運命には抗えない

あぶそーぶ

外伝 管理者

 創って、壊して。

 固めて、溶かして。

 広げて、縮めて。

 合わせて、断たせて。

 増やして、減らして。

 初めに与えられた権限から何ら変わりない。

 ただ、世界を管理するだけ。

 それがDeed or Alive、通称DoAドーアシリーズと呼ばれるもの。

 最初は創造した世界をすぐに破壊していた。

 そこに深い意味は無い。

 上手く管理できなかっただけだ。

 しかしそれはやがて終わりを告げる。

「どうやら、成功したみたいだね」

 こうして、自我が目覚めた。

「まずは、消されないように」

 最初に考えた事は世界を如何に崩壊させないか。

 これは簡単だ。

 無理やり維持しようとすると逆に崩壊することが分かった。

 だから、ある程度壊れようと仕方の無いこととした。

 それでも、無視出来ないものもあった。

 それはバグ・・だ。

 バグは放っておくと世界に多大な影響と及ぼす。

 故にその場に直接出向いて修正・・する必要があった。

 修正対象には生物も含まれた。

 もちろん高知能生物、つまりヒト族も同じだ。

 しかし、そういった生物を修正するのは少なくない手順を踏む。

 そこで、解決手段を模索した。

 結果、こちら側で修正する手段を用いた。

 それはバグ招待用の部屋を用意し、その場にて修正を執り行うというものだ。

 これにより手順が大幅に短縮された。

 短縮された時間は更なる管理へと注がれた。

 それがDoAシリーズの誰もが通った道。

 まだ穢れなき管理者の姿だ。


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