運命には抗えない
ep.2 24.5話 諜報
   時は討伐隊が王都を離れた頃まで遡る。王都では既に別の作戦が遂行されようとしていた。
   例の会議室にて残っている各師団長と高名なスレイヤーが集まっていた。グランブレイバーは全員が集まったことを確認してから言った。
「今ここに集まっているものたちなら既に知っていると思うが、我ら鬼滅団の内の一師団、第2師団が全滅した。我々はこの事態を重く受け止め各地に斥候を放った。ここまではみなも知っていると思う」
   彼はあくまで確認するように言った。そして、全員が理解したであろう頃合を見計らって重要な発言をした。
「、、、今さっき我々の求めている可能性のある情報を入手した」
「なんだって!」
「遂にか、、、!」
「待ちわびたぜ!」
   それは確かに会議室にいるもの達にとって有益な情報であった。しかし、一人だけは歓喜せず疑問を抱いていた。
「すみません、一つよろしいでしょうか」
「ああ、許可する」
    その人物は第6師団団長ジーニスだった。
「何故、求めていた情報の入手に成功したと言わず、可能性のあると仰ったのですか」
   誰もがその疑問に至らなかったようで、首を傾げていた。
「それは、斥候からの情報なんだが、以前の風貌とは全く違っていたそうだ。全身を金属で覆うどころか、服すら身につけておらず背中からは羽のようなものが生え頭からは角を2本生やしていたそうなんだ。」
   そこまで聞いて誰もがその言葉を頭に過ぎらせただろう。そう、それはまるで、
「悪魔のようだ」
   と、誰からともなく零れ落ちた。
「、、、数は、、、どれ、、、くらい」
   淀みかけた空気を振り払うように第8師団長サイレントが言った。
「目視しただけでも五千は確認できたらしい。敵の総数は多く見積っても七千には届かないと思われる。対して我々は第1、4、6、8、10師団の一万五千、そして今回呼び掛けに応じてくれたスレイヤー五千名の計二万人がいる」
   そこで一旦言葉を区切り、息を整えたあと続けた。
「二万人だ、二万人全てを持って我々は敵の殲滅を行う。我らの同志を殺めたことを後悔させてやるのだ!」
「「「うおおぉぉ!!」」」
「と、言うことになっており、あと数日でここに奴らが来ると思われる」
「ふむ、、、斥候とはな。、、、無警戒だった」
   そこは王都より北東に存在する森であった。そこで話しているのはスミスとグロスだった。
「だが、襲撃前に情報を手に入れられたのは不幸中の幸いだな。よし、万全の状態で迎え撃て」
「了解」
やはりここでも迅速な行動を起こすグロス。反してスミスは静かに思考した。
(なるほど、鬼滅団の全てを持って討伐に向かわなかったのはこちらの動向が割れていたからか、、、しかし、スレイヤーまで集めるとはそこまで強いのか?侵略者とやらは)
追記:一部誤った表現の削除(2020/4/17)
   例の会議室にて残っている各師団長と高名なスレイヤーが集まっていた。グランブレイバーは全員が集まったことを確認してから言った。
「今ここに集まっているものたちなら既に知っていると思うが、我ら鬼滅団の内の一師団、第2師団が全滅した。我々はこの事態を重く受け止め各地に斥候を放った。ここまではみなも知っていると思う」
   彼はあくまで確認するように言った。そして、全員が理解したであろう頃合を見計らって重要な発言をした。
「、、、今さっき我々の求めている可能性のある情報を入手した」
「なんだって!」
「遂にか、、、!」
「待ちわびたぜ!」
   それは確かに会議室にいるもの達にとって有益な情報であった。しかし、一人だけは歓喜せず疑問を抱いていた。
「すみません、一つよろしいでしょうか」
「ああ、許可する」
    その人物は第6師団団長ジーニスだった。
「何故、求めていた情報の入手に成功したと言わず、可能性のあると仰ったのですか」
   誰もがその疑問に至らなかったようで、首を傾げていた。
「それは、斥候からの情報なんだが、以前の風貌とは全く違っていたそうだ。全身を金属で覆うどころか、服すら身につけておらず背中からは羽のようなものが生え頭からは角を2本生やしていたそうなんだ。」
   そこまで聞いて誰もがその言葉を頭に過ぎらせただろう。そう、それはまるで、
「悪魔のようだ」
   と、誰からともなく零れ落ちた。
「、、、数は、、、どれ、、、くらい」
   淀みかけた空気を振り払うように第8師団長サイレントが言った。
「目視しただけでも五千は確認できたらしい。敵の総数は多く見積っても七千には届かないと思われる。対して我々は第1、4、6、8、10師団の一万五千、そして今回呼び掛けに応じてくれたスレイヤー五千名の計二万人がいる」
   そこで一旦言葉を区切り、息を整えたあと続けた。
「二万人だ、二万人全てを持って我々は敵の殲滅を行う。我らの同志を殺めたことを後悔させてやるのだ!」
「「「うおおぉぉ!!」」」
「と、言うことになっており、あと数日でここに奴らが来ると思われる」
「ふむ、、、斥候とはな。、、、無警戒だった」
   そこは王都より北東に存在する森であった。そこで話しているのはスミスとグロスだった。
「だが、襲撃前に情報を手に入れられたのは不幸中の幸いだな。よし、万全の状態で迎え撃て」
「了解」
やはりここでも迅速な行動を起こすグロス。反してスミスは静かに思考した。
(なるほど、鬼滅団の全てを持って討伐に向かわなかったのはこちらの動向が割れていたからか、、、しかし、スレイヤーまで集めるとはそこまで強いのか?侵略者とやらは)
追記:一部誤った表現の削除(2020/4/17)
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