運命には抗えない
ep.3 最終話 停止
   ー王 抗命sideー
「、、、。だが、そんな私の日々も今日ここで終わる!こんなにも嬉しいことは無い」
仲間からの視線を受け、準備が完了した事を知った。だが、合図を送ろうとした時にそれは起きた。
「さあ、決着をつけましょう!」
兄が言葉にすると同時に艦内が大きく揺れた。バランスを崩しそうになるがどうにか持ちこたえる。
攻撃手段としてこのようなことを行ったとみて警戒したが、兄は一歩も動いていない。しかし、顔には底なしの笑みが浮かんでいた。
僕は仲間が気になり少しだけ後ろを振り向いた。この程度の揺れで倒れるような者はいないと心では思っていても妙なざわつきがあったからだ。
「なっ」
しかし、予想に反して目に映ったのは倒れる仲間たちだった。即座に振り向き声を上げた。
「何をした!」
「くっ、ふふ。あははは!!」
「答えろ!」
何がおかしいのかしばらく笑い続けた。その笑いが終わった時、兄の顔にはなんの表情もなかった。
「簡単な話だ。この船、ヘリオスにある全ての通信機器を使って俺以外の頭の中にジャミングを入れてやったのさ。当然負荷に耐えきれなくなった脳内チップは機能を失い、思考能力の大半を失った体は地に伏せるということだ」
先程まで着いていた敬語は取れ、主語も私から俺へと変わっていた。これが兄の本性という訳か。兄の言葉信じるならば今艦内で動けるのは僕と兄、そして、原星人だけだ。
今この場にいない原星人達は関係ないとしても、これは兄を打ち倒すチャンスだ。
「それはつまり、一対一の勝負ならば僕に勝てるって言いたいのか?残念だけど一対一の勝負に勝てない訳が無いじゃないか」
そう、今まで何度も訓練をしてきた。機械化出来なくとも人に勝てるように。だから、自信があった。
「ああ、お前は勘違いをしているね。さすがは欠陥品」
そういった兄の顔には再度笑みが浮かんだ。戯言だと切り捨て走り出そうとした。
だが、右足に違和感があり、バランスを崩してしまう。どうにか左足で踏ん張り倒れるのを防ぐことが出来たが、右足を確認するとそこには仲間の手が掴まれていた。
「思考能力を失っても動かせるんだよ。そう、脳内チップは使い物にならないが、体中に張り巡らされた機械が機能停止したわけじゃない」
さらに後ろを振り向いた僕にさらなる戦慄が襲った。
「そう、俺が命令を送れば従順に従う機械人形の完成って訳だ。さあ、かつての仲間と踊るがいい」
僕はこの言葉の後の瞬間が永遠に感じた。一瞬にしてこの局面を抜け出す様々な方法を考えたからだ。
導き出された方法は兄を殺すことだ。如何に頑強な機械人形と言えど命令が出されなければただの木偶だ。
時が再び動き出した時まず、右足の拘束から抜け出した。次に足を掴んでいた仲間を蹴り飛ばし、後ろに続く仲間たちに倒れかかるようにした。
これで暫く時間が稼げるだろうと信じ、兄の方へと走り出した。距離にして10メートル程。
邪魔などはいるすべもなく兄を殺せる。だがやはり僕の頭の中には迷いがあった。
その迷いは一瞬で晴れたもののその一瞬が仇となった。なぜなら、横から迫ってくる攻撃をかわせなかったからだ。
「ぐっ」
攻撃された方を見ると捕虜の少女に似た機械人形が立っていた。そう言えばこいつもいたなと思いながら立ち上がったが、既に迫ってきていた仲間たちに地に伏せられてしまう。
そして、打ちどころが悪かったのかそこで僕の意識は亡くなった。
Episode 欠陥 TrueEnd
いやぁ、短かったですね。
これぐらい短いと作者の考えたあれやこれやが全部無駄になるんですよね。
まあ、それは置いといて、とうとう終わってしまったと感じたそこのあなた。
あらすじが何やら変更されているみたいですぞ。
気になる方はどうぞご確認を!
追記:一部表記の訂正(2020/10/9)
「、、、。だが、そんな私の日々も今日ここで終わる!こんなにも嬉しいことは無い」
仲間からの視線を受け、準備が完了した事を知った。だが、合図を送ろうとした時にそれは起きた。
「さあ、決着をつけましょう!」
兄が言葉にすると同時に艦内が大きく揺れた。バランスを崩しそうになるがどうにか持ちこたえる。
攻撃手段としてこのようなことを行ったとみて警戒したが、兄は一歩も動いていない。しかし、顔には底なしの笑みが浮かんでいた。
僕は仲間が気になり少しだけ後ろを振り向いた。この程度の揺れで倒れるような者はいないと心では思っていても妙なざわつきがあったからだ。
「なっ」
しかし、予想に反して目に映ったのは倒れる仲間たちだった。即座に振り向き声を上げた。
「何をした!」
「くっ、ふふ。あははは!!」
「答えろ!」
何がおかしいのかしばらく笑い続けた。その笑いが終わった時、兄の顔にはなんの表情もなかった。
「簡単な話だ。この船、ヘリオスにある全ての通信機器を使って俺以外の頭の中にジャミングを入れてやったのさ。当然負荷に耐えきれなくなった脳内チップは機能を失い、思考能力の大半を失った体は地に伏せるということだ」
先程まで着いていた敬語は取れ、主語も私から俺へと変わっていた。これが兄の本性という訳か。兄の言葉信じるならば今艦内で動けるのは僕と兄、そして、原星人だけだ。
今この場にいない原星人達は関係ないとしても、これは兄を打ち倒すチャンスだ。
「それはつまり、一対一の勝負ならば僕に勝てるって言いたいのか?残念だけど一対一の勝負に勝てない訳が無いじゃないか」
そう、今まで何度も訓練をしてきた。機械化出来なくとも人に勝てるように。だから、自信があった。
「ああ、お前は勘違いをしているね。さすがは欠陥品」
そういった兄の顔には再度笑みが浮かんだ。戯言だと切り捨て走り出そうとした。
だが、右足に違和感があり、バランスを崩してしまう。どうにか左足で踏ん張り倒れるのを防ぐことが出来たが、右足を確認するとそこには仲間の手が掴まれていた。
「思考能力を失っても動かせるんだよ。そう、脳内チップは使い物にならないが、体中に張り巡らされた機械が機能停止したわけじゃない」
さらに後ろを振り向いた僕にさらなる戦慄が襲った。
「そう、俺が命令を送れば従順に従う機械人形の完成って訳だ。さあ、かつての仲間と踊るがいい」
僕はこの言葉の後の瞬間が永遠に感じた。一瞬にしてこの局面を抜け出す様々な方法を考えたからだ。
導き出された方法は兄を殺すことだ。如何に頑強な機械人形と言えど命令が出されなければただの木偶だ。
時が再び動き出した時まず、右足の拘束から抜け出した。次に足を掴んでいた仲間を蹴り飛ばし、後ろに続く仲間たちに倒れかかるようにした。
これで暫く時間が稼げるだろうと信じ、兄の方へと走り出した。距離にして10メートル程。
邪魔などはいるすべもなく兄を殺せる。だがやはり僕の頭の中には迷いがあった。
その迷いは一瞬で晴れたもののその一瞬が仇となった。なぜなら、横から迫ってくる攻撃をかわせなかったからだ。
「ぐっ」
攻撃された方を見ると捕虜の少女に似た機械人形が立っていた。そう言えばこいつもいたなと思いながら立ち上がったが、既に迫ってきていた仲間たちに地に伏せられてしまう。
そして、打ちどころが悪かったのかそこで僕の意識は亡くなった。
Episode 欠陥 TrueEnd
いやぁ、短かったですね。
これぐらい短いと作者の考えたあれやこれやが全部無駄になるんですよね。
まあ、それは置いといて、とうとう終わってしまったと感じたそこのあなた。
あらすじが何やら変更されているみたいですぞ。
気になる方はどうぞご確認を!
追記:一部表記の訂正(2020/10/9)
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