運命には抗えない

あぶそーぶ

ep.if 1話 世界大戦

 時にして西暦2500年。地球人は食糧を巡って争いあっていた。

 増えすぎた人口を減らす為あらゆる手段が取られた。姥捨うばすて、闇討ち、虐殺、、、。

 しかし、事態においてどのような手段を取ろうとも解決しないのは目に見えて明らかだった。故にそれが起こるのは当然のことだったのだ。

 かつて「土地」と「資源」を巡り互いを削りあった事柄。つまりは世界大戦。

 その戦いに女や子供も関係なかった。存在する全てをつぎ込み勝利をめざした。

 だが、どこの国も同じ手段を取る中、日本という国家だけは劣勢に立たされていた。

 理由は明白。絶対的な資源が足りないのだ。辛うじて戦線を維持する程度の戦力を保持してはいるものの、何時補充が切れるか分からない状況下では、兵士達の心は疲弊するばかりだった。

 だからこそ彼らは信じきってしまった。

 突如として日本の都市に出現した大量の飛行体。それは頭上に光り輝く輪を、背中から2対4枚の翼を生やした存在だった。

 それらが姿を表した直後、全日本人にこのような言葉が頭に囁かれたという。

ーー安心せよ、真に神の子たる日本の民よ

ーー僕は神、その一人

ーーそれらは僕の御使い、言わば天使

ーー天使は全ての日本の民を救う

ーー変わりに、僕に信仰を捧げよ

ーーさすれば日本の勝利は揺るぎはしない

 声が途切れた後、全日本人は天に、いや神に祈った。

ーーどうか弱き我らをお救い下さい

 同時に天使たちは動き出した。

 それらの力は圧倒的だった。

 存在する軍事力では傷一つつけられず、防衛力では何一つ守ることも叶わない。

 後に第三次世界大戦と呼ばれる戦争はこうして、日本の勝利は確定した。

 だが、その時には既に地球上の食糧は尽きていた。何故に我らは戦っていたのかと途方に暮れる日本人にまたもや神が語りかけてきた。

ーー食べるものならば目の前にあるだろう?

 その言葉に誰もが戸惑った。それもそのはず。

 食べろと言ったものは目の前にあるもの、つまり、、、

「人を、、、食べ、、、る、、、?」

 幾ら神の言葉とはいえ同族は食べることは拒んだ。しかし、完全に逆らうことは出来ず敗戦国の捕虜の内、特に肉付きの良い者・・・・・・・・を厳選し、食した。

 食した時の人の反応はそれぞれだった。美味いと叫びながら狂ったように食べる者、ただ普通に食べ進める者、不味いと吐く者。

 また暫くして再び神の囁きか聞こえた。

ーー地球よりい出て、あらゆる惑星の生命体を糧にし、存命せよ

 これを聞いた日本人は全ての日本人と容姿に優れる外国人、または才能のある外国人を残しそれ以外を食糧に変え宇宙に出た。

 それからは神による啓司・・を頼りに日本人、いや地球人は活動範囲を広げて行った。

 ただ利用されているだけとも知らずに、、、。


コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品