運命には抗えない
ep.2 19.5話 決行
   ースミスsideー
ーー復讐
   それが後に何も残さないことなどとうの昔に分かりきっていた。
「皆よ、時は来た」
   憎しみの炎に人生という名の薪をくべる愚かな行為だと。
「我らが憎悪を人間どもに知らしめる時だ」
   しかし、その炎を絶やしてはならないと内なる自我が囁くのだ。
「もはや全ては我らの味方だ」
   人ですらないオレでもその言葉には逆らうことは出来なかった。
「自らの行いを後悔させろ」
   だから、それが運命であるかの様に道を辿るしかないのだ。
「今こそ革命だ!」
「「「オオオォォォ!!」」」
   雄叫びが鳴り止んだ頃、目の前には誰もいなくなっていた。
「全く、働き者ばかりだな」
   かくいうオレも彼らの立場なら同じ様に行動するだろう。オレもまた信念をもっているからな。
   思いながら、城を出た。すると眼前には数百の上位悪魔、数千の下位悪魔が隊列を組んでいた。隊列と言っても人間とは違い大雑把なものではあるが。
   また、見えないながらも既に数え切れないほどの鬼が4大都市に攻め入っているはずだ。
   それに皆には言っていないが、妖狐にも協力を要請済みだ。
   準備は万全。策に穴などない。
   しかし、油断はしない。かつてそのせいで人間に、、、。
「ダメだな。戦争を前に思いふけるなど」
   そこで、隊列を組んでいた悪魔たちが侵攻を始めた。もはや誰も彼らを止めることなど叶わないだろう。
   そう思うと同時にこの作戦の成功が必ず訪れると確信した。
ーーピアラシーク城にて
「今日の茶は中々に良い。して、これは何処で?」
   ここは城主館の一室。縦に長い独特な冠を被った城主が側近と思しき人物に声をかけた。
「はい。これは我らが東の4大都市よりさらに東に進んだ島国、倭国から取り寄せました、リョク茶と言います。独特な苦味が特徴でございます」
「ほう、それは良いことを聞いた。これからはこれを茶の時のお供としよう」
「では、その通りの手筈を打っておきましょう。失礼します」
   襖から出ていった側近を見送ることもせず、城主はただリョク茶を楽しんでいた。
   これもまた日常。この後は午後の会議を済ませた後食事を取り、、、。と、いつも通りの生活をするはずだった。
   しかし、その日常は唐突に終わりを告げた。慌ただしい一報によって。
「すみません!」
   その男は突然襖を開け、大声で叫んだ。もちろんこれに城主は驚いた。
「この大うつけめが!何用でこの部屋に入ってきたのだ?場合によっては死罪ぞ」
「申し訳ございません!至急お耳に入れたいことが!」
 「、、、よい、申してみよ」
   不機嫌さを一切隠さないでそう言い放った。だが、そんな顔は次の言葉を聞いた瞬間に青ざめた表情に変わったのだった。
「鬼に、鬼の軍勢に城を囲まれています!!」
追記:一部誤字の修正(2020/04/10)
ーー復讐
   それが後に何も残さないことなどとうの昔に分かりきっていた。
「皆よ、時は来た」
   憎しみの炎に人生という名の薪をくべる愚かな行為だと。
「我らが憎悪を人間どもに知らしめる時だ」
   しかし、その炎を絶やしてはならないと内なる自我が囁くのだ。
「もはや全ては我らの味方だ」
   人ですらないオレでもその言葉には逆らうことは出来なかった。
「自らの行いを後悔させろ」
   だから、それが運命であるかの様に道を辿るしかないのだ。
「今こそ革命だ!」
「「「オオオォォォ!!」」」
   雄叫びが鳴り止んだ頃、目の前には誰もいなくなっていた。
「全く、働き者ばかりだな」
   かくいうオレも彼らの立場なら同じ様に行動するだろう。オレもまた信念をもっているからな。
   思いながら、城を出た。すると眼前には数百の上位悪魔、数千の下位悪魔が隊列を組んでいた。隊列と言っても人間とは違い大雑把なものではあるが。
   また、見えないながらも既に数え切れないほどの鬼が4大都市に攻め入っているはずだ。
   それに皆には言っていないが、妖狐にも協力を要請済みだ。
   準備は万全。策に穴などない。
   しかし、油断はしない。かつてそのせいで人間に、、、。
「ダメだな。戦争を前に思いふけるなど」
   そこで、隊列を組んでいた悪魔たちが侵攻を始めた。もはや誰も彼らを止めることなど叶わないだろう。
   そう思うと同時にこの作戦の成功が必ず訪れると確信した。
ーーピアラシーク城にて
「今日の茶は中々に良い。して、これは何処で?」
   ここは城主館の一室。縦に長い独特な冠を被った城主が側近と思しき人物に声をかけた。
「はい。これは我らが東の4大都市よりさらに東に進んだ島国、倭国から取り寄せました、リョク茶と言います。独特な苦味が特徴でございます」
「ほう、それは良いことを聞いた。これからはこれを茶の時のお供としよう」
「では、その通りの手筈を打っておきましょう。失礼します」
   襖から出ていった側近を見送ることもせず、城主はただリョク茶を楽しんでいた。
   これもまた日常。この後は午後の会議を済ませた後食事を取り、、、。と、いつも通りの生活をするはずだった。
   しかし、その日常は唐突に終わりを告げた。慌ただしい一報によって。
「すみません!」
   その男は突然襖を開け、大声で叫んだ。もちろんこれに城主は驚いた。
「この大うつけめが!何用でこの部屋に入ってきたのだ?場合によっては死罪ぞ」
「申し訳ございません!至急お耳に入れたいことが!」
 「、、、よい、申してみよ」
   不機嫌さを一切隠さないでそう言い放った。だが、そんな顔は次の言葉を聞いた瞬間に青ざめた表情に変わったのだった。
「鬼に、鬼の軍勢に城を囲まれています!!」
追記:一部誤字の修正(2020/04/10)
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