無邪気な少女の異世界冒険記

敷島楓

第214話 祖国への帰還【あの日見た事私の心まで・・・】

「きっと……ハクは、過去の記憶は、覚えていないじゃろうな…何せ私が封印者なのだから……」


あれは、キラオズマイラ帝国が出来て、十年記念の日…私は、当時の仲間であるジャンヌに呼ばれて城に来ていた。当時の紹介で来ることになったが、周りの視線に押しつぶされてしまいそうになり、一時的に、外へと散歩にでたのじゃった。その夜は、とても良い月の光が辺りの薔薇園を綺麗に照らしていた……そして、フラフラとお酒の入った私は、酔ってる状態ぶらついている。


月の光が一番降り注ぐ場所に、木で出来た机と椅子がある事に気づく…近寄ってみると一瞬ジャンヌの小さい頃に似た子供が気持ちよさそうに眠っている。それを見た私は、この子がキラオズマイラの本当の当主なのだと実感する。簡単に鑑定スキルで中身を見る事に成功し、今後伸びる事が解ったがある一部の内容に疑問をいだいた…固有スキルに魔鬼羅刹(まっきらせつ)と言うのを見かけた。


普通は、その能力が見えないのだが、私の一族の力は、不思議な物で内容の意味が表示される。


魔鬼羅刹(まっきらせつ)とは、最悪の魔王になり…この世中全てを白と黒の二色に変えてしまう事が出来る力を持つ者と書かれている。


一度暴走してしまうと奇跡か切っ掛けがないと壊し続けると言う事が書かれている。過去に二度変身をしてしまい…父親と母親によって、何重にも重なる封印魔法をかけていたらしいが、生憎封印にもほころびがあってしまい…一度目の時は、阻止できたのだろうが、二回目以降は、ほころびによって、封印が解除されてしまう。


原因と呼べることは、一つだった。この世界で、愛して下さるジャンヌお母様に何もないなら私は、普通のこの監獄の様な生活でも十分だった……と本人の心の中から伺える。


そして、少年は…気づいた――


「そこに誰がいるの?」


「私が過去に出会った事がないくらい強く感じますね…どちら様ですか?」


「すみません、本日こちらに呼ばれた元冒険者仲間の者です」


「私と同い年かと思ったけど、違いますよね?」


「違いますね、種族的、な関係で見た目は若いのですが、中身は、貴女のお母様と近い年齢ですね……」


「それにしても君は、何故向こうで参加しないの?」


「私は、生まれて来てはいけない禁断の子供と言われていて、こんな時にしか外で遊ぶ事も出来ずにただひたすら、部屋の整理とか眠る生活とかしていないし、文字と計算くらいは、覚えていましたが、知識が低いせいで、その上が目指せそうにないです」と私は、この子の口から聞いた時にそれは無いよとしか言えませんでした。


そんなある日まだ滞在中に、何やら叫び声が聞こえてきます…急ぎ足で、悲鳴が聞こえた方に行くと? なんとジャンヌがロープで縛られているのが見える…私の親友である子が何故か扱いが悪い事と今回の出来事で、心の底からこの国は、腐っているぞと私の心のアラームが鳴り響く――


急いで助けに向かおうとしていると? 草の影から昨日の少年が顔をだして、現状を把握したような顔をしている……何だろうさっきから寒気がとまらないほど一気に温度が下がる事が解る。あの少年がやったのだろうと直ぐに解った。


「お前ら?」


「私のお母様に何をしている?」


「あっ?」


「お前の母さんだって事は、檻の中で生活しているのがお前(がき)なんだな?」


「私の事は、いいからお母様を離せ――」


「やっぱり見た目と違って、一応俺らの親父と血が繋がってるだけあって、覇気がだせるだな?」


「それもそんなに、小さい子供が何しに来たと言うのか?」


「お母様を解放して下さい…その役目は、私が引き受けるので、どうか辞めて頂けませんか?」


「この元冒険者のはずなんだが、こんな俺らに負けるような大人がいてたまるか!」


「俺達のお母様の方が貴族的に地位が高いのに、親父が良く遊びに行くのが何故かお前の母親で、俺達のお母様は、かなり機嫌が悪くて俺達にもその嫌な事があるとあたるだよ?」


「だから――」


「ここで、少し弱らせてから外に連れ出して、モンスータの所に、着ぐるみをはいだ状態で放置しようと思っていたが、まさか子供が出てくるとは、予想外の出来事だったぜ!」


「それならお前だけなんて可哀想だから、母親とお前とで、一緒に夜盗にでも襲われた事にして、俺らの気分ばらしに付き合って貰う……」


「私は、そいつらより高く飛びお母様の所へと向かうと後ろから右脇腹に、貫通するような矢が刺される」


後ろを振り向くと、貴族の子供がファイ―ランスを放っているのが見えるが、避けるのとお母様の所に行く事が出来るのか、何度か避けるが当たる時はかなりダメージを受けてしまい先ほどの様な動きが出来なくなってきている。


何とかお母様の所にたどり着けて、癒しの魔法で、身体を癒しながら寝息が出るまでゆっくりと傍にいる。その間も何か所に魔法が食らうが、お母様に当たらないように、無事に守り続ける。


私は、この状況から脱会策を練りながら、結界魔法をお母様に使い…彼らの所へと向かう――


向かえば向かうほどに、火属性の魔法が私に当たるか、そのまま地面に突き刺さる。私が攻撃してこない事が解ると拘束魔法で縛られて、ボコボコに殴られて、歯が何本か抜けたり、血だらけになったりする事も五時間も拷問受けていれば当たり前だった。


その光景を見た私は、行かなきゃあの子が死んでしまう…私の親友の子供がと心に響き渡なんとか意志を持ってその子供達の所へと向かう――


「貴男達いい加減にしなさい!」


「お前誰だ?」


「貴男達の知合いですけど何か文句があるのかしら?」


「文句も何も俺らより子供のお前が、ここに助っ人とは、笑える冗談だよな?」


「この後貴男達のお父さんに、報告しておきます」


「お、お前は、親父の知合いなのか?」


「先程言ったはずだと思いましたが?」


「男二人で、あの子供を捕らえればなんとかなるかも……」と声がこっちまで聞こえる。


「貴男達は、最低な貴族ね、覚悟してよね?」


「お前に何が出来るて言うだよ?」


「それに、もうお前は、捕らえられている事に気づいているのか?」


「えっ?」


後ろから黒い鎖が身体を巻き付きながら縛っていく―― 思いっきりもがいているが、まったく動かない……


「お前さっきのいせいはどうしたの?」と下の子供が大笑いになり大変な事になると告げる――


「お前達いい加減に、知ろよな?」


後から禍々しい黒い霧を覆った少年がゆっくりと立ち上がる。地面を歩く事に、地面の生き物は、生命を奪われて枯れると言う現状が今実際に目の前で起こっている。


「なんだそのかっこは?」


「やっぱり噂は、本当だったのだな?」


「黒くなるとお母様達から言われていたが、これがそうなのか?」


試しにと二キロ分の花火が飛んでくる―― 私は、少年めがけて飛んでくるのを排除しようと魔法を使おうとすると、私の魔力が三分の二程なくなって気づいた――


あの少年は、周りにある魔力や自然エネルギーを吸収していまの状態を起こしている―― このままいけば何も無い物になってしまう。


少年達は、花火を上手く使い攻撃になるが……まったくもって当たったら枯れた落ち葉の様に崩れていく――


そして、少年たちが魔法を使う時に気づくのが遅れたのが過ちだった。数万本と花火を当たるようにみえるが、実際には、画面が表示されなくても経験で反応するのだろうねと熱く語れば語るほど少年は、変貌していく――


二人の少年が、合体魔法を使おうと呪文を唱えるも全く魔力が発生しない……


それは、ある意味滑稽な状態だった…それでも何度も呪文を唱えている姿を見て……


この子達は、最後の結末になるのかな? と内心思っていると? 念話が飛んでくる…ヒメちゃん助けに入ってくれて有難う……この状況は、旦那様に伝えたからあの子達は、多少の処罰を受けるはずだけど……


「ジャンヌちゃん少し聞いていいかな?」


「どうしたの?」


「私の固有魔法で、貴男の子供を一時的に何もかも失ってしまうけどそれでもいいなら助けられるけど…どうする?」


「ごめんね、今日は、久々に楽しく遊ぼうと思っていたんだけど、まさかこんな事になるなんて思ってなかったから……」


「それより、あの悪戯のガキらは、どうするの?」


「私が、転移魔法使うからそれで自分達の部屋に戻ってもらう…」


「そして、消えたらヒメちゃんと私の息子のハクを転移で、貴女の研究所へと送るわよ?」


「そっちで良かった」


「こんなにバタバタしちゃったけど、貴女の息子一時的に預かるわね」


「そのまま息子を貰ってもいいけどね、私的には、ヒメちゃんがお嫁さんでくるなら嬉しいけどね……」


体力も魔力もあまりない状態なのに、ジャンヌは、私に話しかける。


「それじゃ~」


「貴男の息子ハク君だったかな?」


「一緒に、私の山奥の研究所に来てもらうよ?」


黒くなっている少年を摑み…合図を送ると一瞬にして、研究所に飛ばされる。最高の捕縛魔法札を使い…少年の動きを止める事で、動きが止まり止まった状態が数分経つと少年は、崩れる様に床に倒れる。


拘束して、最強の封印の牢屋に入れて今日は、過ごしてもらう。


これが、ハクと言う少年の出会いだった。

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