無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第273話 二人の出会い【クエスト【火山艇空編:討伐狩り③】】

目的だった討伐も落ち着き、ロリーと穂樺がいる下まで降りる。


二人は、姉妹の様に、真っ赤な月華草(るなかそう)を冠様に結んで頭の上に乗せて微笑んでる所が見える。見ていてとても良い物が見れたと内心思いながら近づいてくと視線に気づいたのか、ロリーが笑顔で手を振っているのが見える。ゆっくりと進み討伐が終わった事を告げると? やっぱりそうだったのですねとロリーから返事が返ってくる。それで、倒した敵が敵なだけ入る経験値は、かなりの量だったらしく一時期気を失い穂樺が膝枕すると言う事もあったと聞いた。まさかそんなに上がるとは思っていなかったが、本人に聞いてみると70レベルが一気に上がったらしく身体がそれに対応出来ず気絶してしまい気づいた時には、凄く自分じゃない感覚だったと穂樺に抱き着いて話をしていた所に視線が感じられて、今に至ると言う訳だった。


こうして、討伐は、どちらも終わったので、穂樺の住む夢閻神界(むえんしんかい)の森に向かう事になる。


穂樺は、元の姿に戻り儂らとロリーを乗せて、行く時よりもかなり早く向かうのだった。


その間落とされないように、儂が膝を組んで胡坐をかいた状態の上に椅子に座る様に、ロリーがゆっくりと腰をかける。初めは、凄く抵抗していたが慣れるにつれて寄りかかったままぐっすりと眠り始める。儂は、友人の無事を願いながら進む景色を堪能している。すると左の片輪が段差のある道で、はまっているのが見える。ゆっくりと穂樺を近づけていくと? 中から商人らしき男が穂樺をみてモンスターと勘違いをするが、上をみたら儂らが乗っている事に気付き落ち着きを取り戻すのだった。


ロリーは、疲れている様子で、起きないので、起こすのも可哀想だと思い遮断する魔法をかけてそのまま寝かせる。儂は、地面に下りて事情を聴くと? 盗賊に追われて、急いで逃げてきたと商人が語り始めるが、儂は、荷物を見つめて鑑定スキルを発動させると種族は、違うが子供らしき者が檻に入っているの鑑定した結果に出た。儂は、この男が嘘を言っている事に気付き少し痛い目を見てもらう事を決心する。


「商人よ、その盗賊は、山から出てきたのかそれとも海から出てきたのか?」


「山から大量に、丸太を転がしてきました」


「道中海でも海賊に襲われて、何とか逃げ切ってきたのですが、まさかここの段差で、動けなくなり……」


「そうか、助ける事は、可能じゃが?」


「儂の質問に答えて欲しい事があるのじゃが?」


「何でしょうか?」


「お主の国は、サルカ大帝国じゃないか?」


「ち、違いますよ!」


「そうか、ならその馬車についている模様なのじゃが、勝手に使用して、他の国に行こうとしていると言う訳か?」


「馬車に模様などついてませんが、何を言っているのですか?」


「車輪の真ん中に、模様があるのが解るのか? そもそも国事に、馬車を持つ際は、その国々の模様がつけられるはずなのじゃが、何故お主がそれを知らないとは、可笑しいじゃろう? そもそもお主は、商人と自分でも名乗った訳なのだから……」


「その馬車どこで、盗んできたのじゃ?」


「それと荷物は、物といっとたが、あれは、者じゃな?」


「そして、御主は、犯罪集団の奴隷商人じゃろう?」


「…………」


「な、何故解った!」


「まず一つは、この辺に、海賊にしろ盗賊にしろこの辺では、絶対にいないものじゃからな?」


「その時点で、お主の嘘が解っていたのと――」


「鑑定スキルで、中の荷物を調べさせてもらったら、種族別の子供達が、鎖で縛られている事が解ったと言う二点じゃな?」


「ちなみに、言っておくが、そのお主が乗っている馬車は、サルカ大帝国と儂が言ったが、そこの一番犯罪で、やっては、行けない事は、他種族の奴隷狩りじゃよ?」


「奴隷を無償に、買取が出来る所は、裏組織にカースドルンベル商会くらいじゃったかな?」


「お主そこに、入る為に……法を犯したな?」


「それとこの辺は、ドラゴン系の巣とも呼ばれている場所で、立ち入り禁止宙域と言われており、冒険者のみが入れるとなっている場所に、不審にも馬車が停まっていたら不思議に思うじゃろう?」


「本当に、人間とは、欲が深く頭の悪い生き物じゃな?」


「お、お前だって、あそこに寝ている女の子だって、人間だろう……」


「そして、冒険者で、狩りして手に入れた乗り物の狼だろうさ!」


「お主の答えは、全てが間違っている」


「儂がいつ人間と言った?」


「種族は、言わないが、人間ではないぞ?」


「それとこの狼は、儂の知合いの孫じゃ!」


「狩りで、縛っているわけじゃないわ!」


「この愚者が!」


「お主は、罰として、火山艇空へ飛ばしてやる、転移魔法発動!」


「消えろ――」


生きて帰って来れたら、それがつぐないじゃよ……そん独り言を呟くのだった。

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