運命には抗えない
ep.if 11話 暗躍する科学者
ドンという鈍い音と同時に零達は状況が変化していることに気づいた。
まず、殺される寸前出会った英樹が生きていることと彼を片手で支えている人間が先程までと違うこと。そして、音がした方向を見ると英樹を人質に取っていた落星が倒れていること。
「え、、、」
零はどうしていいか分からず声を漏らすばかりだった。だが、彼と違い目の前の人間が無害であることを知っている優希は一目散に父の元へ向かった。
彼女が近づいているのを知ったその人物は自らの抱える人を預けた。
「ありがとう、助けてくれて」
「お互い様っていうものだ。それより早く安全な場所まで運んであげるといい」
「うん、そうする」
そうして彼女はこの場から離れた。
「そこにいる君も彼女のそばにいてあげるといい」
多少の警戒はあるもののえいを助けた事を考え信用すると決めた零は彼の指示に従った。
こうして2人きりになった後最初に話し始めたのは落星だった。
「どうして、戻ってきた、、、。お前では、俺を殺せない。、、、分かって、いるだろう」
「さて、どうだか。さっきも言った、一対一なら勝てると。それに今兄さんは虫の息じゃないのか?」
彼の言う通り落星は既に死に際をさ迷っている状態だ。今の彼ならば例え訓練を受けていない人間でも容易に拘束出来るだろう。
「、、、投降しろ。そうすれば命は取らない」
「はっ!まるで絵に書いたようなあまさだな。いいか、俺は絶対に投降しない。例え拘束して牢にぶち込まれようとも必ず脱獄し同じことを繰り返す。今ここでお前が殺さなければ後悔するだろう」
まるで以前から考えていたように長々と語り続けた。
「今殺さなければ世間に愚か者として扱われ、今殺せば後世に永遠にその名を残すだろう。そう、偉大なる革命家として誰もが勇者として知れ渡る存在になれる。欠陥などと言われることも無くなるのだ。これほど素晴らしいことはない!」
「下らない」
「は?」
あまりに饒舌な語りに嫌気の刺した抗命は結論を言い渡した。
「勇者なんて称号は要らない。再び兄さんが悪事を起こそうとすればその前に必ず止める。だから、、、今は拘束させてもらう」
「「「これじゃあ茶番だね」」」
「なっ」
ーーバアァァン!!
いつの間にか近寄っていた何者かによって抗命の四方八方は爆破された。いや爆破されたと言うと語弊があるかもしれない。
所謂スタングレネードと言われるものによって彼の視界と聴覚を奪われたのだ。
「全く困るねぇ、勝手に自虐的になってもらっては」
無論視界と聴覚を奪われたのは落星も同じでその声を聞くものとはつまり、その場を爆破した張本人だ。
「まあこの時のためにスタングレネード版のクローンを作っておいて正解でしたね。実物は嵩張ってダメだ、効率的じゃない。」
その張本人とは探索隊随一の脳を誇るサイ・エンサーだった。彼は大量に所持している自分のクローンを使っていたのだ。
「あなたは大事な贄だ、ここでこんなモノを相手に失う訳にはいかないのだよ」
意味深な言葉を残しながら彼は落星をクローンの一体に持たせどこかへ行ってしまった。
恐らく次回で前半戦終了かなと思います。
まず、殺される寸前出会った英樹が生きていることと彼を片手で支えている人間が先程までと違うこと。そして、音がした方向を見ると英樹を人質に取っていた落星が倒れていること。
「え、、、」
零はどうしていいか分からず声を漏らすばかりだった。だが、彼と違い目の前の人間が無害であることを知っている優希は一目散に父の元へ向かった。
彼女が近づいているのを知ったその人物は自らの抱える人を預けた。
「ありがとう、助けてくれて」
「お互い様っていうものだ。それより早く安全な場所まで運んであげるといい」
「うん、そうする」
そうして彼女はこの場から離れた。
「そこにいる君も彼女のそばにいてあげるといい」
多少の警戒はあるもののえいを助けた事を考え信用すると決めた零は彼の指示に従った。
こうして2人きりになった後最初に話し始めたのは落星だった。
「どうして、戻ってきた、、、。お前では、俺を殺せない。、、、分かって、いるだろう」
「さて、どうだか。さっきも言った、一対一なら勝てると。それに今兄さんは虫の息じゃないのか?」
彼の言う通り落星は既に死に際をさ迷っている状態だ。今の彼ならば例え訓練を受けていない人間でも容易に拘束出来るだろう。
「、、、投降しろ。そうすれば命は取らない」
「はっ!まるで絵に書いたようなあまさだな。いいか、俺は絶対に投降しない。例え拘束して牢にぶち込まれようとも必ず脱獄し同じことを繰り返す。今ここでお前が殺さなければ後悔するだろう」
まるで以前から考えていたように長々と語り続けた。
「今殺さなければ世間に愚か者として扱われ、今殺せば後世に永遠にその名を残すだろう。そう、偉大なる革命家として誰もが勇者として知れ渡る存在になれる。欠陥などと言われることも無くなるのだ。これほど素晴らしいことはない!」
「下らない」
「は?」
あまりに饒舌な語りに嫌気の刺した抗命は結論を言い渡した。
「勇者なんて称号は要らない。再び兄さんが悪事を起こそうとすればその前に必ず止める。だから、、、今は拘束させてもらう」
「「「これじゃあ茶番だね」」」
「なっ」
ーーバアァァン!!
いつの間にか近寄っていた何者かによって抗命の四方八方は爆破された。いや爆破されたと言うと語弊があるかもしれない。
所謂スタングレネードと言われるものによって彼の視界と聴覚を奪われたのだ。
「全く困るねぇ、勝手に自虐的になってもらっては」
無論視界と聴覚を奪われたのは落星も同じでその声を聞くものとはつまり、その場を爆破した張本人だ。
「まあこの時のためにスタングレネード版のクローンを作っておいて正解でしたね。実物は嵩張ってダメだ、効率的じゃない。」
その張本人とは探索隊随一の脳を誇るサイ・エンサーだった。彼は大量に所持している自分のクローンを使っていたのだ。
「あなたは大事な贄だ、ここでこんなモノを相手に失う訳にはいかないのだよ」
意味深な言葉を残しながら彼は落星をクローンの一体に持たせどこかへ行ってしまった。
恐らく次回で前半戦終了かなと思います。
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