第258話　二人の出会い【冒険者との出会い⑦】

セツさんが、ボールを半分に切ったような蓋を乗せて持ってくる。触ってみるとかなり冷えているような感じがする。


これは、氷系の魔法かなと思いながら聞いてみる。


「これって、水と風の魔法の複合ですか？」


「いや、儂は、魔法は、使っておらんぞ？」


「えっ！」


「こんなに冷えているのに、魔法じゃないて？」


「ロリーは、アンティークと言う物を知っておるか？」


「アンティーク？」


「初めて聞いた言葉です」


「ダンジョンとか一般にも作られたり、王族や貴族達が欲しがると言う物じゃよ？」


「魔法が仕えない者でも使えると考えると何か見えるぞ？」


「そんな便利な物が、あるですか！」


「セツが持ってきた物は、冷す為だけのアンティークで、冷蔵庫と言われる物だ」


「それって、一般的にある物ですか？」


「ないのが、普通かも知れんが、儂は、昔は、冒険者だったからその時代に、手に入れた物だな」


「ちなみに、その冷蔵庫とやらをもし王族か貴族に売れば、白金二千枚は、最低でも出る代物じゃよ？」


「白金て、何ですか？」


「ロリーは、白金と言うのを見た事がないのか？」


「金貨千枚に対して、交換出来るのが、白金と呼べるお金じゃよ？」


「き……金貨……千枚て……」


「ま、そんな訳で、冒険した時に手に入れた物だし、今だと思いれある品だから売る気もないかな？」


「凄い文明に出会えた気がします、今日一日で驚きがいっぱいで、凄く楽しいです」と満面な笑顔をする少女を見て二人は、良い子じゃなと確信している。


それよりも冷えているうちに食べるのが美味しい物だからと蓋をとり銀のお皿に、丸い円で出来ていて厚みのある食べ物が出てくる。凄い香りが良い匂が部屋中に広がる。


セツさんは、綺麗に切り取りお皿に盛りつけて下さる。その上に、ダイトさんが瓶をだして、ドロドロと濃厚な蜜を円を描くように周りに垂らして、最後に、白いの場所に、かけると一つの絵が完成されるのだった。


「これは、レアチーズケーキと言って、そのままたべるとチーズの濃厚な味が口の中で溶けるように、広がるから一口目は、ソースなしで食べてごらん？」


「初めて食べる料理に興味津々だったが、一口目小さなスプーンに乗せて、口に入れると？」


濃厚なレアチーズケーキが口の中で広がり、味がスッキリしたと思えば、口から一瞬にして溶けて消えていく感じがして、かなり新鮮でおいすぎます！


「今度は、その蜜と絡めて食べてみるとよいぞ？」


言われるがままに、チーズをすくって、蜜と絡めるようにして、口の中に入れてみる――


甘い蜜の味が、口いっぱいにひろがりつつも、リンゴの味と香りが、鼻孔から漏れる感じで、食べている部屋中が甘い香りになる。


「これは、凄い味でもあり、こんな凄い食べ方があるですね！」


「お主をみていると、とてももてなした側の気持ちがとても良く感じる」


「これから旅で付合いが長くなるだろうが、色々と味を覚えて満足いくまで勉強でもするがよい」


「それに、食べ終わったら少し休憩をしてからギルドに、パーティー申請をしに行くぞ？」


私は、気持ちがゆっくりした感覚になりながら笑顔で返事を返す。


「はい、これからも宜しくです！」


そして、休憩が終わり、建物から出ると？


先ほどの古ぼけた店では無くて、立派な建物が見える。


「あれ、建物が違う？」


「そうじゃな、この建物がお主を気に入ったのじゃよ？」


「それによって見えてくる物もこの世には、あるので旅中にでもなれるじゃろう」


「これからの旅が、とてもたのしみでしかたなかった」


そして、ギルドがある方へとダイトさんと歩いて向かうのだった。