ぷかぷか孤島になっちゃった?

睡蓮

第5話 漂流した少女

  はっ! 危なかった意識が飛びかけた! ってなんでこんなに空が赤いんだ? あっ、もしかしなくても意識失ってた感じかなぁ。ちっくしょおあの野郎、何も考えずにマナを吸いまくりやがって。まぁ、でも許可出したのは俺だから仕方ない。今回は不問にしといてやるか。


 さてと、一応気を失ってたから監視カメラで島の全貌を確認してみるとするか。
 って、ええ!?


 監視カメラを使用して見た島の全貌は今までの島とは明らかに異なる部分が4つほどあった。
 まずは大きさ。明らかに今までの3倍以上はある。
 次に精霊の数。至る所に精霊がふわふわと浮いている。
 3つめ、なんか施設とか設置物とかめちゃくちゃ増えてる。精霊石はあらゆる所に置かれてて合計6つほどに増えていた。ゲートも今まであったものの横に1つ増設されている。またいつの間にか、かまどや畑も出来ていて精霊たちが一生懸命火を起こしたり、耕したりしていた。畑の横で一生懸命踊っている精霊達は何をしているのだろうか。
 4つめ、なんか人がいる。それも耳の長くて日に焼けているのか褐色の女の人が砂浜に倒れている。その横には漂流物である瓶が置かれている。


 運良く? 木の大精霊はまだこの島にいるみたいだから声をかける。大精霊っていうだけあって偉いんだろうしな。


『おーい! 大精霊! なにがどうなってんだ?』
 

 そう呼びかけると大精霊は一瞬ビクッとして返事をしてきた。


 「どういうこと? こっちはなんか突然次々と増えてきた畑とかの管理とかで忙しいんだけど!」


 ふーむ、ということはこれは精霊の仕業ではない。てことは俺が気を失っている間にレベルアップとか称号を入手したせいでここまで島が発展?してしまったってわけか。


 『ごめんごめん、あと施設の管理ありがとな!でも次マナ吸う時は手加減してくれよ。俺、そのせいで気を失ってたんだから。』


 俺がお礼を言うと木の大精霊はちょっと頬を紅くして「お礼なんていいわよ。」とか言っていた。褒められるのに慣れてないんだろうか? 意外と可愛いとこあるじゃないか。
 そんな木の大精霊の意外な一面を知ったところで本題を切り出す。
  

『ちょっと頼みがあるんだけど、いいかな?』


 「頼みにもよるけど、別にいいわよ。」


『浜辺に人が倒れてるんだ。俺にはどうにも出来ないし介抱してやってくれないか? 耳が長くて肌色は褐色だ。』


 「分かったわ。私に任せておきなさい。」


 そう言うと何やら木の大精霊は苦い顔をしてため息をついた。もしかして嫌だったのかな?でもやってくれるって言うんだし、ここは彼女に任せておこう。俺にはどうにも出来ないしね。


 さてとまずは漂流物の確認かな。


 パカッ!パッパパーン!中には手紙が入っていました。読み上げます。


 こんにちは、どこかの誰かさん。私はメリーです。私は今旅行でドール国のとある海に来ています。あなたは何をしていますか? お返事待ってます。


 返事を返しますか?


 多分子供が書いたんだろうなぁ。海に瓶の中に手紙を詰めて誰かに送るってなんか憧れるもんなぁ。一応返事を書いといてあげるか。子供の頃のいい思い出って意外と大きなものなんだよなぁ。その頃を振り返る材料にもなるし。


 お手紙ありがとう。私はプカプカです。今は海の上でその名の通りぷかぷか浮いています。また遊びに来てください。その時は歓迎します。


 そう念じるとその文字が移された紙が瓶の中に入り、海に流された。いつか届くといいな。


 さてと次はステータスの確認かな?『ステータスオープン』


 名前:ぷかぷか


 種族:孤島


 Lv:20


 体長:縦70メートル 横70メートル


 設置物:精霊石×5、ヤシの木、芝生、崖、砂浜、精霊の畑、精霊のかまど、大精霊像、ゲート×2、池
 スキル:鑑定・地形変更・ガラポン・癒しの象徴・ダンジョン作成・監視カメラ(偵察機つき)・漂流・精霊との対話・憑依・排除命令


 保管庫:川・水車×2・山・林×2・井戸・精霊アパート×3・鉱脈×2


 おっ、なんか色々増えてるな。まずは体長がかなり増えたのはでかい。これで色々な設置物が置ける。さすがに川とか山とかはまだ置けないけど精霊アパートぐらいなら1つ建てれるような気がする。精霊って基本的にみんなちっいゃいしね。


 んで肝心なのはスキルよ、スキル。憑依は多分なにかに取り憑くことが出来るんだろうけど、排除命令ってなんだよ。うーん、島から追い出す時に使うってのは分かるんだけどどんな効果か分からないから無闇に使うのは危険かな。ディースが来た時に教えてもらおう。


 「おーい! 孤島! ちょっといい?」


 木の大精霊がそう呼びかけてきた。


『どうした?』


 「この子を介抱するにあたってちょっとこの島弄らせてもらうけどいいかしら?」
 

『やりすぎるのは良くないけどちょっとぐらいならいいよ。』


 「わかったわ。ありがとう。」


 そう言うと大精霊は腕をくいっと上に曲げる。すると芝生と共に土が動き出し、簡単な洞穴みたいなものを作り上げる。そして、そのあと洞穴の中から何やら藁のようなものが生えてきてそれがまるでベッドのような形に整形されていった。大精霊はそこに耳の長い女の子を寝かした。


 「一応手当はしといたけど食料のないこの島じゃ多分1ヶ月も持たずに死んじゃうわよ。私達も畑に出来るだけ力を注ぐけど、それでも水を司るの精霊も生を司る精霊もいないから出来上がるのは2ヶ月後になるわよ。」


 「そうなのか、、、わかった対策は考えておく。というかこの島にはどんな精霊がいるんだ?」


 「この島には植物を司る精霊が9割、土の精霊が1割ね。」


 「そうなのか、ちなみに植物を司るの精霊ってどんなことが出来るんだ?」


 「基本的には植物の育成を促進させる働きかしら。でも、急速に植物を育てようと思うと大量の水や栄養が必要になるから他の精霊も必要ってわけ。私みたいな大精霊になると水や土もある程度操れて、何も無いところから種を用意することも可能だわ。」


 『そうなのか、ありがとう。』


 「いいわよそんなの。でも出来ればあの子は助けてあげて。あの子の種族はエルフといって人族の中でも特に精霊との仲がいいの。まぁ、あの子はちょっとばかし特殊な子なんだけど。」


『わかった。できる限りの努力はするよ。』


 本気であのエルフを心配するような顔をしている大精霊をみて、俺もあの子を救うことを胸に誓った。

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