無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第279話 年月が過ぎて旅にて①【おまけ3】

ここからその街まで、徒歩で五日くらいでいけるのと何か乗り物があるなら二日くらいでたどり着けますが、運任せにいってみます?


リーヴスラシルがドライアードにそんな話を持ち出すと?


「私のミニパペット人形があるので、それをお供に連れてて頂けませんか?」
何せ私は、この場所から離れる事が禁じられているので出られません……
『なので、これを持って一緒に行って頂けると助かります』



そんな会話のやり取りが、二人の絆を深める。
そんな時に、遠くの方から見慣れない物体が飛んでくる。
とっさに攻撃態勢をとるように、双剣を構える。


「あ、やっときた!」と姫様の声が後ろから聞こえる。


姫様が、手を伸ばし受け取ると飛んできた何かが、紙のになり丸くなっているのが見える。何だろうと思っていると?
リーヴスラシル君達が言っていた地図を元に式神を使って周辺を記録してただけだよ? そんなこれやったよみたいな簡単な言葉が返って来る。いつの間に、そんな事をしたのかが不明だが、あれだけの情報でそんな事が出来てしまうのが、やっぱり姫様なんだなと内心吃驚している。



「これはね、何百か飛ばして、途中で合流して結合していくと情報集めがまとまるようにしたんだけど? まさか上手くいくとは、思ってもみなかったよ―― だからうまく言って良かったかな?」


「それと、その行きたがっている場所も今も健在であるけど都市になっていて結構大きな場所みたいだけど大丈夫?」


ま、それだけ年月が過ぎて居る訳ですし、都市になっても不思議じゃないですわね。
それで、何て名前の都市とか解りますか?


アーティーウィル都市て言う名前だと言う事とそこには、王族と呼べる王様がその都市を治めているって、都市内で声が聞こえたのを上手く合成させたみたいだよ? 紙の内容を読む限りだとそんな情報かな?


それと、国に入る時に、何かしら身分を証明する為の証明書が必要みたいだけど?
僕達が持ってるギルドカードで問題ないみたいだから中に入るには、問題ないけど直ぐに出発するの?


出来れば直ぐに行きたいですけど、それなりに遠い場所だと記憶しているので、早くても私と姫様でも二日は、かかると思いますが、姫様が問題なければ直ぐに旅の準備しますけど?


「うーにゃ~」と謎の声が姫様から聞こえてくる。何か初めて聞いた言葉だが可愛らしい声だと言う事は、解るが何だろうと姫様をじっと見てしまう。


リーヴスラシル君に、僕は、直ぐに出発するのって聞いたと思うけど? たぶんだけど、リーヴスラシル君と僕の考えが少し違う感じなような気がしてきた。
直ぐにて言うのは、アーティーウィル都市に直ぐにいくけど大丈夫て事なんだけど、場所が解ったから地図見て強化魔法つかって行こうよて意味に捉えてる様に聞こえるけど全然違うからね?
「僕が、式神作って地図だけと情報を集めるだけの無能は、しないよ絶対に!」
勿論アーティファクトで作った転移結晶で、行くにつもりで決まってたんだけど?
もしかして、行動すると思ってた何て、何年も僕と付き合ってるだから解ると思ったけどまだまだだねと悪戯した子が騙したような笑顔を向けてくる姫様だった。


そう言えば、最近姫様の気配が消えたりする事が途中の旅中に何度かあったが、何かしらの修練をしているのかと思っていたが、まさかアーティファクトを作りながら実験しているなどとは、思っていなかったと内心思ってしまう。
それにしても手のひらには、それらしいアーティファクトが無いのが気になる。


「姫様に、聞いてもいいですか?」
「そのアーティファクトは、手に持って移動する物なのですか?」


「ん?」
「転移結晶の話だよね?」
「そうです」
「今回作ったアーティファクトは、今までにない規格外の物だから、これから説明すればきっとその謎の意味が解ると思うよ?」
「それに、後でドライアードちゃんが、おろおろしているから簡単に説明するね」


まず、さっき飛んできた紙の鳥は、式神と言って、僕が持ってるアクティブスキル内にあるスキルで、式神て言うのだけれどもそもそもそんあスキルは、無いのが現状であって、存在しないスキルなんだけど、僕がスキル創る魔法を持ってるから知識と今までの経験で作ったオリジナルスキルて事かな? だから知ってる人は誰も居ないのは、当たり前て事かな? それで、会話中に前から実験していたスキルだったから聞き乍らスキルを使って飛ばしているうちに、こそこそと二人が真剣に集中して話している間に、情報を集めていたて言う感じかな? それと転移結晶は、その飛んで行った鳥に、粒くらい小さい結晶を取り付けて都市のから少し離れた岩に少しずつ結晶を結合して作り上げたのが、転移場所だったりするだけど? まだ改良の余地があって、今だと入れ替わりみたいに、使うと向こうにある岩がここに置かれて、僕達がその場所に移動すると言う仕組みになってる予定なんだけどね。何度か試しに試験しているから失敗は、無いはずだけど? 最終的には、転生ゲートみたいなのが作れたら良いなと思ってるんだけど中々上手くいかないだよね……」
そんな訳で、二人とも理解できたかな?


「そんなに今って、簡単にスキルが出来る様な時代になったのが、私の中で初めての体験ですね」
「ま、姫様だから今頃なんだけどね」
「あれ、年齢的に、凄く若い女の子ですよね?」
「僕の事だよね?」
「今の歳は、七歳になったけど?」
「私が見てきた中で最年少の歳ですよ、七歳でこの森に来たと言う事が凄いです!」
「例えドッペルゲンガーの方と一緒にここまで来られていてもそんな無傷みたいな事はありえません!」
「姫様自体が、普通と言う枠に当てはまらないからある意味―― それに、吃驚するかもしれないけど、私より強いよ? 姫様は!」


「そうなのですか?」
「七歳で、そんなに強いと大変な努力があったのですか?」


「どうなんだろうか?」
「昔は、凄くやんちゃだった頃があったからだよ? たぶん?」
「私の姫様は、標準で考えない方がいいですよ?」
「ここの種族ありと言うくらいびっくりする家族ですから……」
「僕まだお爺ちゃん達に勝てないからまだまだ弱いと思ってるけど?」
「それに…… あ、そうだ!」
「聞けばいいだ!」
「何で今頃気づいたんだろう、うっかりしてたよ!」
「お爺ちゃんに、聞いてみるね」
僕は、ちょっと都市の情報と王様の事聞いてみるからと二人に伝えた後に、少し僕が静かになっててもきにしないでと言って集中する。


僕は、ダイトお爺ちゃんに、念話を飛ばすとなかなか出てくれない…… 数分するとやっと繋がる音が聞こえる。


「おぉぉ!」
「久しぶりじゃな? マリア元気か?」
「うん、凄く元気だよ?」
「僕の用事で、ダイトお爺ちゃんに念話飛ばすのは、いけないかなと思ってたけどいいかな?」
「何を言っておるのじゃ!」
「儂の可愛い孫じゃぞ?」
「全然気にしないし、逆に久々に声が聞けて嬉しいくらいじゃぞ?」
「今後何か気になる事とか考えが行き詰まったりしたらいつでもかけてくると良いぞ?」
凄い嬉しそうに話すダイトお爺ちゃんだった。


「それで、何を聞きたいのじゃ?」
「今ドライアードの森にいるだけどね?」
「ドライアードの森とは、少女がおるじゃろう?」
「ん?」
「ダイトお爺ちゃんどうして、少女が居るて知ってるの?」
「知ってるも何も、そこの森を作ったのは、儂がまだ若い頃に作ったからじゃぞ?」
「えぇぇぇぇ!?」
「そんな事ドライアードちゃん言ってなかったよ!」
「ドライアード?」
「その子て、少女じゃろう?」
「うん、そうだけど?」
「名前は、ドライアードちゃんだとずっと思ってたけど?」
「なるほど なるほど」
「名前は、ドライアードではないだよマリアよ?」
「そうなの?」
「森の年月が過ぎる前までは、妖精じゃが年齢が何百年以上経つと上級精霊となるんじゃが、そうか儂が作った頃の年数を考えると上級精霊になっていてもおかしくないか?」
「その上級精霊て、凄い事だよね?」
「凄いけど、名前を言わないで、ドライアードと言っていたて事は、何かあって警戒していたのかのぉ~」
「そう言えば、たぶん名前を聞く前に、ドライアードですねとリーヴスラシル君に聞いただけだった」
「名前の紹介した記憶がないやそう言えば……」
「うっかりしてたのじゃな、マリアらしいと言えばそうなるな?」
「そっか~」
「ま、本人から聞いた方がいいのじゃが、儂と知合いだと解る様に、名前を儂から教えておくぞ」
「ドライアードの名前じゃが、セイウッドとなずけたはずじゃぞ?」
「ダイトお爺ちゃんちょっと念話このままにしてて!」


僕は、念話をドライアードちゃんに送る。


「あれ、お話してたんじゃないの?」
「聞きたい事があって!」
「何でも聞いてよ?」
「セイウッドて名前の子知ってる?」
「え、何で私の名前知っているの?」
「名前言った覚えがないだけど?」
「もしかして、その今お話している人が、私を知っている事かな?」
「その前に、僕の名前を聞けばもしかしたら解るかもだから先に名乗らせて、『マリアンローズ・フォルト』て、僕の名前だけど心当たりあるかな?」


「えぇぇぇぇぇ!?」
「フォルト様の家族て事?」
「家族は、家族だけど、僕から見たらお爺ちゃんになるかな?」
「ま、二人で話をしているのもあれだから、念話をお爺ちゃんと繋げて、更に念話をリーヴスラシル君にも繋げて、四人で話をしようよ?」


念話を繋げて、四人に繋げるまで少し時間がかかる。


「ダイトお爺ちゃん聞こえる?」
「聞こえるが、人数増えたみたいじゃな?」


「あ、あぁぁぁ!」
「その懐かしい声は、『ダイトカイト・フォルト様』ですよね?」
「おや、久しいのぉ~」
「セイウッドじゃな?」
「はい!」
「昔と比べて元気でなによりじゃ!」


「リーヴスも孫を守ってくれて感謝じゃ」
「いえいえ、ダイトカイト様そんな事言わないで下さい」
「私にとって姫様は、守る事が私の楽しみであり生きがいなのですから……」
「お主もぶれないのぉ~」
「お褒めの言葉だとうけとります」


「二人とも凄く楽しそうなのは、解ったから話を戻すけど?」
「ダイトお爺ちゃんの頃で、旅をしている時に、丹漸の都に住んでいる柚華さんて知ってる?」
「知ってるも何も良く泊まった宿じゃよ?」
「それに、あの宿の柚華殿は、趣味で薬師をしておって、無償ではやり病などの薬を良く宿にきた客に配っておった事を覚えておるぞ」
「その方に、セイウッドちゃんが会いたがっているだけど?」
「街が都市に変わっていて、更に王族の王様が居る都市になってるだけど会えるかな?」
「普通に会う事は、今の時代じゃと難しいじゃろう」
「もしかして、街の人てもういないの?」
「マリアよそんな寂しい声で言わなくても大丈夫じゃよ?」
「お主達が会いたがっている柚華じゃが、無償で配っておった薬の事がきっかけで、旅の客とその街に住んでいた者達が、国の代表に選び確か最近になって、都市として誕生した事と柚華は、国のトップとなって、今は、王族の王様だった気がするが?」
「確かに、それだと普通に会えないけど……」
「ん?」
「マリア達は、その子に逢いたいのか?」
「私と言うか、セイウッドちゃんが逢いたがっているだよね」
「それで、僕達が代わりに会いに行こうと思っているだけど?」
「セイウッドちゃんは、森から離れられない事が解ってるから変わりの人形を持って行こうと思うだけど、どうすれば会えるかな?」
「儂が紹介状書けば会えるじゃろうが……」
「そこまでの森に魔法で届けるとしても二~三日は、かかると思うがそれでもよいか?」
「ダイトお爺ちゃんその問題は、解決出来るスキルがあるから問題ないけど?」
「なら紹介状の方は、書いたら直ぐに念話を送るからこのまま繋げておくぞ」











「でもびっくりしましたまさかカイト様のお孫さんだったとは、それならそのお歳でいても納得ですね」
「だから先ほどこの家族ならと言っていた謎が解けたと思うが?」
「そうですね、あの方の血を受け継いでいるのでしたら解る気がします!」
「それよりもダイトお爺ちゃんが、まさかセイウッドちゃんの親だなんておもいもしませんでしたよ!」
「あ、ちょっと笑顔で、ダイトパパ有難うて言って頂けますか?」
「へ?」
「えっと、ダイトパパ私を育ててくれて有難う御座います」と笑顔で話す内容をしっかりと撮影する。それをダイトお爺ちゃんのロリ―お姉さんにこっそりと送ってみた。


さてと、まっている間なにしてますか?
「そうですね、私の過去についてお話でもしましょうか?」
「ダイトお爺ちゃんとの出会いですか?」
「そうですね」と嬉しそうに語り始める。

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