運命には抗えない
外伝 成人の儀
成人式に因んで作ってみました!
どうぞご愛読下さい!
実は作者、今年の成人式に参列致しますよ!
これは未来、若しくは過去。あるいは全く異なる次元の話。
「ん、、、」
部屋に差し込む朝日に照らされながら目を覚ましたのは白い髪を長く伸ばした少女だった。
「今日も良い天気」
部屋の窓を開けながら呟く彼女。そんな彼女の部屋まで聞こえる、正しくは聞こえるように響く声があった。
「ねぇ、そろそろ起きなさーい!」
「分かってるよー」
寝間着のまま部屋を出た彼女が向かったのは居間だ。
「おはよー」
「おう、おはようさん」
「あー、やっと起きてきた。今日が何の日か分かってるの?」
朝の挨拶を言った彼女に言葉を返したのは二人、彼女の両親だった。
「大丈夫。それより早く朝ごはん頂戴?もえお腹ぺこぺこだよー」
「もう、貴女も今日で成人するのよ?それにもう出来てるから席に付きなさい。パパもいつまでも新聞読んでないの」
「むう」
何一つ変わらぬ日常。そう思うほど平和なのだ。
されど変化することを自覚することもある。子供の成長がその一つだ。
暫くして朝食を終えた少女は母親と共にある建物へ向かった。その建物とは、
「あらいらっしゃい、今日から大人の仲間入りね」
ふふっと笑いながら接客する店員。その人の手に持っているものはというと服、もっと厳密に言うならば着物である。そう、この建物は着付けの専門店だ。
「そうよ。記念すべき日だから可愛くお願いよ?」
「まあ、お姉さんの責任重大ですね」
この日ばかりはお客さんの尊大な振る舞いも許すのだった。
やがて着付けもおわり成人の儀の会場にて。
「皆様どうもお集まり頂きました。本日の進行を務めさせて頂く者です」
それからありきたりな言葉を連ねとうとう本題に入った。
「本日はお集まり頂きました46名の皆様がお受けなさる試練が御座います」
この言葉を聞いてから成人の儀に参列する人達の目が変わった。
「既に知っておられるかと存じますが、改めて御説明させていただきます。皆様にはこれよりこちらの剣を持っていただき、この竹を斬ってもらいます。尚、竹を斬る際は危険ですので斬る人以外は近づかぬようお願い申し上げます」
竹を斬る。これは言葉で言うほど簡単なことではない。だが、成人の儀においてはそれは違う。
なぜなら、新成人達はこの日のために日々練習を繰り返してきた。更には毎度これに使われる竹は普通の竹より柔らかい素材で構成されているためである。
斬れぬ道理はない。斬れて当然なのである。しかし、今回は特別だった。
「「「おぉぉ」」」
成人の儀を周りから見ている人達から感嘆の声が出る程に。その正体は白髪の少女だった。
彼女の振る剣は鋭く空気を斬る音がした後何の音も立てず竹を斬り裂いた。
ーー彼女には剣の才能がある。
誰もがそう思った瞬間であろう。
、、、あるいは彼女がヴァルキリーと呼ばれる運命から逃れられないことを意味していたのかもしれない。
どうぞご愛読下さい!
実は作者、今年の成人式に参列致しますよ!
これは未来、若しくは過去。あるいは全く異なる次元の話。
「ん、、、」
部屋に差し込む朝日に照らされながら目を覚ましたのは白い髪を長く伸ばした少女だった。
「今日も良い天気」
部屋の窓を開けながら呟く彼女。そんな彼女の部屋まで聞こえる、正しくは聞こえるように響く声があった。
「ねぇ、そろそろ起きなさーい!」
「分かってるよー」
寝間着のまま部屋を出た彼女が向かったのは居間だ。
「おはよー」
「おう、おはようさん」
「あー、やっと起きてきた。今日が何の日か分かってるの?」
朝の挨拶を言った彼女に言葉を返したのは二人、彼女の両親だった。
「大丈夫。それより早く朝ごはん頂戴?もえお腹ぺこぺこだよー」
「もう、貴女も今日で成人するのよ?それにもう出来てるから席に付きなさい。パパもいつまでも新聞読んでないの」
「むう」
何一つ変わらぬ日常。そう思うほど平和なのだ。
されど変化することを自覚することもある。子供の成長がその一つだ。
暫くして朝食を終えた少女は母親と共にある建物へ向かった。その建物とは、
「あらいらっしゃい、今日から大人の仲間入りね」
ふふっと笑いながら接客する店員。その人の手に持っているものはというと服、もっと厳密に言うならば着物である。そう、この建物は着付けの専門店だ。
「そうよ。記念すべき日だから可愛くお願いよ?」
「まあ、お姉さんの責任重大ですね」
この日ばかりはお客さんの尊大な振る舞いも許すのだった。
やがて着付けもおわり成人の儀の会場にて。
「皆様どうもお集まり頂きました。本日の進行を務めさせて頂く者です」
それからありきたりな言葉を連ねとうとう本題に入った。
「本日はお集まり頂きました46名の皆様がお受けなさる試練が御座います」
この言葉を聞いてから成人の儀に参列する人達の目が変わった。
「既に知っておられるかと存じますが、改めて御説明させていただきます。皆様にはこれよりこちらの剣を持っていただき、この竹を斬ってもらいます。尚、竹を斬る際は危険ですので斬る人以外は近づかぬようお願い申し上げます」
竹を斬る。これは言葉で言うほど簡単なことではない。だが、成人の儀においてはそれは違う。
なぜなら、新成人達はこの日のために日々練習を繰り返してきた。更には毎度これに使われる竹は普通の竹より柔らかい素材で構成されているためである。
斬れぬ道理はない。斬れて当然なのである。しかし、今回は特別だった。
「「「おぉぉ」」」
成人の儀を周りから見ている人達から感嘆の声が出る程に。その正体は白髪の少女だった。
彼女の振る剣は鋭く空気を斬る音がした後何の音も立てず竹を斬り裂いた。
ーー彼女には剣の才能がある。
誰もがそう思った瞬間であろう。
、、、あるいは彼女がヴァルキリーと呼ばれる運命から逃れられないことを意味していたのかもしれない。
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