運命には抗えない

あぶそーぶ

ep.3 プロローグ

 僕は欠陥品だ。

 別に悲劇に浸っているのではない。

 ただ、事実を述べただけだ。

 普通では無い、劣っている、足りない。

 そう言ったものだ。

 そもそも人間とはそうであったはずだ。

 完全ではない。

 故に慢心せず、尽力してきた。

 しかしある者によって秩序は崩壊した。

 それは「神」と名乗る者だ。

 神は僕たちに圧倒的な力を与えた。

 技術力、科学力、思考力、、、。

 ありとあらゆる力を与えられた。

 だが、もちろんタダではなかった。

 それは神の願いだ。

 最初は簡単なものだった。

 繁殖せよ、鍛錬せよ、製造せよ。

 人は単純な指令に意気揚々と従った。

 もしかしたらそこから狂いだしたのかもしれない。

 次第に願いは無理難題な物へと変わっていった。

 共食いせよ、侵略せよ、支配せよ。

 その変化に僕たちは癖癖としていた。

 いや、人類全体がそう思っているに違いないと思っていた。

 しかし、現実は違った。

 知覚できない混沌の中で彼らはただ甘い汁を啜っていた。

 そうして、僕は彼らに対抗すべく行動を開始した。

 人を集め、拠点を作り、情報を収集した。

 そう、僕らはレジスタンス。

 今は亡き秩序を取り戻す組織だ。



 Episode 欠陥


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