無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第287話 母方の知合いと種族の新規出会い【おまけ⑧【卒業後に起きた僕のエピソード】】

卒業して、いざ冒険者になる所仲間達が一度実家に帰り少し修行をしたいと言い出したので六年後にと約束し、僕は学校を卒業する。


まさか卒業に、学園の先生を期限限定で受け持つことになるとは、その時は思っていなかった。


あれはまだ入社して間もない頃僕は、まだ若かった。


最年少で、学園都市のある有名な魔法学校の先生をする事になる。


そこで教え子を育てるのだが、その出会った子は……


影に隠れているような存在でいつも周りに合わせて行動し目立たない動きをしている。


回答は、すぐに答えるものの質問に対してはあまり好奇心を持たない子だった。


あるきっかけは、屋上で呪文を唱える声が聞こえる。


「新たに古のこだわりし理を貫き心閉ざす妨げを……」


「ここに、真の理を示し心と共に汝の枷を解き放ちたまえ……」


「森羅万象の神々が奉りし理を悉く砕きし声明を死をもち答えよ……」


「汝の枷を外し心を壊しそして闇よりきたれし理を!」


そんな呪文が、屋上から聞こえる。


この魔法は、禁術の二章にある「理」をもちいふした言葉だが今の教え子が唱える事など不可能な言葉が聞こえる。


僕は、サーチスキルを使い周囲から隔離する魔法を使いながらこっそりと覗いてみる。


初めてみた彼女はとても表現すると……


真っ赤な真空の赤髪に、瞳が赤く燃える炎のようだ。


髪は、ストレートで腰まである……


風が靡く中六芒星を軸に唱えている。


僕は、その光景を見て昔の自分を鏡で見ているようだった。


鏡と言っても彼女の特徴ではなく、熱心に魔法を磨く時の若き自分に見えた。


彼女は、たしか……


三組のフェンリル・ローズアリアと言う名前だったはず……


そんな教え子が、目の前で禁断の果実とも言われた禁術に手をだしている事が驚きだった。


ちなみに、彼女が持っている本だが実は……


昔僕が手掛けて封印して、世界中にばら撒いた物の一部の本だった。


何故彼女があの本を持っているのかは、謎だが唱えた事を認識して近づいてもっと近くで見るべきだろうとさらに言葉遊びの魔法を唱えて彼女に近づいた。


彼女は、僕の気配に気づく事なく続きの「理」を叫んでいる。


六芒星は、青々と光を出している……


このまま唱えを全部読み終える光景を眺めているわけにもいかず。


理の理を解除する理の理を上書きしながら音声遮断で、魔法の発動を抑える。


急に、魔法陣の光が青々した光から白い光に換わる光景を彼女は驚き言葉を辞める。


「誰!」


彼女は、普段ださない声で叫んだ。


「誰かいるの?」


「何で理が消えていくの……」


「何でっ!」


そんな虚しく寂しい声が屋上に響きわたる。


僕は、何も喋らずに彼女の横でじっと見ている。


彼女は、「理」が無理ならこれでと呪文を叫ぶ。


「煌めき旅篭の鳥たちを戒めの首時陣形の影にし心を夢見ては……」


「汝の言葉を殺めても言葉噤みし古の者達からの永久を避止て受けよと梅雨の時」


「村雲議して我となう恐れを微塵で塵食えばそのわが身の化身なり……」


「努々起こり悟り獲の獅子て我賭し古と櫛て伊那穂の痛みけり……」


「汝言葉を殺め死言霊の言葉幾にて偽りを割りしてここにあるまじき……」


「汝の言葉を此処より発症する穢れの戯れ言葉の幾凍みてここに懐理を……」


彼女は、両手を組み手を閉じる。


「パン!」


音が鳴り響くとあたり一面が雪景色のようになる。


「貴方は、誰?」


彼女は、僕が見えているようだ。


どうやらオリジナルの魔法で、探知魔法のようだ……


仕方なく僕は、姿を見せる。


その時の彼女の顔は、忘れられないほど髪と瞳の様に……


「赤かった」


「せ…先生!」


僕は、じっと見て少年の眼差しで見つめる。


彼女の「時」は、一言で止まる。


「みちゃいました?」


僕は、嘘でもいいかのように……


「何かしてたの?」


などと彼女に、聞く。


彼女は、顔は、百面相の様にコロコロと表情が変わり真剣な眼差しとなる。


「いつから見てたのですか?」


辺りが一瞬寒気が来るように、温度が下がる気配がする。


これは、一般的理論だと魔法の初歩を学ぶ学生が感じれば即気絶コースだが……


僕には、効かないが効いた素振りを見せる。


「何を…したんだ……」


「へぇ~」


「先生でもこれは、効くんだね…」


「いいサンプルがとれたよ」


彼女は、微笑む。


僕は、彼女に質問を投げる。


「その手に持っている本は、学校以外の本かな?」


彼女は、答える。


「先生これなにか解るの?」


僕は、答える。


「そんな怪しい封印が施された本なんて一般の本じゃない事くらいなら」


などと余裕を少し見せて震えながら偽りの仮面をつけて答えた。


「ふふふふひふふ」


「そっか~」


「そこまでしか解らないかぁ~」


彼女は、ニコニコしながら前かがみになりながら本を後ろに手を回して言葉を発する。


「普通のと言っても信じてくれないだろうから…」


「フリーマーケットの市場で見かけた本かな?」


彼女は、それがヒントだよとばかり僕に話しかける。


「それでも解らないかな?」


満面な笑顔で答えた。


この表情は、昔姉が新しい魔法を見つけた時にする笑みと似ている。


そんな笑い顔の彼女は、余裕があるのか突然考えるポーズを取る。


僕は、禁術の本の暗号を念使で唱えて中身を物理の本とすり替えた。


彼女は、気づかないまだ自分が有利な立場だと思い込んでいる。


昔の僕ならここから地獄と言う夢物語に、連れ出すのだが……


生憎教師になってしまったので、この間違った彼女を止める事にそろそろ動かないといけない。


そんな考えをしていると彼女の口元が動く。


「先生は、私の奴隷になりませんか?」


「むしろ私が先生を操る」


「最年少と言われた先生なら私のモルモットにあうから……」


そんな事を彼女は呟いている。


人間とは、余裕を持つと大抵自分がどのように行動してよいか解らなくなる生き物だと解っていないようだ。


僕は、彼女の地面に八芒星をこっそりと唱える。


そのまま理シリーズの四章を念使で読み上げる。


これは、ある条件で出さないと読めない四章の本乗っているオリジンの文章だ。


後は、指をパチンと鳴らせば完成だ。


このまま彼女の言葉を待つ……


「先生は、私のモルモットになる事がここに決定しました」


彼女は、そんな呟きを言う。


そこから彼女の絶望への破曲が流れる。


彼女の視線が僕の手を凝視している。


「なに?」


「その手の握り方は…」


「まさか……」


そして、彼女は優越感から敗北へと曲が流れていく。


(パチン!!)


僕の指が鳴と…


彼女の周りから白い鎖が何百本も出現する。


「え!」


僕は、一言だけ言う。


「ごめんね、モルモットは勘弁だから君を拘束させてもらうね」


この一瞬んで全てが逆転する。


彼女の微笑む顔が驚きへと変わるのだった。


「あなたは、私の魔法にかかったはずなのに……」


「なぜ、あなたは……」


だから一言…


言ったとうりごめんと…


そして、彼女は……


白い鎖によって拘束される。



「十字血海白銀の王」



それが君に課せられた魔法の正体だよと僕は呟く。


「うそ…うそうそうそ…うそぉぉぉぉ」


屋上に彼女の声が響きわたると普通なら思うがそんな事はない…


何故ならもう指がなった時点でいろんな魔法が一気に発動している訳だから…


そんな事は、彼女は知らない…


そして、知れない…



校則第一条:生徒は先生を貶めない。



「君は、これに適したから使わせてもらったよ?」


魔法事態の実験は、別にどうでもよかったけどね。


僕は、彼女に言うが……


彼女は、もう何も言葉が出ない状態だった。


仕方なく顔以外を拘束して水魔法で、彼女に魔法を使う。


彼女は自分を取り戻り僕を見つめる。


「先生は、わざとふりをしてたの?」


僕は、答える。


「YES」


そもそも君が持っている本は、封印がかかっている「理」シリーズなんだよ?


それも市場で手に入れたて事は、先生達に相談するべきだと思うけどね。


「だから君の魔法書は、中の文章破棄の塗替えしてあるから」


僕は、生徒を遠ざけるように発言する。


「そっか…」


「私は、先生に踊らされたピエロだったのね」


「なんだ私己惚れてたのね……」


彼女からは、さっきまでの元気がなくなりしょんぼりし始める。


僕は、もう一言いう。


君の技術と魔法理論は、良かったけど己が満足して学ぶならいいけど人を巻き込んだのがはんいんだったかな?


「先生は、何故理の内容を知ってるですか?」


「昔の記述を見ると一冊に対して、章事に別れていると調べたのですが……」


「ん~~」


「答え合わせをしようかな?」


「答え合わせ?」


彼女は、不思議そうな顔をしている。


「理」の本はね僕の好奇心で作ったシリーズなんだよね


だからたとえ君が唱えたところで解除ができちゃうわけて言うのが答えかな?


「………」


「やっぱり最年少の天才とまで言われた先生には、敵わないて事なんだね」


「馬鹿な事しちゃったんだね私……」


「それは、違うかな?」


「僕は、実験は良いけど人に迷惑をかけるならて言ったと思うけど?」


「君が只の実験だったらよかったんだけど僕を見つけちゃったのが運のつきかな?」


「ま、邪魔した僕も大人げなかったけど」


「禁術じゃなかったら止めなかったかな?」


「先生……」


「それって、ほんとに?」


「ま、言うだけじゃあれだから……」


「人差し指と中指をまっすぐ立てて…」


「解!」


彼女の頭からつま先下まで空中でなぞる。


術は、砂糖菓子のように、消えていく。


「これで問題ないけど?」


「続けるならいつでも相手になるけど?」


などと冗談を言うが、そんな余裕の無い彼女は、屋上の地べたに挫折したように、崩れ落ちる。


「む、無理です」


「あの……」


彼女は、何か怯える子犬のように僕を見る。


「この事で、退学と身分の剥奪とか……」


「人としての扱い、言いえ……」


「奴隷制度に基づくあの発令がでるのですか……」


「あっあれか…」


「今回の事は、多めにみるけど他に気になる事あるだけど?」


「はい?」


彼女は、これ以外で何があるのと目が訴えている。


「君の理シリーズ後手元に、二冊あるでしょ?」


「はい……」


「えっと君の寮の名前と部屋の番号は?」


「赤薔薇の二百五十番です」


「あった」


「これかな…」


先生の手が空中内で、青白い光を放つ……


眩し過ぎて、見えない。


「二冊結構重いな…」


先生の手には、何故か私の部屋にある理シリーズの二冊がある。


「えっ?」


「なんであるの?」


私は、あまりの不思議な光景に驚いている。


先生は、いったい何をしてそんな魔法を唱えたのか全く理解が出来なかった。


「どっちも封印とけてるから、内容破棄でいいや」


先生は、あたかも当たり前のように本を二冊とも破棄される。


「先生?」


貴方は、何をしたの?


疑問ばかり私の頭にクエッションが浮かぶばかりだった。


先生は、何を言うのかと思いきや……


「このシリーズ三章ずつで次の四章が出せるだけど?」


「そこまでは、解らなかったから良かったよ」


などと私の疑問以外の言葉が聞こえる。


後、気になった事と言えば四章がどうのこうのと聞こえる……


「四章て先生どういう事ですか?」


「あぁ~」


「この理シリーズの一章~三章のからくりはね」


「表紙の文字を組み合わせてパズルで表示ると四章が出せるだけどて裏技があるだけどね」


「これをこうしてこうすると」


先生の手から金色の本が出現する。


さっき燃やしたはずなのに、復元されている。


「これが四章だけどなかはみせないよ?」


「普通に、封印を解かないで読めば専門書になるだけど……」


「まさか解かれると思ってなかったかな?」


ほんとこの歳の子て逸材も居るもんだね、自分と比べると笑えないけど……


仲間が聞いたらまだその子普通よとか言いそうだ。


僕は、卒業して行った仲間達を思い浮かべる。


「それより君確か僕のクラスに居た子だよね?」


「はい……」


「今回の罰は、課題をだすからそれで勘弁してあげるけどそれでいいかな?」


この先生なんて優しいんだろう、普通この事をしたら退学物なのに大物なのかな?


私は、気力がないまま……


「はい、課題を熟します。」


先生に向かって答える。


「あ、後君の今後の成績態度次第で、運がよけらば弟子にしてあげてもいいかな?」


「頑張って精進してね」


先生は、何もなかったかのように、私から離れて屋上を出ていく。


渡しでは、たどり着けない領域。


必ず先生の弟子になって見せる。


私は、この時初めて目標という概念がわいたのだった。






次の日先生は、何事もないように授業を始める。


今日は、火属性についての簡単な初歩魔法についての話だった。


一般的に、この学園に来る時点でこれくらいの問題や授業は、解るものだが……


学園の方針としては、一から学ぶ事で間違いなどや発見に繋がる事を目指して取り組んでいるとパンフレットに書いてあるのを入学式の時に読んだ記憶がある。


そう言えば先生からのレポートは、私の中で知らない事のレポートだった。


期限は、一ヶ月らしいのだが学園の本棚を漁る日々が続きそうだと少し憂鬱になる。


そんな事を考えてると先生が黒板の問題について私に、質問している事に気づいた。


私は、凄く焦りながらも先生に問題の解答を答える事が出来るが、先生は納得されていない。


「お前たちは、教科書やここに来る前に塾で只学んだ事を只やってるだけだ」


「俺の授業は、そんな事をする為の授業じゃない…」


「だからこれから校庭にでて基礎体力作りの助言をするからそれに移る」


「みな動きやすいかっこか体操服等に着替えて外に集合だ」


先生は、そんな事を口にすると窓を開けてそこから普通に落下していく。


魔法なのか先生の技術なのか建物四階の高さからゆっくりと降りて音のしない着地をした。


先生は、倉庫らしき場所へと行き何やら準備を始めているようだ。


私は、急いで動きやすい服に着替えて校庭に向かうのだった。


先生は、何か変わったリングを生徒の数を用意している。


あんな数どこにあったのだろう?


不思議でならない……


「おっ」


「来たなお前ら」


先生は、生徒全員にリングを手渡した。


先生の口が動く……


「そのリングを右でも左でもいいから腕か足に付けてくれ」


生徒達は、不思議そうに指示に従う。


大抵の生徒は、利き手の腕に付ける。


先生は、付けた事を確認すると変な事を言い始める。


「そのリングを付けて特異な魔法を放ってみろ」


「それで己が育てる属性が見えてくる。」


「全属性が使えるぜみたいな言葉を言える奴はいないとは限らないから取りあえずできる限りの魔法と種類をひとけの無い所でぶっぱなせ!」


生徒が呪文を唱え一斉に魔法を放つ……


私は、使える属性を色々と初期魔法で放つ……


そこで面白い事が起きる。


魔法の一部がそのリングに、吸い込まれていく。


吸収されたリングは、色鮮やかに輝きリングの周りにビー玉位の玉が出来上がっていく。


不思議な事といえばビー玉に青色なら水と書かれた文字が浮かぶ。


私のリングには、黒・白・青色・赤色・緑・紫と属性じゃない色までもが見られる。


そんな事を考えていると全員の玉を見たかのように、先生が言葉を言う。


「属性と異なる色が出た者が多数いただろ?」


「それは、攻撃特化に出る色だ」


私の中で攻撃特化と言う言葉のクエッションが浮かぶ。


先生が説明を始める。


「魔法には、攻撃補助と攻撃特化の型と属性の火・水・風・土・闇・光とまぁ~」


「多分知らない生徒しか居ないと思うけど?」


「無属性て属性もあるわけさ……」


私の中で、無属性?


聞いた事無い属性名が出てくる。


君らのリングには、属性の「無」は無かったのは確認している。


「とまぁ~」


「何言ってるの先生と思ってる生徒がたはんすうだと思うけど?」


いまから簡単な説明をしていくね。


まずこれが「火」と先生の指先に赤く蝋燭のような火が浮かぶ。


続いてこれが「風」と叫ぶと「火の火力が青々と強くなる」


これは、組み合わせ魔法と言って二つ合わせた魔法だから玉で言うなら「水色」に属性する魔法。


「あっ」


「先に言っとくけど」


「教科書に載ってるとか今まで習ったとかの知識は捨てて僕の授業に参加してね」


「参加できないとみなせば、他のクラスにクラスチェンジするから宜しく」


先生は、笑顔で答える。


さて、変な説明をいれちゃったけど……


「この属性」


「組み合わせによっては、何百・何千とあるから覚えといてね」


それで、属性の色の違いについての話だけど皆それぞれ違う属性を持ってる訳さ……


「その属性を改めて意識させるのがそのリングて事なんだけど理解できそう?」


やばい授業が硬度過ぎる。


先生は、多分1+1=みたいな答えで答えてる感覚なんだろうが……


これは、レベルの高い説明過ぎる。


なんとか私は、理解が出来るがここのクラスで何十人ほど理解出来るのだろうか……


一人の生徒が先生を呼ぶ。


「先生質問があります」


「ん?」


「どうぞ言ってみて」


「このリングは、アーティファクトの産物ですよね」


簡単に、生徒全員に配った先生が不思議でたまりません……


「このアーティファクトて学校の遺産なんですか……」


使ってしまって取り返しのつかない事とか無いですよね?


生徒は、少し震える声で質問してくる。


「あっ、それの事か……」


「問題ないよそれ」


「作り主は、家の姉様が作ったシリーズの余り物だから気にしなくていいよ」


先生のお姉さんて一体何者ですか?


「う~~~ん」


それは、言えないかな?


それに、授業に関係ないし、そんな事より僕の説明の方は理解したと思って良いて事だよね?」


「そんなくだらない質問してくる事だろうしね?」


「すみません……」


「理解出来てません……」


「君さもしかして僕を見た目で、判断して適当に答えたでしょ?」


「何でこんな子供に私達が教わるの?」


「歳も近いくらいなのに、さっきから意味解らない事ばかり言ってるし……」


「適当な方便でも言ってるじゃないの!」


みたいな事思ってるじゃないのかな?


ここにいる全員の中で何十人かはと僕は睨んでるだけどどう?


先生は、生徒の心を読んだかのように、淡々と答えた。


一人の男性生徒が続けて何かを言う。


「そうだよ、俺達は、エリートでここに来たのに、先生が俺らと同世代とか有得ないよ?」


先生の口が動く……


「それは、種族違いだから若く見えるだろうけど?」


「僕は、れっきとした12歳だよ」


「君らと6歳も歳が離れてるだけどね」


「それでも、信じないのと理解出来ないから出る我儘な子供の皮肉かな?」


先生は、一瞬殺気がでたような気がした。


だって、私の背中が汗で濡れている。


雨に打たれたような感覚が、体を拘束する。


他の生徒もそうだが、啖呵きって言った生徒は、地面が濡れている。


直接殺気に、当てられて漏らしたようだ。


これが、最年少で先生に選ばれた実力……。


本当に、あの時喧嘩しなくて良かったと前の事件が脳をよぎる。


「ん~~」


「今日の授業は、ここまででいいや」


「何人か気絶しちゃってる子もいるし……」


「自分がエリートとか考えてる生徒は、明日以降からそんな考え捨てて授業を受けてね」


そして、先生の会話が終わると共に、今日の授業が終わる。


そこで、先生が見せた奇跡は、気絶・震え・漏らし等で、起きた場面が何もなかったようになっている。


時間が戻ったかのように、先生の言葉が終わると共に、生徒は立ち竦んでいる。


「ん~~」


「僕のクラスに、馴染めるのは、数人かな?」


先生は、ボソッと呟いて職員室へと足を運ぶ。


こうして一日の授業が終わる。


ちなみに、まだ一時間目と言うのは、内緒です。


一時間と言っても一日中何かを試された気分でいっぱいでした。






校長先生が僕に、話しかけてくる。


「どうでした内の生徒達エリートは、と嫌な言い方をしてくる」


「僕は、素直に、まだ言葉を覚えて燥いでる子供ですよと言う」


校長の顔が、白から真っ青に変わる。


「ルーンシタイン先生は、何かしでかしたのですか?」


「先生のクラスの生徒は、貴族・大族・大商人・大聖人と各有名な生徒のエリート達が集まった」


「クラスなんですよ?」


「その辺理解してますか?」


僕は、腐った虫を見る目で校長を見る。


「金目的の生徒なら欲しい生徒だけ集めてクラス作りますけど?」


「校長あなたに、その資格がありますか?」


「僕には、ありますけど、只のお飾りの校長であるあなたが何を間違った事言ってるのですか?」


校長の顔は、今度は赤くなっていく……


「おっ、お飾りて何ですか!」


「ここの学園の校長に言っていい事ではないですよ?」


息が荒々しい声で、校長は、僕を怒鳴る。


なんか面倒になってきたので、念話で理事長をここに呼ぶことにする。


念話で理事長に、話が繋がると一瞬で、校長の後ろに理事長が現れた。


「君の事を理事長に、伝えますからね?」


校長は、僕を怒鳴りながらそんな事を言っていると?


後ろから、呼んだかね校長先生と理事長が声を重ねて言う。


その時の校長の顔は、今でも忘れない……


なんて物語が終わる訳では、ないが…


たぶん今日一日で一番面白い出来事だったかもしれないと言うくらい校長の顔色が変わるのだった。


「理事長先生!?」


「なぜここに!」


理事長は、僕の後ろに回り僕の両肩を掴み校長に、言葉を言う。


「君は、お飾りの校長だよ」


知っているのは、一部のお偉い方々くらいの話題だったと言うおちなのだが…


そんな事言われた校長は、驚いた顔をする。


「えっ!」


「理事長先生何を言ってるですか?」


「私がお飾り校長とは、言ったいどう言う事ですか?」


「言葉の通りで、君は、書類にサインしているだけで生徒にも先生方にも意見なんて言えない立場て事かな?」


「お言葉ですが、どういうことですか?」


「そのままの意味かな」


「ちなみに、ルーンシタイン先生に意見言った時点でアウトなんだけどね……」


「ルーンシタイン君は、貴方が意見を言える立場ではないことかな?」


「ちなみに、私もだけど」


「この学園で、ルーンシタイン君に意見を言える人は、居ないて言うのが……」


「答え合わせで言う」


「答えかな?」


「今回は、無かった事で、校長先生は、そのままでと言う事は、ないから安心したまえ」


「君は、解雇だ」


「今日まで、お疲れ様」


「二ヶ月間お疲れ様でした」


「理事長の口からそんな言葉が校長に下る」


あ、この校長は、ここの学園出身じゃないだなと僕は思った。


だからあんな変な言い方してきたのかとなっとくしてしまう。


校長は、固まったまま動かない…


土の泥人形に、風魔法でもかけたら飛びそうな勢いだ。


そんなかんやで、二ヶ月間居た校長は、今日で解雇され新しいのが明日来るらしい。


校長なんて、本当に雑務だけの存在なのだと今日改めて知った日だった。







今日は、仕事が早く終わったから仲間に、電子メールを送ると全員から笑えないとメッセージが返ってくる。


ま、確かに笑えないが仕方ない事とチャットを電子メール内で行う。


仲間の何人かは、家族と取った写真を送ってくる。


後は、冒険してる仲間は、珍しい魔物コレクションとか送ってきた。


僕も旅にでたいよとメッセージを送るも、皆がそれは、駄目と同時に送られてくる。


何このタイミングのよさ、どこかにカメラでもあるのと言う感じの事が起きたりもした。


そんなメッセージのやり取りをしてるとメールが一件届く。


宛先は、姉様からだった。


開きながらチャットをしてるとどうやら週末に、帰って来なさいとのメールみたいだ。


そう言えば、卒業してから家に帰ってなかったなとふと姉様に言われて気づく自分がいた。


その事も仲間に言うと皆あきれた言葉が返ってくる。


普通気づくだろうとかてっきり帰っていたのかと思ってましたとかお前阿保かとか色々ひどい言葉もあるが、仲間に言われるのは、別に嫌じゃなかった。


さすが、一緒に釜の飯を食べた仲間と言うのだろう。


そんな仲間とチャットしていると二時間程時間が達何人かがまたと連絡が切れる。


僕も時計を見て、長いチャットだったなと気づき他のメンツにも落ちるように伝えてチャットを終了する。


時間も時間なので、お腹が空いたので、学食に僕は向かう。


学食に向かうとフェンリルさんが居る。


どうやら僕が出した課題をやっているようだ。


食券を買って、注文を取り食べ物を持って彼女の席に向かう。


「フェンリルさん熱心で感心だね」


僕は、後ろから声をかけると彼女は飛び上がるような動作で振り向く。


「先生、何故ここに?」


先生の手に持っている物をみて納得した。


ここは、食堂そして今は、お昼ぐらいの時間と頭のなかで理解した。


先生は、何も無かったかのように目の前の席につきご飯を食べ始める。


そして、先生の箸が止まる。


「フェンリルさん何か解らない事あるなら聞くけど何かある?」


先生は、いきなりそんな言葉を言ってくる。


さっきまでの授業と屋上事件の時の顔とは別で本当に、優しい目をして無邪気な子供と言う言葉が当てはまる感じの先生だった。


私は、素直に先生に質問をする。


「ここの問題が謎と言うか意味が理解出来なくてと…」


先生は、どれどれと内容を見てから「あ、なるほど」と声がもれる。


「これは、やらなくていい問題だ」


先生がそんな事を言いながらページを捲り赤ペンで線を引いていく。


「この赤線を引いた場所は、やらなくていいから」


「たぶん理論を授業でやらないと解らないのと実践しないと解らないから」


そんな言葉が返ってくる。


「それ以外で質問あれば授業以外なら受け付けるから」


先生は、私にそんな事を言ってくれる。


本当に、この先生に付いて行けば色々と未来が開けるかもしれないとまだ私の心は、それに気づいていなかった。

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