第230話　絆と約束【魔王討伐【前編】】

魔王城から五十キロ程離れた森の一角…広い芝生の様な草が生えた場所へと全員が転移される。


ここはどこだと皆が言いあうが、僕の方から簡単な説明を念話にて説明する。


ハクお兄ちゃんに頼んで、戦える場所を提供してもらい少し開拓した場所だと伝える。


ハクお兄ちゃんのお母様は、居ないけど？


やっぱり同窓会みたいに、会わないと駄目かなと思って、僕は…召喚魔法を使用する。


遍く光の罰則よ、神々を恨みし者同士――


ここに汝の願いを共にする事を誓い申す――


印の申し子叶えし涙…天に召しませ心の闇を――


宴を喜び私欲に狩られた罪人よ心撃つしき者共よ――


汝の鉄槌を砕く鎖と生りて、祝福を齎す悪しき者共よ――


此処に、現れし者達を…印罰する言葉を此処に願いし祀ろ神を――


「召喚せよ、『イモーァタルエンペラー・ルシファー』」


「えっ？」


「ルシファーだけじゃないの！」と皆の驚きの声が聞こえる。


どうやら本人も自覚なくルシファーと呼んでいたらしく、教える名前もそれで違和感がなかったらしい――


僕が何故その名前を知っているかと言うと、召喚を登録した際に、脳内に全ての情報が入って来た事で、本当の名前が解った事を皆に伝える。それもこれから戦うサタンにさえも教えている自分がそこに居る。


何故そもそもルシファーと呼んで呼ばれていたかと言うと、堕天使になった際に、記憶が欠如してしまった事で、名前がルシファーだけが残りそれで今に至ると僕が語る。





「よっ！！」


「お前達久しい奴ばかり揃っておるな？」


「馬鹿息子ぽいガキがいるのじゃが、まさかな……」


「寝心地良く眠っている所を起しやがって、何の様だと思ったらサタンがいるじゃねぇか！」


「お前も封印から解放されたて事かよ？」


「ん？」


「僕子のマスターになったマリアちゃんじゃないか～」


「現実で見ると可愛いのと？」


「隣の子も美少女じゃが、どこかでおおた事があるのじゃが…思い出せぬ」


「ま、良いか」


「呼ばれた事だし、本気での戦いをするぞ！」


「魔王サタンよ！」




「確かに、珍しいメンバーだな？」


「我の奥さんとお前の所の奥さんが揃えば、過去の冒険パーティーメンバーだな？」


「奥さんは、どうしたんだ？」


「うるせぇ～よ！」


「息子にも話せてねぇ～事をここでぐだぐだ言うわけは、ねぇ～だよ！」


「訳アリか？」


「だから言わねぇ～て言ってるだろう！」


「さっさと俺の御主人様の配下にしてやるぜぇ～」


「お主の主人とは、そこに居る狐族の娘か？」


「お前も地に落ちたものだな？」


「そんなガキに、落とされるとは……笑いが止まらないわ！」




「てめぇ～！壊すぞ儂が！」「私の娘を馬鹿にした事を万死に値する！」「姫様を馬鹿にする貴様を我は、許さぬぞ！」


「三人の子供達が何をたわげた事をぬかしよる！」


「お前こそガキだぞサタンよ？」


「こんな姿じゃが、ダイトカイトと言う名前は、憶えておらんか？」


「ダイトカイト校長？」


「俺らが学生時代の校長の名前だが、それがどうしっていうだ？」


「儂が、ダイトカイト・フォルト初代フィルト家の一代目じゃよ？」


「見た目は、ちと訳ありで、少年時代に戻ってしまったが、この覇気を浴びても子供と言えるか？　サタンよ？」


「確かに、子供にしては、すげぇ～　覇気が感じるが、校長に会えるなんて、本当に、懐かしいメンバー全員集合て事かな？」


「するとさっき吠えていた、女は、娘とか言っていたが？」


「そうよ！」


「マリアは、私の娘よ！」


「二番目の子供の…マリアンローズ・フォルトよ、そして私の名前は、スノーラビットて覚えないかしら？」


「あぁ～知ってる…ジャンヌが良く可愛い子が、ルシファーの子供と一緒に冒険者をしていると言われた子供がお主と同じ名前だった気がするが、そうかお主がか……」


「ジャンヌさんは、私の憧れの冒険者です！」


「ジャンヌが聞いたらさぞ喜びそうじゃが…ふぅ～」


「それでもう一人のガキは、主従関係の者か？」


「我は、姫様を守る騎士のリーヴスラシルだぁぁ！」


「聞いた事が無い名前じゃが、名前にしては、良い意味を持つ名前じゃな？」


「生命力自らを維持する者とは、珍しい意味を持つ者よ？」


「貴様らに、子ども扱いされるのは、不服でたまらないな？」


「お主の過去と貴様の嫁のジャンヌとやらは、しっておるぞ！」


「氷期正門汽水ダンジョンの配下層で、アバロンと言う名の者を知っているか？」


「アボロンとは、懐かしい名前の上に、懐かしいく…壊れたダンジョンのマスターじゃったかな？」


「そうだ！　サタンとジャンヌが初めてのデート場所に使ったダンジョンで、アバロンを倒したのがお主らだと言う事も知っておる」


「そうか…そうか…あの頃より更に前から生きている者とは、これは、失礼したぞ」






「それより、サタン君…早くここ終わらせて、国に戻って、問題解決させてよ？」


「そうじゃった、息子の嫁でもあるヒメちゃんの言葉を忘れる所じゃったよ？」


「さっさと、蹴りをつけてから皆で、宴しながら話を聞こうじゃないか！」


「封印されていた事で、我の意識も後数分で、我のいう事を無視して本来の魔王サタンとして戦うだろうから……」


「儂が喋れるうちに、何かしろしないと駄目かと思うがな？」


そんな話題を永遠と話ながらのバタバタした中で、魔王サタンと戦うのだった。