅に出る

 「ん、んむぅ、、、はっ!!」


 俺は目覚めたとき、全く見覚えのない部屋にいた。外からはざぶんざぶんという波の音が聞こえ、船に乗っている時のような上下左右に揺さぶられるような揺れも感じられた。
  

 ここはどこだ!!  ま、まさか誘拐? でも俺の事を誘拐するやつなんてどこに? 


 「おはようございます、ご主人様」


 「具合の程はどうでごさるか?」


 俺がキョロキョロしているとシャルルと半蔵が突然現れた。


 「いやー、ディアンヌ殿の頼みと言えど主殿を気絶させるのは少し腰がひけたでごさるよ!」


 はっ! そうだ! ディアンヌに島から出ていってもらうとか言われた後に俺は気を失ったんだ! てかそれってこいつらの仕業かよ、、、


 「ほんとに、、、ご主人様に牙を剥くなんて悪い子ですね。半蔵」


 「拙者でござるか!? そもそもこんな計画を立てたのはディアンヌ殿とシャ」


 「半蔵? それ以上喋ると心臓引っこ抜きますよ」


 「それだけは勘弁して欲しいでござる・・・ 死にはしないが戻すのに苦労するでござる」


 「うふふ、なら大人しくしている方がいいですよ」


 「承った」


 うわー、半蔵完全に下っ端ポジションじゃん。カワイソー。


 「クゥーン」


 ん? なんか聞き覚えのある鳴き声がしたような気がする。


 「あら、スフィアも着いてきてしまったんですか」


 シャルルがそういうとスーちゃん?が姿を現した。そしてその横にはヤミがいた。


 「この子もふもふ。それに強い。正確には島の中で主の次に強い。精神面も合わせるとトップ。」


 ヤミはそう言いながらスーちゃん?をモフっていたが、スーちゃん?は直ぐにその手を離れ俺にじゃれついてくる。


 「なぁ、これスーちゃんなのか? それにしては随分小さいけど」


 「わふ?」


 「ええ、神狼スフィアで間違いありませんよ。今は力を無理矢理押さえつけて可愛らしい見た目になっていますが」


 「へー、凄いんだな。スーちゃんは」


 俺がそういってスーちゃんの頭を撫でると尻尾をフリフリして喜び出す。めちゃくちゃ可愛い。


 「むむ、主になつきすぎ。主ずるい」


 ヤミが俺に嫉妬の視線を浴びせてくるが気にしない! スーちゃんは俺のものだ!


 まぁ、そんなことよりもだ。


 「で、どういう状況? 俺、流刑?」


 「それについては私から説明しましょう! マスター!」


 「うわっ! お前いつからいたんだよ!」   


 「さっきからです。そんなことよりマスターには今からカンネル王国で1ヶ月間過ごしていた抱きます。この世界に関して無知なご主人様の教育の場とお考え下さい。  
 そして、生活に制限を設けさせていただきます。まずは職業。これは冒険者と内職の兼業です。これは1ヶ月の滞在期間でなれる職業が冒険者しかないのと、内職で色々な事を学んで頂きたいことが理由です。
 次にスキルの利用制限。炎上、サキュバス、奇術の世界、マナ変換のスキルを封印させて頂きました。どれも有用過ぎておもしろくな、ゲフンゲフン、勉強になりませんからね! 分かりましたか?」


 「お、おう。なんとか頑張ってみる。でもそっちは大丈夫なのか? 俺がいないと食料とか調理器具とか出せないぞ?」


 「それも含めての勉強です。こっちはこっちでアイネやドワーフの子供たちに乗り越えて貰おうと思っています。最悪マーシーがいますのでご主人様の許可さえ取れればなんとかなります」


 「ならそっちは大丈夫そうだな」


 「えぇ。問題はマスターの方ですね」


 「俺? 別に俺は問題ないだろ?」


 するとディアンヌは呆れたようにため息をはく。


 「ほんとにそう思ってるんですか?」


 「もちろん!!」


 「・・・本当にマスターを島から連れ出してきて良かったです」


 むむむ、お前ら俺の事を侮ってるな!! 見てろよ! 俺の生活力で度肝抜かしてやるからな!!


 そんなことより、、、


 「そんなことよりここどこ?」


 「ここは海の上です」


 「いや、それは分かるけどさ」


 「正確にはカンネル王国の港と約200メートルの距離の海の上です」


 「もうすぐ到着じゃん! 早く降りる準備しなきゃ!」


 「あぁ、それなら大丈夫ですよ。荷造りなどは私達がしておきましたから」


 「なら大丈夫か! よっしゃ! ここから俺の生活力をみんなに見せつける生活が始まるのか!!」


 「そうなればいいんですがねぇ」


 ディアンヌはまだ俺の事を疑っているらしい。ふん! 俺だって前世では18だったんだからそんぐらい大丈夫だっての!


 そんなやり取りの数分後俺達は船は港に到着したらしく、俺達は船を出ることになった。


 「うちの子の帰りもどうかよろしくお願いします」


 「えぇ、任せてくだせぇ! でも出来るだけ手は出さない方がいいんだろ?」


 「はい、今回はあの子が社会へ出るための勉強みたいなものですので一切手は貸さないで上げてください」


 「分かったぜ!あなた方がそう言うならそうさせてもらいまさぁ!」


 先に出ていったディアンヌと男の人の会話が聞こえる。くっそー、完全に舐められてるな! 子供扱いだし! お前ら見てろよ!! 絶対見返してやるからな!


 「さぁ、早く出てきてください」


 ディアンヌが俺を急かす。せっかちさんはモテないぞ! 


 俺は内心そう愚痴りながら船内から甲板に出る。そこにはごっつい筋肉ムキムキのおじさんがいた。


 「おう、嬢ちゃん! 俺はこの船の船長やってるガランってもんだ! 帰りも一緒になるだろうからよろしくな!!」


 あっ、、、そうだぁ、、、俺人見知りでコンビニの袋要らない時も言えないタイプの人だったんだぁ。あっ、あかん! 足が震えて、、、


 「よ、、、よ、、よよ、よろひく、、、よろしくお、、、お願いしましゅ」


 「ガハハ! 緊張してんのかぁ? 大丈夫だ! 安心しな! この街の人はお前をとってくったりゃあしねぇよ!」


 「ひ、ひゃい!」


 ガランはそういって俺の背中をバンバン叩く。
 やべぇ、緊張で目が回りそうだ。
 最近普通に人に出会うことなかったからこの感覚をすっかり忘れてた。
 今まで人見知りが発動しないぐらい驚きの連続だったし、スキルから産まれた神に関してはどこか懐かしさみたいなのがあったから人見知りが発動しなかったんだろう。
 人外ってのも理由にあったのかもしれない。


 「ふぅ、やっぱり連れてきて正解でしたね。こんなことじゃ将来マスターが動かざるおえない時に大変なことになる所でした」


 ディアンヌがなにか呟いたような気がしたが、俺は緊張からそれを聞き取ることは出来なかった。


 


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