運命には抗えない

あぶそーぶ

ep.3 1話 組織

 遂にEpisode3の始動です。

 その前に話を始める前に一つ伝えておきたいことがあります。

 今章に日常回のようなものはなく(予定)、初めから殺伐とした空気が流れています。

 なので予定では1番話数が少ない章(予定)です。








 ー???sideー

「さてと、準備は良いかな?」

 僕は隣に立つ彼女に尋ねた。

「いつでもいいよっ」

 応える声はとても明るく、可愛らしかった。しかし、外見は打って変わり全身が包帯で巻かれていてまるでミイラだった。

「、、、ねぇ、今失礼な事考えてなかった?」

「そんなことは無い。それじゃあ、始めようか」

 納得のいっていない顔をしながらも彼女は指示に従ってくれた。

ーーポチッ

 今押したボタンは各所に仕掛けられた爆弾を起爆するスイッチだ。目で見ることは出来ないが、きっと慌てふためく愚かな人達がいるのだろう。

 そう思うと不思議と笑みが浮かびそうになるが、必死に堪える。胸の内の高揚を隠しながら手元にあるトランシーバーを使った。

「革命の刻は成った。各員、反逆の狼煙をあげよ!」

 トランシーバーからは返事は返ってこないが問題は無い。事前に僕が返事はしないように伝えておいたからだ。

「よし、僕らも行こう」

「うんっ」

 こうして僕らは打ち合わせ通りの場所へ向かうのだった。

 そもそも僕らのしていることは一般的にはテロリストと同じだ。現政権に胃を唱え、武力という分かりやすい恐怖によって自らの要求を通す悪人だ。

 だけど、悪人であるのは今この時までだとおもっている。もし、革命が成れば僕らは英雄として後世に名を連ねることになるはずだ。

 なぜなら、人の歴史は繁栄と崩壊を繰り返しその間に革命がある。その節目に関わった人物とは基本的に善人として扱われるからだ。

 しかし、そんなものは今はどうでもいい事だ。僕らはそれを望み、それの為に抗い、それだけに縋っているだけなのだから。

 つまりまとめると僕らはレジスタンスという革命組織を名乗っているが、公にはただのテロリスト集団だと思われているんだ。

 レジスタンスの頭を務めるのがこの僕、わん抗命こうめい。まだ地球に住んでいた頃の中国人という人種の家系らしく、姓には代々「王」が使われている。

 隣を走る彼女はミィナ・リル。僕とは違い、彼女はイギリス人の家系の直系にあたる為お嬢様でもある。

 まあ自己紹介はこの辺にしておいて、そろそろ目的地に着く。

 他の皆は大丈夫だろうか。

 実を言うとレジスタンスはかなり大きい組織で色んな所に根回しができる。

 その分デメリットもあり、現状をリアルタイムで把握出来ない。

 でもそれを理由に躊躇するようなことはしない。

 革命を起こすんだ、必ず、、、!


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