運命には抗えない
ep.2 21.5話 進軍
   ーアネモニーsideー
   東の4大都市が鬼によって滅ぼされた。その報せが僕の耳に入ったのは鬼滅団に入団してから数日もしない頃だった。
   すぐに討伐隊が編成され、行軍が開始された。まだ師団に配属されていない僕は討伐隊に志願した。
ーー私はな、お前みたいな軟弱者が嫌いだ。大したことを何もせず、ただ過去に嘆いてばかりいるお前みたいな人間が大嫌いなんだよ!
   そんないつだかの師団長の言葉を否定したい訳じゃないけど、何もしない事には何も変わらない事は事実だと思うから。
   そう思った日から数日、僕の目の前には想像を絶するような鬼の軍勢が迫っていた。ゴブリンからジェネラル果ては亜種まで揃えたまさに総力と呼べる規模だろう。
   でも不思議と恐怖は感じられなかった。今はただ目の前の暴力を鎮めることに意識を集中させているからだと思う。
「進軍、開始!」
   そう告げたのは鬼滅団第9師団団長であり、今作戦における最高指揮官のフレイだった。その発言を待ちわびていたかのように飛び出して行ったのは、これまた鬼滅団第3師団団長のグリムだ。
「オラオラァ!邪魔する奴ァ皆殺しだ!」
   続いて第3師団の団員たちが、さらに遅れて第7師団団長のマッドネスとその団員たちがが戦場へと向かっていった。一方僕達は少し離れた小高い丘から戦場を見渡していた。
   何故全員で戦わないかと言うと長期戦となる可能性が高いかららしい。ちなみに僕のような志願兵は戦力の差がないよう均等に振り分けられているとのこと。
   僕は後攻を担当している第5師団、第9師団の方に配属された。だが、後攻だからと言ってただ見物ばかり出来る訳じゃない。
   それは交代の条件が「半分以上の死傷者が出る」だからだ。また、隊列の端からこちら側に向かってくる鬼の対処も求められる。
   その為武器の手入れや戦況の確認をしながらも鬼の動向には常に気を配っている必要がある。
   でも、この胸騒ぎはなんだろうか。
   まるで大きな何かが見えない所で動いているような気がする、、、。
追記:誤字修正(2020/3/27)
   東の4大都市が鬼によって滅ぼされた。その報せが僕の耳に入ったのは鬼滅団に入団してから数日もしない頃だった。
   すぐに討伐隊が編成され、行軍が開始された。まだ師団に配属されていない僕は討伐隊に志願した。
ーー私はな、お前みたいな軟弱者が嫌いだ。大したことを何もせず、ただ過去に嘆いてばかりいるお前みたいな人間が大嫌いなんだよ!
   そんないつだかの師団長の言葉を否定したい訳じゃないけど、何もしない事には何も変わらない事は事実だと思うから。
   そう思った日から数日、僕の目の前には想像を絶するような鬼の軍勢が迫っていた。ゴブリンからジェネラル果ては亜種まで揃えたまさに総力と呼べる規模だろう。
   でも不思議と恐怖は感じられなかった。今はただ目の前の暴力を鎮めることに意識を集中させているからだと思う。
「進軍、開始!」
   そう告げたのは鬼滅団第9師団団長であり、今作戦における最高指揮官のフレイだった。その発言を待ちわびていたかのように飛び出して行ったのは、これまた鬼滅団第3師団団長のグリムだ。
「オラオラァ!邪魔する奴ァ皆殺しだ!」
   続いて第3師団の団員たちが、さらに遅れて第7師団団長のマッドネスとその団員たちがが戦場へと向かっていった。一方僕達は少し離れた小高い丘から戦場を見渡していた。
   何故全員で戦わないかと言うと長期戦となる可能性が高いかららしい。ちなみに僕のような志願兵は戦力の差がないよう均等に振り分けられているとのこと。
   僕は後攻を担当している第5師団、第9師団の方に配属された。だが、後攻だからと言ってただ見物ばかり出来る訳じゃない。
   それは交代の条件が「半分以上の死傷者が出る」だからだ。また、隊列の端からこちら側に向かってくる鬼の対処も求められる。
   その為武器の手入れや戦況の確認をしながらも鬼の動向には常に気を配っている必要がある。
   でも、この胸騒ぎはなんだろうか。
   まるで大きな何かが見えない所で動いているような気がする、、、。
追記:誤字修正(2020/3/27)
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